映画『J・エドガー』あらすじネタバレ結末と感想

J・エドガーの概要:レオナルド・デカプリオ主演で描く、FBI初代長官J・エドガーの物語。共演はナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジュディ・デンチ。「グラン・トリノ」のクリント・イーストウッド監督の2011年米国映画。

J・エドガー あらすじネタバレ

J・エドガー
映画『J・エドガー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

J・エドガー あらすじ【起・承】

1919年、アメリカ。FBI初代長官J・エドガー・フーバーの就任から最期の時を迎えるまでの物語。口述筆記にて後に自伝としてまとめられた。

J・エドガー・フーバー(レオナルド・デカプリオ)が、FBIを創立し長官に就任したのは、24才の頃だった。彼は共産主義を嫌い、自分の信条に合う人材しか登用しないといった差別的な考えの持ち主だった。

彼の母親アニー・フーバー(ジュディ・デンチ)は、エドガーが幼い頃からこう云い聞かせていた。“あなたは将来、国中で大きな権力を持つようになるわ”と。

ある日、エドガーは、新人秘書ヘレン・ギャンディ(ナオミ・ワッツ)を気に入り、国会図書館でデートをした。ヘレンに、読みたい本を検索して見せた。
“近い将来、本を検索するように指紋などで国民を照合して調べられるようなシステムを作りたいんだ!”と。

そして、ヘレンに“君こそ、最高の伴侶だ!”とプロポーズするのだが、断られてしまう。
“秘密を守れる?私、結婚に興味がないの”と。
プロポーズは断られたが、ヘレンはエドガーの秘書としてその後も支え続けた。

1920年代に入り、どうやって国民を守ってゆくのか。エドガーは考えるようになった。
共産主義者だと分かると、“一斉検挙”が必要だと、思想への取り締まりを厳しくしていった。

そんな中、エドガーは大学が同窓の青年クライド・トルソン(アーミー・ハマー)を雇った。
彼は弁護士見習い志望で女のひとに興味がないという。

トルソンは、後にエドガーの右腕として活躍するのだが、彼がエドガーに出した条件は、“ランチか夕食を一緒に食べること”だった。

その頃、リンドバーグの息子誘拐事件が起きた。現場で、刑事と対立するエドガーは、FBIの威信を賭けて捜査を進めた。

そして、「リンドバーグ法」という法律を可決させるのだった。犯人の指紋など証拠を集め、犯罪を組織的に壊滅させることを目的にしていた。

エドガーたちFBIは科学捜査を取り入れ、犯人逮捕に結びつけようとするが、リンドバーグ氏は警察もFBIも信用せず、独自に息子を救い出そうとするのだった。

J・エドガー あらすじ【転・結】

“動くな!FBIだ!”
その後もエドガーは、危険思想を持つ者や自身が嫌う人物に対して、容赦なく捕まえていった。

ある日、エドガーは、副長官であるトルソンの前で、ルーズベルト大統領夫人の愛人にあてた手紙を朗読した。

“あと8日であなたに会える・・私の唇に触れる柔らかな手・・”と。そして、トルソンに週末を競馬場で過ごそうと提案するのだった。

週末の夜。2人は、キャグニー主演の映画「Gメン」を見て、ジャズバーで女性たちと談笑した。その後、女性の1人にダンスに誘われるがエドガーは断った。

ダンスが好きでないエドガーを知る母親は、“女々しい息子なら死んだほうがマシ!”と言い放つのだった。

1934年9月。ついにリンドバーグ事件の犯人として、ブルーノ・ハウスプトンという男が捕まった。翌年の1月には死刑宣告され、事件は解決されたように言われているが後世の研究では、えん罪であったのではないかとも言われています。

1963年11月22日。ケネディ大統領がダラスを訪問中に銃弾に倒れてしまう。
その報告をエドガーは、盗聴テープを再生している時に受けた。エドガーは、こうして歴代の大統領の周囲を盗聴していたために、誰もエドガーに対して手を出すことが出来なかったのだ。

週末。エドガーとトルソンは競馬場に来ていた。そして、2人はホテルのスィートに泊まった。

“君を大切に思っているよ・・”と手を握る、エドガー。
“愛してるよ・・エドガー”とほほ笑むトルソン。

しかし、エドガーがある女優にプロポーズしょうと思っていると話したことで、2人は痴話げんかに発展してしまう。激しく殴り合い、部屋のライトなど備品を派手に破壊してゆく。

トルソンは、エドガーにキスをするが、“2度とするな!”と拒否されてしまう。エドガーに失望したトルソンは部屋を出てゆくが、去り際にエドガーは、“愛してる・・クライド”と小さく呟くのだった。

数年後、年老いた2人。競馬場で過ごしていたが、クライドの体調が優れず倒れてしまう。
そして、エドガーの体にも老いが蝕み、筋肉注射を打つようになっていった。

その頃、キング牧師に対して、エドガーは盗聴テープと脅迫状で脅そうと考えていた。
彼にノーベル平和賞を辞退させるつもりだったらしい。

だが、キング牧師は脅迫状に沿うことはなく、ノーベル平和賞を受賞した。そして、暗殺されるわけだが、暗殺の首謀者はエドガーではないかと言われています。

やがて、病気を患っていた母親が亡くなり、悲しみの中、エドガーは母親の服を着るという女装に目覚めてしまう。

リチャード・ニクソン政権が始まった。ニクソン大統領は、エドガーが歴代大統領の周囲を盗聴し弱みを握っていることを知っていた。

そこで、エドガーは自身に何かあった時には、極秘ファイルを全て削除するよう秘書である、ヘレンに頼むのだった。

ある日、朝食を食べていたエドガーは、クライドから“そろそろ、引退した方がいい”と言われます。しかし、エドガーはその意見を無視するのだった。

またクライドは、エドガーが自伝を書かせたことに対して、“自伝は嘘と誇張ばかりだ!でも僕には嘘をつかないでほしい”と言う。

エドガーは、クライドの気持ちを汲み、ようやくクライドを愛していると伝えた。そして、彼の額にキスをするのだった。

エドガーは、筋肉注射の副作用が原因で急死してしまう。自宅に駆け付けたクライドは、彼の遺体を優しく抱きしめるのだった。

一方、エドガーの急死を受け、リチャード・ニクソン大統領は、FBIの執務室を封印して極秘ファイルを手に入れようとした。

しかし、秘書であるヘレンが、極秘ファイルの全てを削除した後だった。
8人の大統領の下、48年間仕えた男の一生が終わった。

J・エドガー 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2011年
  • 上映時間:137分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:クリント・イーストウッド
  • キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジョシュ・ルーカス etc

J・エドガー 批評・レビュー

映画『J・エドガー』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

性の抑圧が生んだ権力欲の怖さ

「J・エドガー」を、政治的な映画とばかりに思って観ると、後半、どんでん返しのような衝撃があります。

この衝撃というのは、性的な指向なのですが、J・エドガーがゲイで女装癖があったという。
後半になり、自分の右腕であるクライド・トルソンと親密な感じになるのですが、ホテルで痴話ゲンカするシーンやラストまで気が抜けません。

本作の脚本家が、「ミルク」の脚本を書いたダスティン・ランス・ブラック。彼もゲイで、この映画の根幹には性的マイノリティの人に向けたメッセージが込められているのではないかと思います。

性の抑圧が本人だけでなく、周りの人にも悪影響を与えるということ。ただ、性を解放しすぎるのも困りますけどね。

アメリカでのこの作品への反響は、事実に基づいたドラマ構成は良いが曖昧に終わらせている点がもやもやするそうです。

私達は、アメリカの近代史に詳しいわけではないので、J・エドガー氏に対する印象は不器用な人とか孤独な人生に映るのではないでしょうか。

リアル王子様ならアーミー・ハマー!

アーミー・ハマーは、身長が196センチで財閥の御曹司だそうです!そんな人が俳優として活躍しているなんて驚きですが、本作「J・エドガー」では、主役を演じるデカプリオのそばをつかず離れず寄り添うクライド・トルソン役を熱演しています。

彼の人気作となったのが、ガイ・リッチー監督の「コードネーム U.N.C.L.E」でした。
アーミー・ハマーがKGBのスパイ役を演じ、アメリカのスパイを演じたヘンリー・カヴィルとのW主演も話題になりました。

また、リアル王子様といえば、「白雪姫と鏡の女王」(12)です!ただし、ちょっと弱々しい王子様ですが、そんなギャップも楽しめるでしょう。

J・エドガー 感想まとめ

レオナルド・デカプリオは、作品ごとに演技の限界を超えて進化し続けているように思う。
「J・エドガー」では、FBI初代長官の人生を体当たりで演じ、フケ顔も披露してくれています。なにより、人間味あふれる表情に惹きつけられます。

アメリカの近代史に詳しくはないですが、8人の大統領に仕え、盗聴という形で弱みを握っていた男が実はゲイでというくだりはなんだか切なくも見えます。

政治的映画というよりも、マイノリティに向けての映画だったという点を評価したいと思います。レオナルド・デカプリオの変貌ぶり、そして相棒を演じたアーミー・ハマーの存在感に注目して下さい。

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