映画『イントゥ・ザ・ワイルド』あらすじとネタバレ感想

イントゥ・ザ・ワイルドの概要:ジョン・クラカワーのノンフィクション小説「荒野へ」を、俳優でもあるショーン・ペンがメガホンを取って映像化した作品。第80回アカデミー賞にノミネートされた作品でもある。

イントゥ・ザ・ワイルド あらすじ

イントゥ・ザ・ワイルド
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』のあらすじを紹介します。

1992年、行方知れずの息子クリスの声が聞こえたと、ベッドで騒ぐ母ビリーの姿があった。

・・・2年前、裕福な家庭で育ったクリストファー・ジョンソン・マッカンドレスは、優秀な成績で大学を卒業。
そして彼は全財産を慈善団体へ寄付し、身分証を捨てて旅に出た。

途中、鉄砲水に襲われ、気に入っていたオンボロ車を手放すハメになる。
持っていた最小限のお金も捨てたクリスは、アレグザンダー・スーパートランプという名前を自分に与える。
やがてクリスはヒッピーのレイニーとジャンに拾われるが、数日後、静かに行方をくらませた。

クリスの車が見つかると、両親は躍起になってクリスの行方を探し始める。
だが両親の秘密と、自分とカリーンが私生児だという事実を知っていたクリスは、不仲だった両親に対して怒りを抱えていた。

サウスダコタの穀物倉庫で仕事を始めるクリス。
代表者のウェインと仲良くなるが、彼が法律違反で逮捕されると旅の続きに出る。
やがてクリスは、アラスカの大地を最終目的地と決める。

旅を続けるクリスは、スラブスでヒッピーのレイニーとジャンに再会。
そこでトレイシーという16歳の少女に好意を持たれるが、その恋が実ることはなかった。

ソルトン・シティを訪れたクリスは、革職人の老人ロンと親しくなる。
別れ際、ロンから養子縁組の提案をされたクリスは、アラスカから戻ったら話し合う約束をする。

そして彼はアラスカの荒野へ入っていった。

イントゥ・ザ・ワイルド 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2007年
  • 上映時間:148分
  • ジャンル:ドキュメンタリー
  • 監督:ショーン・ペン
  • キャスト:エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、
    ウィリアム・ハート、ジェナ・マローン etc

イントゥ・ザ・ワイルド ネタバレ批評

映画『イントゥ・ザ・ワイルド』について、感想批評です。※ネタバレあり

綺麗なだけではないクリスの一生

クリスという青年を英雄のように祭り上げることはせず、人を引き付けるカリスマ性と魅力を持ちながら、愚かでもあった彼の早すぎる死に疑問を投げかけている。
下痢が止まらなくなり、バスの中のバケツをトイレ代わりにするようなシーンや、やせ細ったクリスが熊に食料として見られず、絶望するシーンもある。

実際に起こった事件を扱う映画のように「これは本当にあった・・・」というテロップは出さず、見方によってはフィクションのロードムービーにも見える。
しかし、ラストシーンでクリス本人がバスの前で自分を撮った写真と共に、無言の帰宅をする経緯がテロップで簡単に表示されている。
140分以上の大作に仕上がっているからなのか、最後だけ駆け足になった印象が強く残ってしまう。

クリスの2年に渡る旅を追いつつ、旅の終着点アリゾナの大自然の中にある“不思議なバスの日”をたどっていくので、必要のない部分を削ると途切れてしまうストーリーをうまく繋げる事ができている。
だが、仕留めたヘラジカをさばくシーンや保存に失敗する場面がリアルすぎるので、虫が嫌いな場合は注意が必要。

アカデミー賞の常連がそろった作品

主演のエミール・ハーシュは、飢餓状態に陥ったクリスを演じるために過酷なダイエットを行い、最終的には18キロも体重を落として撮影に挑んだという。
特殊メイクを施したように見える顔もだが、本当に病気なのではと疑ってしまうほどやせ細った体には、役者としてのこだわりが感じられる。

母ビリー役のマーシャ・ゲイ・ハーデンをはじめとして実力派の役者が勢ぞろいし、ロン役のハル・ホルブルックは長いキャリアの中で、本作で初めてアカデミー賞に名前が挙がった。
また、レイニー役を演じたのは撮影コーディネーターのひとり。

全米を回って撮影したという美しい映像の数々や、優しい音楽が心を打つ。
実際にギターを弾きながら歌を披露した、クリステン・スチュアートの歌唱力にも驚かされる。

イントゥ・ザ・ワイルド 感想まとめ

実際に放浪の旅を行い、1992年にアラスカのバスの中で遺体で発見されたクリストファー・ジョンソン・マッカンドレスの足跡をたどった大ヒットノンフィクション小説「荒野へ」を原作とした作品。
監督のショーン・ペンが10年近い時間をかけて遺族にコンタクトを取り続け、映画化の許可をもらったという意欲作でもある。

繊細で頑固な部分もあるが、強いカリスマ性を持ち合わせたクリスを描いたストーリーだけでなく、それを彩る音楽や映像の美しさも印象に残る。
原作を読んだことがあれば、ショーン・ペンが作り上げた世界観の完成度の高さに驚かされるだろう。

作品を見た後に心に残るものや、投げかけられる疑問があり、まるで自分の生き方を見直したくなるような映画になっている。

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