映画『女優霊』あらすじとネタバレ感想

女優霊の概要:1996年に公開されたホラー映画。監督は中田秀夫。脚本は高橋洋。出演は柳ユーレイ、白鳥靖代、石橋けい、根岸季衣、サブ、大杉漣など。ジャパニーズホラーブームの先駆者的な作品。

女優霊 あらすじ

女優霊
映画『女優霊』のあらすじを紹介します。

舞台はとある映画スタジオ。映画監督である村井(柳ユーレイ)は、自身の初監督作品に意欲的に取り組んでいた。しかしテスト・フィルムを撮影し、それを上映していみるたところ全く別の映画の映像が混じっていたという事態が発生。調べてみるとそのフィルムは端尺フィルムではなく未現像のフィルムだという。このスタジオで過去に撮影され、ボツになったNGカットだろうと皆は言うものの、村田はどこかでその映像を見た気がしてならなかった。

やがて撮影は順調に進んで行くものの、スタジオ内に髪の長い謎の女を何度も目にする村田。そしてある時、ついに新人女優の沙織(石橋けい)が誤って舞台から落下して死亡するという事件が発生。村井はその事件の直前に、やはり髪の長い女を目撃しており、この事件の背景には何かがあると直感する。

記憶を頼りに例のフィルムを調べて行くと、実はそのフィルムの中の女優も、沙織と同じ死に方をしている事が判明。さらには主演女優のひとみ(白鳥靖代)が撮影中に沙織の生首を見て悲鳴を上げるという事態にいたり、すべての謎はスタジオ内にあると村田は確信する。スタジオの階段を上り、とあるドアを開いた村田は、そこで恐ろしいものを目にするのだった……。

女優霊 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1995年
  • 上映時間:76分
  • ジャンル:ホラー
  • 監督:中田秀夫
  • キャスト:柳ユーレイ、白島靖代、石橋けい、根岸季衣 etc

女優霊 ネタバレ批評

映画『女優霊』について、感想批評です。※ネタバレあり

ジャパニーズホラーの原点

ジャパニーズホラーブームをハリウッドにまで押し広げた代表作といえば「リング」。しかしそれより3年前に、同映画の監督と脚本家により作られたホラー映画がこちらの「女優霊」。原作を映画化した大作感のある「リング」と比べると、こちらはチープ感がある事は否めない。しかしそれでも「女優霊」がなければ後の「リング」は生まれなかったであろうし、今なお再見してもその恐怖はまったく衰える事はない。むしろ不条理に徹しているからこそ、その恐怖感は「リング」を凌駕しているとさえ言える。

映画スタジオにおける劇中劇の面白さ

この映画は、映画を撮影中に幽霊を目撃するという物語だ。映画の中では別の映画が撮影されているという劇中劇の手法が取られていて、女優たちが二重に演技しているのが見ていて面白い。なおかつ古い映画スタジオという舞台設定が秀逸であり、いかにも幽霊が出そうな雰囲気は見ものである。古いテストフィルムに映った謎の女性の異様さは半端ではなく、それをわざとピンボケにさせている所が余計に恐怖心をかきたてる。しかしラストにはその悪の根源がしっかりと姿を現すのだが、この女幽霊が昔ながらのお歯黒を施しているところが背筋をゾッとさせられる。つまりこの映画は、映画撮影という科学の最先端の場所を舞台としながらも、あえて日本古来の幽霊譚を復活させた作品だと言えるだろう。

明確な謎解きのないモヤモヤ感

今作「女優霊」ではハッキリした解決は描かれない。そもそも幽霊などという不可解かつ不条理なものを描いている点で、本来ならハッキリした解決はあり得ないはずである。しかし「リング」以降、そもそもなぜ幽霊が登場したのかとか、どうすれば呪いが解けるのか、という謎解きがメインになってしまっているのが非常に残念だ。幽霊映画は多少物語が破たんしていても構わないと個人的には思う。そういう点で同じくジャパニーズホラーブームの立役者「呪怨」についても同じ事が言えるだろう。オリジナルビデオ版は、その安っぽさと粗削りな点が逆に恐ろしく、まったく解決のない不条理なエンディングが観客を恐怖のどん底に叩き落した。しかし劇場版としてリメイクされるにあたって、かなり論理的なシナリオに作り替えられたのは残念な所である。やはり古来から幽霊とは不条理なものであるべきではないだろうか。

女優霊 感想まとめ

「リング」以前に作られた中田秀夫の傑作ホラー映画。知名度としては「リング」に遥かに及ばないものの、ここに彼の映画の原型はすでに作られているといってもいいだろう。幽霊を登場させるタイミング、役者の恐怖表情の演技のさせ方、音楽の使い方、編集の巧みさなどはもはや職人芸とさえ言えるだろう。ラストのたたみかける恐怖感と絶望感は「リング」に負けず劣らずのすさまじさである。2015年には続編的映画「劇場霊」が公開される事からも、この作品の根強い人気がうかがえる。それを機に再びこの作品が再注目される事を願いたい。ジャパニーズホラー映画好きなら必見の一作だ。ちなみに今作は2009年にハリウッドでリメイク作品も作られているが、あまりにも改悪をされているためもはや原型をとどめていない。やはり土着的な問題からも、ジャパニーズホラーは日本人が撮るべきだろう。

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