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映画『ジェニイの肖像』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ジェニイの肖像』の概要:貧しいながらも希望を棄てず、画家としての暮らしを続けるイーベン。しかし、作品が売れない日々が続き、自分の才能に自信をなくしつつあった。ある日、イーベンは公園で一人の少女と出会う。

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映画『ジェニイの肖像』の作品情報

ジェニイの肖像

製作年:1947年
上映時間:86分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー
監督:ウィリアム・ディターレ
キャスト:ジョセフ・コットン、ジェニファー・ジョーンズ、リリアン・ギッシュ、エセル・バリモア etc

映画『ジェニイの肖像』の登場人物(キャスト)

イーベン(ジョゼフ・コットン)
売れない画家。自分の才能に疑問を感じていたところ、ジェニーと出会う。
ジェニー(ジェニファー・ジョーンズ)
イーベンが公園で出会った少女。再会する度、急激な速度で成長していく。

映画『ジェニイの肖像』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ジェニイの肖像』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ジェニイの肖像』のあらすじ【起】

一九三四年のニューヨークの寒い冬。画家のイーベンは気温だけでなく、貧しさと中々成功できないもどかしさから、心も凍えていた。画廊に立ち寄ったイーベンは自分の絵の買取を依頼するが、絵が売れない時勢。査定人に断られてしまう。そこに画廊の支配人がやってきた。支配人は絵を見せろと言う。イーベンは名乗って絵を渡した。支配人は彼の絵を見て愛が足りないと言った。戸惑う彼をよそに、支配人はその絵を買うと言い出した。イーベンが帰った後、査定人は支配人にそんな絵、何の価値もないと言い捨てる。彼にはあるのだと支配人は反論した。

画廊の帰り、公園に立ち寄ると、イーベンは一人の少女を見つけた。ジェニーと名乗るその少女はハマースタインという劇場の芸人の娘だと言う。イーベンは不思議に思った。ハマーンスタイン劇場は随分前に取り壊されたはずなのだ。ジェニーはイーベンに絵を見せろと言う。イーベンの風景画を見た彼女はその絵を怖いと言い、その描かれた景色がどこのものか、言い当ててみせた。ジェニーはイーベンに風景ではなく人物を描いたらどうだと勧める。公園を出るまでの道のりを並んで歩く二人。ジェニーはイーベンに歌を聞かせた。別れ際、少女は願い事ゲームをしようと持ちかけてきた。「大きくなるまで待っていてくれますように」そう言い残し、少女は去っていった。イーベンは少女が忘れ物をしていることに気付く。それはスカーフで包まれた新聞紙だった。

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映画『ジェニイの肖像』のあらすじ【承】

家に帰ったイーベンは、ジェニーの歌と「大きくなるまで待って」という言葉を思い返していた。待てるわけないのにとイーベンは心の中で呟いた。その日、イーベンは徹夜で少女の絵を仕上げた。

次の昼、イーベンは友人のガスが働く自動車修理工場に立ち寄った。いつも自分の食事の心配をしてくれるガスにそれは何故かと問うイーベン。ガスは腹ペコの奴を見たくないし、懸命に何かに打ち込む奴をほっておけないと言った。二人は車に乗って、店に向かった。イーベンはガスに公園で会った少女の話をした。ガスは夢見がちな少女のことをイーベンとお似合いだと言った。話をしながら、イーベンは少女の忘れ物を検めた。すると、新聞は一九一〇年のものであることが発覚する。イーベンは少女が時を越えてきたのではと疑う。ガスはそれを笑った。イーベンは実際に見たし、スケッチも描いたんだと反論する。食事中の二人の卓に店のオーナーがやってきて、味はどうだと聞いてきた。ガスはこれは機会だとひらめき、店が華やかになるような絵を壁に描いたらどうだとオーナーにイーベンを売り込む。言葉巧みなガスに連れられて、オーナーはイーベンに壁画の執筆を依頼した。

イーベンは自分の絵を買ってくれた画廊に立ち寄り、支配人に少女のスケッチを見せた。支配人はその絵を見て何かを感じると言った。査定人もその絵を褒めた。支配人が買った絵を価値がないと言い捨てた査定人だったが、ジェニーの肖像を自分で買い取ると言い出した。運が向いてきたと喜ぶイーベン。支配人は彼を自分の家に招待した。

映画『ジェニイの肖像』のあらすじ【転】

イーベンは支配人に自分の悩みを打ち明ける。自分の才能に確信が持てないから、不安が募っていく一方だと。支配人はイーベンを励ます。イーベンは心を落ち着かせるため、支配人の家のそばにあるスケートリンクに向かった。

スケートをしていると、イーベンはジェニーと再会した。あれからまだ数週間も経っていないというのに、ジェニーは数年分の成長を遂げているようだった。彼女の忘れ物を返そうとすると、ジェニーはすぐ大人になるから持っていてと、自分の忘れ物をつき返した。イーベンは彼女のスケッチが売れたと感謝する。それなら、自分の肖像画を描いてくれないかとジェニーは言った。フランクは頷き、それから彼女の絵を描くことを了承してもらうため、実家がどこかを尋ねた。難しいところにあると言って、ジェニーは話をはぐらかす。別れ際、二人は来週の土曜日にまた会おうと約束した。しかし、ジェニーは帰るのが怖いと言った。再会できるか不安だと呟く。次の週、ジェニーは現れなかった。イーベンは一人でジェニーの両親を探すことにした。かつてハマーンスタイン劇場の従業員として働いていた人たちを訪ねるイーベン。衣装係が劇場で芸を披露した人たちの写真を持っていた。アルバムの中にはジェニーの写真もあった。イーベンは衣装係にジェニーのことを尋ねる。すると衣装係は、彼女は両親の事故を機に失踪してしまったのだと話した。

イーベンは初めてジェニーと会った公園に来ていた。すると、誰かの泣き声が聞こえた。声のする方に向かうとジェニーがいて、泣き崩れていた。ジェニーは両親が事故で死んだと言った。イーベンはジェニーを抱きかかえ、慰める。二人で空を眺めていると、何時の間にかジェニーの姿がなくなっていた。

映画『ジェニイの肖像』の結末・ラスト(ネタバレ)

それから、イーベンはジェニーと再会することはなく、そのまま冬が過ぎた。ジェニーとの別れ以来、彼は絵を描けずにいた。画廊の支配人やガスに説得され、再び筆を握ったイーベン。ガスと訪れた店の壁画を完成させる。絵の完成に客が沸く中、イーベンはこっそり店を出て一人町を歩いた。絵を完成させても、彼の心にあるのは虚無感だけだった。

家に帰るとジェニーがいた。再会を喜ぶ二人。もうすぐずっと一緒に居られるとジェニーは言った。イーベンは早速、彼女の肖像画を描くことにした。それから日を置いて、イーベンは修道女の学習院で行われる卒業式を参観した。

イーベンは制作途中のジェニーの肖像画を画廊の査定人と支配人に見せた。二人はイーベンの才能を褒め称え、彼は歓喜のまま絵を仕上げることに没頭した。

ジェニーとの再会の日。彼女はすっかり大人になっていた。二人は遂にずっと一緒に暮らせる。そう思っていた矢先、ジェニーはその日が延びたと言う。世話をしてくれていた叔母の療養に付き合わなければならなかった。長くとも、いずれその日に辿り着く。先のことは考えずに二人はその日が来るまで懸命に生きようと誓い合う。そして、イーベンは筆を握る。被写体になっていたジェニーは途中で寝入ってしまった。彼女が寝ている内に絵を完成させたイーベンはジェニーを起こして感想を求めた。ジェニーはとても感動し、彼の絵を絶賛した。

再び、ジェニーと会えない日々が続いたイーベンは、彼女を見つけるため、彼女が通っていた修道院に向かう。シスターにジェニーのことを尋ねると、彼女は亡くなったと言った。彼女は灯台に出かけた際に高波に浚われてしまったのだという。その場所こそ、初めて会ったときに彼女が恐ろしいと言った風景画の場所だった。イーベンはジェニーが高波に浚われたという海に向かう。海は大荒れだった。しかし、死に際のジェニーと再会できれば彼女を救えるかも知れないと考えたイーベンは船を借り、灯台を目指した。灯台の下で再会したイーベンとジェニー。高波から守るため、イーベンはジェニーを灯台の中に誘う。しかし、二人を高波が襲い、彼らは海へと消えた。目を覚ますとイーベンは海岸沿いの家のベッドにいた。海を漂っていたところを船乗りに救われたのだ。見舞いに画廊の支配人が来ていた。ジェニーに会えたのかと問う支配人。彼女の手にはジェニーのスカーフが握られていた。イーベンはそれをどこで見つけたのかと聞いた。彼のそばに流れていたのだと支配人は言う。イーベンはジェニーの存在を確信して、再び眠りについた。

大きな美術館でイーベンの絵画展が開かれた。そこにある一枚の絵に人々が立ち止まる。それは、一人の少女との出会いをきっかけに生まれた肖像画だった。客の一人が実在する人物なのかと問う。客の連れが本人にとって実在するならそれでいいと言う。客の後ろからやって来た支配人は、その言葉に頷いた。

映画『ジェニイの肖像』の感想・評価・レビュー

昔の作品を見てみようと軽い気持ちで鑑賞し始めましたが、今作は私の人生に残る物凄くロマンチックで素敵な作品となりました。
哲学的なセリフが作品の所々で出てきますが、冒頭の「時間は過ぎるのでなく巡るもの」という言葉が今作にぴったりすぎました。最初に出会ったジェニーは少女の姿。大人になるまで待ってという言葉と共に消えてしまった彼女。次に再会した時には美しい大人の女性となっていました。
不思議なストーリーと感じてしまうかもしれませんが、難しいことはなくひたすら美しくてロマンチックで愛を感じられる作品です。(女性 30代)

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