映画「ふたつの名前を持つ少年」僕は生きたい!ユダヤ人迫害から生き延びた物語

ふたつの名前を持つ少年の概要:第2次世界大戦下のポーランドを舞台に8才の少年がゲットーから脱走し命を賭けて逃亡する物語。原作者ウーリー・オルレブの実話を基にペペ・ダンカートが映画化。ユダヤ人迫害から逃れ少年よ生きろ!

ふたつの名前を持つ少年 みどころ

ふたつの名前を持つ少年
映画『ふたつの名前を持つ少年』の見どころを紹介します。

今こそ観たい児童映画!

アウシュビッツ解放から70年。ウーリー・オルレブ原作の実話を基に、ペペ・ダンカートが映画化。第2次世界大戦下のポーランドを舞台に8才の少年スルリックがゲットー(ユダヤ人強制移住区)を脱走し命を賭けて逃亡する物語です。

行き倒れたスルリックを助けた、ヤンチック夫人に「ユレク」という新しい名前を与えられ、農村を転々としながら生き続けます。過酷な運命と人間のアイデンティティを奪う戦争に心が痛みます。いまなお、世界中で内戦や民族紛争が絶えません。

8才の少年の視点で描く戦争を決して目をそむけずに観て下さい。テーマはユダヤ人の迫害ですが、サスペンス物としても楽しめます。なぜユダヤ人はこれほど迫害されるのか?宗教間の争いはいつまで続くのか?この映画で多くの事を学べるでしょう。

ただ観るのが怖い映画です。しかし、今こそ観なければならないと思いませんか。

原作者ウーリー・オルレブの魅力

ユダヤ人でポーランドに生まれました。強制収容所での体験を持ち、ホロコースト(絶滅収容所に入る事。ユダヤ人絶滅計画)を題材にした作品を発表しています。本作は、「走れ、走ってにげろ」という童話が基になっています。2003年に出版され、「イタリア・アンデルセン賞最優秀賞」を受賞。童話だけでなくファンタジーや絵本も手掛けています。

日本でも翻訳されており、絵本では「おしゃぶりがおまもり」(03)や「ちいさい大きな女の子」(02)などが人気なようです。2014年には、実話を基にした絵本「太陽の草原を駆け抜けて」が出版されています。この絵本は、戦争で故郷を追われた5才の少年と家族の物語です。5才の少年の成長と終戦後、イスラエルへ戻るまでが描かれています。

オルレブの童話や絵本の魅力は、子供の視点から描く成長物語であると同時に実話を基にしたインパクトが読者に強く訴えかける点にあります。ぜひ読んでみて下さい。ホロコーストを生き抜いたウーリー・オルレブにしか書けない世界があります。

ペペ・ダンカート監督の魅力

1994年に「shwaz faher」(黒人ドライバー)で短編実写賞を受賞し、「セマナ~血の7日間」(02/日本未公開)や「マイヨ・ジョーヌへの挑戦」(04)を撮っています。本作では、ウーリー・オルレブの原作に感動し、映画化を決意したそうです。

「8才の少年の視点で、戦争の悲惨さや死の恐怖を感じて欲しい」とも。ユダヤ人への迫害は、子供からアイデンティティを奪いました。生きるために名前を捨てたのです。過酷な運命にも負けず、生き抜く力は「希望」です。奇しくも、映画の公開日が8月15日です。平和の素晴らしさを映画を通して考えてみませんか。

主人公の少年スルリック/孤児ユレク役に、双子のアンジョイ・カクツとカミル・カクツ、「東ベルリンから来た女」のライナー・ボック、ジャネット・ハインが出演しています。双子のかわいらしい演技に救われる想いがします。

世界中の子供たちに観てもらいたいですね。

まとめ

ウーリー・オルレブの実話を基にした童話「走れ、走ってにげろ」をペペ・ダンカート監督が映画化。第2次世界大戦下のポーランドを舞台に8才の少年スルリックがゲットー(ユダヤ人強制居住区)から脱走し命を賭けて逃亡する物語です。8才の少年の視点で描かれ、少年は生き残るために名前を捨てます。

孤児ユレクとして農村を転々としながら3年間生きてゆくのですが、その過酷さに涙が止まりません。ユダヤ人迫害によって、アイデンティティを失った痛み。戦争と迫害によって生き別れた父との約束。ペペ・ダンカート監督は、「8才の少年の視点で戦争の悲惨さや死の恐怖を感じて欲しい」と作品に込められた思いを語っています。

アウシュビッツ解放から70年。私たちは第2次世界大戦とユダヤ人大虐殺で何を学んだでしょうか?改めて平和への思いを強く感じます。「ふたつの名前を持つ少年」は8月15日公開予定です。

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