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映画『ほとりの朔子』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『ほとりの朔子』の概要:受験に失敗した朔子は特にやりたいことも見つけられず、伯母の海希江と約2週間を過ごすことにした。そこで知り合った人々と様々な人間模様を目にする朔子。そんな日常の中で、前向きに進む気持ちを取り戻していく。日記形式で描く青春ヒューマンドラマ。

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映画『ほとりの朔子』の作品情報

ほとりの朔子

製作年:2013年
上映時間:125分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:深田晃司
キャスト:二階堂ふみ、鶴田真由、太賀、古舘寛治 etc

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映画『ほとりの朔子』の登場人物(キャスト)

朔子(二階堂ふみ)
大学受験にことごとく失敗。勉強に疲れている。人見知りしない子で孝史に淡い恋心を抱く。
海希江(鶴田真由)
朔子の伯母で美人。海外を飛び回っており、翻訳の仕事をしている。過去に兎吉と付き合っていた。仕事と恋愛は別だとはっきり言い切る強さがあり、西田と不倫関係にある。
孝史(太賀)
兎吉の甥で不登校。ホテルでアルバイトをしている。福島原発の被害者で疎開中。優しい性格。
兎吉(古舘寛治)
孝史の叔父。ビジネスホテルに見せかけたラブホテルの支配人で気さくな性格。大学生の娘がいる。
西田(大竹直)
大学の非常勤講師。美術史を専攻しており妻帯者。海希江と不倫関係にある。

映画『ほとりの朔子』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ほとりの朔子』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ほとりの朔子』のあらすじ【起】

8月26日、日曜日。ことごとく大学受験に失敗した朔子は、伯母の海希江と彼女の姉の家にやって来た。海希江の姉が海外へ遊びに行っている間、約2週間ほどの滞在を予定している。
到着直後、もう1人の伯母と挨拶を交わし、荷物持ちで来ていた兎吉と顔を合わせた。海希江と兎吉は古い知り合いらしい。その後、伯母と近所を散歩。浜辺で兎吉の娘と遭遇し挨拶した。

8月27日、月曜日。朔子はその日、海へ1人で遊びに行った。

8月28日、火曜日。近所の知り合いが来客。グループで絵画を描いているらしい。その人に花の絵を見せてもらう。海希江が現在、翻訳中の小説に出てくる花だったため、現物を見たいという伯母に付き合って花を見に行く朔子。
途中で自転車に乗る兎吉と甥の孝史に出会った。4人で仲良く川原へ向かう。若者2人は世間話をした。孝史は高校生だったが、学校には行かず兎吉が経営するホテルで、アルバイトをしているらしい。

8月29日、水曜日。急な来客のため、迎えに行くからと海希江が外出。朔子は家にある自転車に乗って、昨日の川原へ向かった。上着を忘れたことに気付いたためだ。ついでに兎吉の麦わら帽子も届けてあげることにする。
まずは兎吉の娘が働く喫茶店へ。だが、大学生の娘は父親とは別々に住んでいるようで、滅多に会わないらしい。それなら暇つぶしにと、兎吉のホテルを訪ねてみることにした。

映画『ほとりの朔子』のあらすじ【承】

ホテルでは孝史が働いており、客室の掃除からロビーの掃除を行っていた。ロビーでは冴えない女性が、誰かと待ち合わせをしている。待ち人は壮年の男性で地元の偉い人らしい。彼が来たら必ず、指定の曲をリピートで館内へ流すきまりだった。

ホテルに到着し、兎吉に帽子を渡すことができた朔子。不躾にも兎吉からホテルが実は、ラブホテルであることを聞く。ビジネスホテルと見せかけたラブホテル。いわゆる、偽装ホテルである。
兎吉は孝史の仕事を終わらせ、朔子を送って行くようにと言った。2人で会話しつつ帰る。会話する内に孝史に好感を抱いた朔子は、一緒に海へ行こうと誘う。彼は2つ返事で誘いに乗った。その後、孝史から兎吉と海希江の過去の話を聞くが、本当かどうか定かではないため、話半分で聞いておいた。

自宅へ戻ると、海希江の客の西田が来ていた。大学の非常勤をしているらしい。ついでに絵画を描く近所の知り合いが3人ほどおり、彼女らから孝史の話を聞いた。孝史は福島原発の被害者で両親は地元にいるが、ここには1人で疎開して来たという話だった。

8月30日、木曜日。西田と海希江の3人で海へ。西田は泳ぎが苦手なため、砂浜で休んでいる。そこへ兎吉の娘がやって来て彼と会話。西田が書いた本について話していった。ちょうど孝史も来たため、ひとしきり遊ぶ。朔子は孝史と翌日も会う約束をした。
浜辺で孝史の同級生がすれ違いざま、彼を詰って行く。孝史は無視していたが、そこへ女子が戻って来てクラスメイトの非礼を詫びた。何やら良い雰囲気である。2人は連絡先の交換をしていた。

8月31日、金曜日。兎吉の娘の大学で西田が授業を行った。彼は人気のある講師らしい。兎吉の娘は西田に近づき、父親と父親のホテルを非難。海希江に会うために来た西田だったが、兎吉の娘を金で誘惑し彼女をつまみ食いする。

映画『ほとりの朔子』のあらすじ【転】

一方ホテルでは、またあの偉い人がしけ込んでいる。前回とは別の、これまた冴えない女性と一緒だった。孝史は指定の曲をかけ、慌てて仕事を終える。外に朔子が迎えに来ていた。
2人は駅前の喫茶店へ。料理を注文後、孝史の携帯に着信がある。相手は同級生の女子だ。朔子は喫茶店で会うよう促し、自分は席を立った。孝史の態度を見ている限り、自分よりもその女子の方がお似合いだと思ったからだった。

9月1日、土曜日。自宅に兎吉から電話がかかって来る。娘の誕生日祝いの誘いだった。海希江は朔子と西田の3人で行くと回答。しかし、それを聞いていた西田が、途端に機嫌を損ねる。何かと理由をつけて断ろうとする西田だったが、海希江のそっけない態度に渋々、参加することにした。

兎吉の娘と関係を持った西田。できれば会いたくなかったに違いない。それに加え、海希江と兎吉の関係さえ良く思っていなかった。
食事会は表向き和やかに進んでいる。しかし、実態は何とも複雑である。西田は耐え切れなくなり、台所へ逃亡。追って来た海希江と口論になる。兎吉との関係に嫉妬を顕わにする西田は急遽、東京へ帰ると言い出し海希江もついて行ってしまった。
朔子はただ、その状況を蚊帳の外で傍観していただけである。

外で花火をしていると、同級生とデートしてきた孝史が帰って来る。2人で花火をしながら、朔子は彼女と上手くいくよう孝史にアドバイスをした。

9月2日、日曜日。兎吉の家に宿泊し帰って来た朔子だったが、海希江はまだ帰っていない。しばらくして、疲れた様子の海希江が帰宅。伯母は寝てくると自室へ下がる。
朔子は今日、開催される原発反対イベントのちらしを眺めていた。孝史が彼女にイベントへ誘われたと言っていたから、もしかしてと思ったのだった。

イベント会場へやって来た孝史。そこでは、原発反対のイベントが開催されていた。相手に好かれていると思っていた孝史だったが、よくよく話を聞いてみると、どうやら違うようだ。同級生は孝史が原発の被害者だから、近づいてきたのだった。

イベントはネットでも配信されているため、朔子は自宅でその様子をリアルタイムで見た。そこで、原発被害者だと紹介されたのは孝史である。彼は語り始めた。そもそも孝史は、地元からも両親からも逃げ出したいと強く思っていた。故に、原発事故をきっかけに離れることができて、むしろ清々していたのだった。だから、この場で話す立場にはないと言い、走り去ってしまう。

映画『ほとりの朔子』の結末・ラスト(ネタバレ)

孝史は逃げ出したその足で、叔父のホテルへ出勤。ロビーには中学生らしき女子が立っている。そして、例の偉い人が彼女を伴って部屋へ向かった。お決まりの曲をかける。
孝史は叔父に女の子のことを訪ねるも、兎吉はそれを咎めるでもなく、孝史に別の仕事を紹介すると言い出す。恋愛に敗れ、仕事もクビにされた孝史。彼は静かに憤り、曲を止めて「こんにちは赤ちゃん」を大音量でかけた。
孝史はホテルから逃げ出す。

動画配信を見て一目散に走った朔子。ホテルから逃げ出すように出て来た孝史を追いかけた。彼が家出すると言うため、朔子はそれに付き合うことにする。2人は線路をたどって歩きながら、様々なことを話した。

その日の夜、慌てた様子の兎吉が海希江を訪ねて来る。事情を聞いた海希江も朔子へ電話するが、繋がらない。孝史を心配する兎吉が捜しに行くと言うため、海希江も一緒に家を出た。

その頃、朔子と孝史はバリ風の店で一休み。パントマイムショーを観覧した。
日付が変わって9月3日、月曜日。2人は無人駅のホームの柵にもたれて休む。
一方、朔子と孝史を見つけられず、捜し疲れた海希江と兎吉。2人の間には親密な空気が流れるが、恋愛のそれではなくどちらかというと、親友や同志のようなものだった。

夜が明け、目が覚めた朔子と孝史。互いに家へ帰ろうと話し合い、帰路に着く。2人は分かれ道で互いに別々の道を進んだ。
自宅へ戻った朔子を海希江は怒らなかった。ただ、事情を聞いて無事戻ったことに、ほっと息を漏らしただけである。ついでに仕事も一段落したと伯母は笑った。

日中、海へ泳ぎに来た朔子と海希江は、様々なことを話す。そこで、将来やりたいことのヒントを得た朔子だった。

9月4日、火曜日。母親から朔子に電話がある。予備校開始の話を聞き、東京へ帰ることに決めた。もう一度、勉強し直そうと心を新たにした朔子。海希江と兎吉に見送られ、その地を後にした。

映画『ほとりの朔子』の感想・評価・レビュー

アメリカと日本の合同制作にて制作された作品で、フランスのナント三大陸映画祭でグランプリに当たる「金の気球賞」と「若い審査員賞」を受賞している。
受験にことごとく失敗し、鬱々とした日々を送っていたヒロインが、海辺の避暑地で休暇を過ごすことにより自分のやりたいことを見出していくという青春映画。
ヒロインは当時駆け出しの女優だった二階堂ふみで、初々しくも普通の女の子を演じている。ヒロインが憧れる翻訳家の叔母に鶴田真由が包容力ある大人の女性を演じた。10代の後半と言えば、まだまだ子供の域にあり世界は狭い。ヒロインは大学受験に失敗して鬱々としていたが、休暇で様々な人々と接することで人生はそれだけが全てではなく、方法はいくらでもあって選択肢も多いことに気付く。作中ではそういった明確な表現はないが、映像やセリフ、大人達の境遇を目にすることで自然とそう察せられたのではないかと思う。人生は進むばかりではなく、時に立ち止まり振り向いたり休憩したり、そういったことも大切なのだと思わされるフレッシュな作品。(女性 40代)

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