映画『イテウォン殺人事件』あらすじとネタバレ感想

イテウォン殺人事件の概要:「イテウォン殺人事件」は、2009年の韓国映画。1997年に起きたイテウォン殺人事件を基に描いた法廷サスペンス。殺人容疑者役にチャン・グンソク、検事役をチョン・ジニョンが演じた衝撃作。

イテウォン殺人事件 あらすじ

イテウォン殺人事件
映画『イテウォン殺人事件』のあらすじを紹介します。

997年春。イテウォンのハンバーガー店のトイレで、韓国人大学生チョ・ジョンピル(ソン・ジュンギ)が、首や胸など9カ所刺されて殺害される事件が発生。すぐに現場にいたアメリカ国籍の青年2人が捕まります。容疑者は、母親が韓国人で父親がメキシコ人のロバート・j・ピアソン(チャン・グンソク)、18才。
そして、友人のa・j、アレックス・t・チェン(シン・スンファン)、17才。警察が押収した証拠品は、ナイフ・靴・服など全て血まみれ。しかし、初期捜査が遅れたため、殺害現場の保存ができず捜査は難航。米軍の資料によると、ピアソンが有罪であると認定しているが、韓国の検察側はアレックスが刺したと考えた。
しかし、ピアソンの供述にもあやしい点が多い。”クールなものを見せてやるから来いよ!”という一言をどちらが言ったのか?パク・デシク検事(チョン・ジニョン)は、”殺したのはどっちなんだ?お前は米軍で殺したと認めたんだろう?”と訊くが、”友達だからさ”と答えるピアソン。

公判が開始され、証人としてピアソンとアレックスの友人が証言台に立つが、友人たちは次々と証言を変えてしまう。”2人が階段を上るところを見たが、現場は見ていない”と。法医学者の意見も得るが、どちらが犯人かという決定的な証拠は掴めなかった。次に現場検証が行われた。殺害現場で、ピアソンはいきなり、”ナイフの持ち方が違う!”と殺しを再現して見せた。
その様子に驚く、パク検事。彼が本当は殺したのではないのか?その後、検察はアレックスを殺人で起訴し、ピアソンも凶器所持と隠匿罪で起訴した。

1998年、再び公判が行われ、供述の再検証が必要との結論に。そのため、判決はソウル高等裁判所へ差し戻されてしまう。(事実上のアレックスの無罪が確定。)”誰が私の息子を殺したの?”と被害者の母親が悲痛な叫びを上げます。
こうして、アレックスは無罪、ピアソンは本国(米国)へ釈放となり、事件は未解決のまま裁判は終わってしまう。

イテウォン殺人事件 評価

  • 点数:点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:99分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー
  • 監督:ホン・ギソン
  • キャスト:チョン・ジニョン、チャン・グンソク、シン・スンファン、コ・チャンソク etc

イテウォン殺人事件 ネタバレ批評

映画『イテウォン殺人事件』について、感想批評です。※ネタバレあり

実話ベースの映画化作品との比較~クールなものを見せてくれたのはどれ?

実話ベースの映画化作品の衝撃度としては、「チェイサー」(08)やポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(03)が高くおすすめ。凄惨な殺害シーンや暴力シーンの迫力を見せつけられます。本作「イテウォン殺人事件」は、2作ほどの派手さはないものの、”未解決事件”がテーマであり、被害者家族の悲痛な思いとくやしさ、怒りに満ちています。

韓国では、初期捜査がうまく行われていない事が多く、それが冤罪や真犯人を逃すことに繋がっているようです。映画はいわば、”きちんと捜査してほしい”という警察や検察に対する挑戦状なんです!”死体に口なし”とはいいますが、何度も殺害シーンが流されます。被害者は、背後から首や胸を9カ所も刺されています。

気分が悪くなる人もいると思うので観るときは注意して下さい。血まみれで被害者の顔が見えないほど凄惨です。映画化がきっかけとなり、”イテウォン殺人事件”の再捜査が今も続けられています。今度こそ、犯人が捕まり、罪を償ってほしい。目を見開いたまま亡くなった、被害者の顔が忘れられません。

アイドル映画とあなどってはダメ!ときめく俳優たちの競演

本作は、チャン・グンソク主演の法廷サスペンス。チャン・グンソクといえば、ドラマ「美男ですね」(09)や「ファンジニ」(06)などで人気の俳優。繊細な演技と子役時代から積み重ねてきたキャリアで”無敵”な存在感を持っています。本作では、殺人の容疑者役に挑戦。頭が良く、クールな顔をして警察や検事をだます男。

優男な印象が消えて、瞳の色からも犯罪者の匂いがします。人気者とはいえ、汚れ役をすることに抵抗はなかったのでしょうか?彼の演技の引出しが拡がったように思います。ぜひ、静かなる狂気をこの映画で体験してみて下さい。彼以外にも面白い俳優がいます。「王の男」やドラマ「トンイ」などで存在感を示した検事役のチョン・ジニョンです。

”殺したのはどっちなんだ?”と悩みながら、アレックスの方を有罪にします。声がいい。冷静だが、熱いハートを感じます。チョン・ジニョンが出演すると、画面全体が引き締まる感じと自然な演技が素晴らしい!単調な公判シーンでも、見続けていられますね。そして、被害者役のソン・ジュンギ。殺される運命だったけど、明るく演じてくれました。台詞は少ないけれど、強く印象付けられます。

イテウォン殺人事件 感想まとめ

実話ベースの映画化作品を観ると、悲しくやり切れない気持ちでいっぱいになります。と同時に犯罪を扱った韓国映画で素晴らしい作品が多いのは、社会全体が病んでいるからだと思います。日本映画でこれほど興奮する映画を観た事はありません。本作の見どころは、チャン・グンソクなど旬の俳優が演じている点と未解決事件である点です。

法廷サスペンスとしても、ミステリーとしても興味深い作品ですが、凄惨な殺害シーンが繰り返し出てくるので見続けるのが辛いです。殺害シーンをこれほど鮮明に描く事が出来るのなら、どうしてもっときちんと捜査することができなかったのか?おおいなる謎です。ラストで、パク検事がピアソンに尋ねます。

”お前、韓国語が話せたのか?”と。だまされていたことが分かる瞬間ではないのでしょうか。ぜひ、今度こそ犯人が捕まり、事件が解明される事を切に願っています。

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