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映画『ホノカアボーイ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ホノカアボーイ』の概要:大学生レオは、恋人カオルとハワイを観光していた。伝説の月の虹が見たいとごねるカオルのため、レオは必死で行き方を調べるも難航する。カオルとの関係は冷め、帰国後別れる。半年後、レオは単身再びハワイを訪ねる。映画館で働きながら、優しく穏やかな日々に身を委ねていく…。

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映画『ホノカアボーイ』の作品情報

ホノカアボーイ

製作年:2008年
上映時間:111分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:真田敦
キャスト:岡田将生、倍賞千恵子、長谷川潤、喜味こいし etc

映画『ホノカアボーイ』の登場人物(キャスト)

レオ(岡田将生)
美大生。大学を休学して、ハワイ島にワーキングホリデーで滞在する。映画館で住み込みながら働く。優柔不断で呑気な性格。都合が悪くなると黙る癖がある。写真を撮るのが趣味で、ニンジンが嫌い。
ビー(倍賞千恵子)
ハワイ島に一人で暮らす女性。夫は50年程前に亡くなり、以来独り身を貫いている。料理上手でレオの食事の世話をするようになる。口調は丁寧だが、いたずら好きで子どもっぽい所がある。
マライア(長谷川潤)
グロサリーストアの店員。スタイル抜群の美女で、天真爛漫な性格。ピーナッツアレルギーがある。彼氏と喧嘩が絶えず、一時期レオと親密になる。
カオル(蒼井優)
レオの元彼女。一緒にハワイを旅行したが、レオの無計画さに愛想を尽かす。都会的でクールな今時女子。
エデリ(松坂慶子)
町の映画館の女主人。食いしん坊でいつも食べてばかり。のんびり屋でマイペース。
バズ(チャズ・マン)
エデリの夫で映像技師。口数が少なく強面だが、内面は繊細。
コイチ(喜味こいし)
病身の妻を看病する老人。暇ができてはアダルト本を読みふけるスケベ爺さん。アダルト本を届けるレオを可愛がる。
ジェームス(トム・スズキ)
映画館併設のカフェでポップコーンを売る爺さん。ほとんど寝てばかりだが、周囲をよく見ている。バズを上回る無口&無表情が特徴。

映画『ホノカアボーイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ホノカアボーイ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ホノカアボーイ』のあらすじ【起】

ハワイ島ホノカア。レオは映画館でのアルバイトの他、近所の独り暮らしする老女に食料品を届ける仕事も担っていた。ビーの家を訪ねるが、彼女の姿は見えない。レオはキッチンを物色しながら、美味しそうな料理を勝手に味見する。ビーはレオにいたずらを仕掛け、「それは猫の餌」と面白そうに言う。だが、ビーはレオにも食事を用意しており、レオは好意に甘えてご馳走になる。手料理を頬張るレオを、ビーは微笑ましく見つめた。

レオの食習慣を知ると、ビーは思い立ったように毎日自分の家で食事を摂るようレオに勧める。

映画館では、技師のバズが転倒し片腕を骨折してしまう。バズが回復するまでの間、業務は休業することになる。だが、レオが運営を交代すると申し出る。バズから指導されていたこともあり、映写機の操作には自信があった。しかし、いざ業務本番となると、映写機にトラブルが生じる。結果、公開は中断され、レオは自信をすっかり無くしてしまう。ビーは、意気消沈するレオを優しく励ますのだった。

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映画『ホノカアボーイ』のあらすじ【承】

レオがビー宅で食事を摂るのも習慣化していた。レオは料理が得意ではなく、ビーの調理風景を見学させてもらう。ビーがロールキャベツを作る、どこかの店ではマライアが箒がけをしている―町の人々の瞬間がシンクロしていた。日本では感じることのできない、何とも幸福な時間だった。

レオの元に日本から宅配物が届く。それにはアダルト本もあり、コイチが事前にレオに頼んでおいたものだった。コイチの喜ぶ様子を浮かべ、レオは嬉々として本を彼の元へ届けに行く。

ビーはレオの来訪が待ち遠しくて仕方なかった。そして、ビーはレオから買い物メモの代用手段として糸電話を渡される。レオは以前、月の虹(ムーンボウ)を見ようとしたが叶わなかった。そのため、仲良くなったビーに、ムーンボウを見に行こうと誘った。翌日、レオたちは森のコテージへ出かける。仲良く並んで写真に写る。その夜は満月が浮かんだが、雲がかかって虹の現象は見られなかった。レオはビーから旦那の話を聞き、自身の恋話もする。もし彼女ができたら、ビーに料理を教えてくれと頼む。何を思ったのか、ビーは途端に態度を変え先に眠ってしまった。

病身の妻を遺して、コイチが急死した。パーキンソン病を患った妻は、最初平然としていが、悲しみを露にする。葬儀の後、霊魂を悼むダンスを踊る参列者の女性に、レオは目を奪われる。後日、レオは彼女―マライアとスーパーで再会する。陽気なマライアにどきどきしつつ、レオは看板のイラストを描いてくれと頼まれる。レオを意識しだしたビーは、ブティックでワンピースを購入、久々の乙女気分に高揚していた。

映画『ホノカアボーイ』のあらすじ【転】

レオはマライアに、ビーはレオに恋心を抱く。よく晴れた日、レオとマライアは海水浴に出かける。二人はどんどん親密になり、レオはマライアから夜のお誘いを受ける。その夜、ビーは食事を用意して待ったがレオは来なかった。

レオと恋人同然になったマライアは、映画館を訪ねる。無邪気なので、周りの年配者たちからはすっかり気に入られる。有頂天のレオは、マライアを自分の誕生日パーティーに招待する。一日ぶりにレオはビー宅で食事をする。恋に夢中なレオとビーの距離は、自然と空くばかりだった。

誕生会当日。会場のビー宅にマライアが訪れる。マライアは手作りケーキを持参するが、ビーも立派なチョコレートケーキを用意していた。マライアはビーに好意的に接するも、あからさまにレオと仲睦まじげにする。耐えかねたビーは、買い物を口実に家を飛び出す。

ビーが町をぶらついている間、マライアはピーナッツが入った料理を口にして病院に運ばれる。レオは激昂し、電話口でビーを追及する。マライアの元に戻ろうとすると、彼女の彼氏がマライアを見舞っていた。恋人たちはそれこそ仲睦まじげに言葉を交わし、レオは失恋を自覚して病院を後にする。レオと衝突したビーは、自宅で倒れてしまう。

レオは、医者からビーは脳内出血でほぼ失明したと聞かされる。両目を眼帯で覆ったビーに、レオは心から謝る。ビーはいつかのように優しく歌を口ずさみ、レオの失恋の痛手さえも癒すのだった。

映画『ホノカアボーイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

レオはコイチの自宅を通り過ぎると、コイチの霊と再会する。コイチはあの世でフィーバーしているようで、あまり死人の悲しさをまとっていなかった。

バズの怪我が完治せず、映画館は閉業することになる。レオはビーのそばにいたいと思っていた。コイチは、ハワイに残るか日本に帰るか、ちゃんと決めろ、と激励して天に帰る。レオはビーと同居するようになり、代わりに料理を担う。ビーは記憶を頼りに、レオに料理の指導を行った。二人の関係はより穏やかなものとなっており、レオは再び森のコテージへ行こうとビーを誘う。

満月の夜。ビーだけはわずかな視力で、月が滲んで見え、ムーンボウを見ることができた。ムーンボウを見ると願いが叶うという伝説から、ビーはまたレオの困り顔を見たい、と祈った。

レオはスーパーでマライアと再会する。マライアは相変わらず彼氏と衝突を繰り返しているが、好きな気持ちは変わらないようだった。レオはマライアとの間がぎくしゃくしないことに安心した。

嵐の夜―ビーは一人目を覚ます。視力が戻っており、夢の中のレオの顔を見ることができた。ビーはキッチンに立つと、何かを悟ったように久々の料理に打ち込む。日が昇り、レオが起きるとビーの姿が消えていた。テーブルには大量のロールキャベツの作り置きが遺されていた。ハワイでは、死んだ人は風になるという言い伝えがあり、ビーはきっと風になったのだ―とレオは悟った。

一年後。レオは社会人になり、再びホノカアを訪れていた。ビーが亡くなった後もそのままの家へ、一年ぶりに足を運ぶ。キッチンには、コテージで撮ったレオとビーの写真が飾られたままだった。レオは、初めてビーの自分への深い愛情を実感した。寝室の窓辺に行くと、糸電話が残されていた。向かいの家の窓に、ビーが現れる。レオは、「ごちそうさま」と言えなかった言葉を伝える。ビーは優しく微笑むと、天国へ昇った。

レオはホノカアの野原を散歩する。青空を仰ぐと、美しい虹がかかっていた。

映画『ホノカアボーイ』の感想・評価・レビュー

未亡人の高齢女性が、若い男性に恋心を抱くストーリー。

キャスティングによっては、痛々しく見ていられない感じの映画になってしまったかもしれない。しかし、ビーさんを演じた倍賞千恵子が、恋する女性の可愛らしさを上手に演じていて、時々少女のように見えた。

ハワイ島が舞台なので、ゆったりと流れていく時間と、綺麗な景色が優雅で、ビーさん宅のインテリアや、ビーさんの作る手料理が素敵だった。真似して作ってみたくなるほどだ。(女性 40代)


ロールキャベツ、マラサダ、ポキ等おいしそうな料理がずらりと並びます。他にも、ホノカアのローカルの雰囲気や、長谷川潤のフラダンス、ムーンボウについてなど、ハワイの文化に触れることのできる貴重な映画です。未亡人ビーさんの長年にわたる寂しさとか、レオに恋してしまった気持ちを考えると、じんわりと辛く切なさを感じます。しかし、「歳をとったからってやっちゃいけないことはない」のでしょう。お婆さんになっても恋をしたっていいはずです。(女性 30代)


吹き抜けるそよ風が心地よく、のんびりした時間が流れている映画。ホノカアの町に行ってみたくなります。ファッションやインテリアが可愛く、ポスターにして部屋に飾りたいくらいでした。
現実離れした空気感の中、ビーさんの恋心はちょっとリアルで痛々しい。歳をとっても誰かを好きになる気持ちは変わらないと思いますが、親子ほど歳の離れた男の子への恋心は、そっと胸の中に隠しておいて欲しいと思いました。(女性 40代)

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