映画『陰日向に咲く』あらすじネタバレ結末と感想

陰日向に咲くの概要:『陰日向に咲く』は、ベストセラーとなった劇団ひとりの同名小説を原作とするコメディ映画。社会のはみ出し者たちのエピソードを、岡田准一演じるシンヤを中心に描く。

陰日向に咲く あらすじネタバレ

陰日向に咲く
映画『陰日向に咲く』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

陰日向に咲く あらすじ【起・承】

バスの運転手をしているシンヤは、ギャンブル依存症で多額の借金を抱えていた。
シンヤはある日、浅草で母親の過去を調べていると言う女性と知り合い、彼女に協力をすることになる。
寿子の母・鳴子は、雷太という男性とコンビを組んで漫才をしていたという。しかしその相方の行方はわからない。

調べていくうちに、鳴子が雷太に惚れて売れない芸人になったこと、2人はストリップ劇場の幕間に芸を披露しており、雷太はストリッパーのジュピターに惚れ、漫才はそっちのけで彼女にかまうようになり、コンビ解散を告げられた鳴子はショックを受け地元に戻って結婚したことがわかる。

シンヤは人の役に立つことの喜びを感じるが、ギャンブル癖は治らない。とうとう会社の人が厚意で貸してくれたお金までパチンコにつぎ込み、借金取りに追われるようになってオレオレ詐欺をする羽目に。
人を騙すことへのためらいを感じながらも電話をかける。するとある老婆につながる。老婆は自分の息子と思ってシンヤに語り掛ける。母を亡くしたシンヤはその老婆との会話に安らぎを感じる。

陰日向に咲く あらすじ【転・結】

シンヤの父・リュウタロウはエリートサラリーマンだったが、妻を亡くして息子には絶縁され、失意の中つまらない日々を送っていた。ある日人混みが2つに割れ、1人のホームレスがその間を歩く姿を見て、まるでモーゼのようだと感じる。
リュウタロウは休暇届を出してホームレス生活を始める。

ある時、有名な野球選手がいなくなった父を探しにやってくる。ホームレスたちはざわつく。調査の結果モーゼこそが彼の父親であることがわかるが、リュウタロウはモーゼが去った後本当の父親は別のホームレスだったことを知る。モーゼがほら吹きで有名だったことを思い出すのだった。

シンヤのギャンブル癖はあまりにもひどく、会社の人にも見放されてしまう。困ったシンヤは弁護士に無料相談をしに行くが、そこにいたのは寿子だった。気まずくなったシンヤは心配する寿子を振り切って逃げる。

ついに拠り所であったあの老婆に金を要求するが、彼女が亡くなったことを知る。台風で雨が強く降る中老婆のアパートに向かうと、そこには寿子がいた。老婆は雷太の憧れの女性・ジュピターだったのだ。
アパートには千円札の束と手紙が用意されていた。ジュピターはシンヤが息子ではないことに気付きながらも、彼との会話が生きる喜びだったと感謝していた。
それを読んだシンヤは涙を流す。

そこに、あのホームレスのモーゼが現れる。彼こそ寿子の母の元相方・雷太だったのだ。偶然の出会いがこうして人をつなぎ合わせた。
シンヤは人との縁を感じ、実家に戻ることを決意する。絶縁していた父に電話をかけると、父も家に戻ってきていた。
台風はすぎ、空は気持ちいいくらい晴れ渡っていた。

陰日向に咲く 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2008年
  • 上映時間:129分
  • ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
  • 監督:平川雄一朗
  • キャスト:岡田准一、宮崎あおい、伊藤淳史、平山あや etc

陰日向に咲く 批評・レビュー

映画『陰日向に咲く』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

人と人はどこかでつながっている

偶然の出会いによって実は縁があったことがわかる、という作品。現実はこれほど輪のようにつながることなんてないが、実は知らないだけで縁はそこら中にあるのかも、と思えるような、心温まる作品だった。

原作小説はオムニバス形式で、一つ一つのエピソードに主人公がいるのだが、映画ではシンヤを中心に展開していく。そのため、鳴子と雷太の過去のエピソード(映画オリジナルの寿子含む)、そしてシンヤの父・リュウタロウのエピソードにはつながりがあるが、もう一つ、売れないアイドルと彼女を応援する男のエピソードは完全に独立している。このエピソードはアイドルがファンの支えで人気者になるというもので、印象的ではある。しかし、それ以外のエピソードが上手く絡み合い、群像劇としてうまくできていたため、そこだけちょっと惜しく感じてしまった。

誰もが心に隙間を持っている

登場する人物はみんな報われない。大切な人が死んでいたり、恋が叶わなかったり、夢がかなわなかったり。幸せではない人々を描いている。
そんなやりきれない思いを抱えた人々が、1人、また1人と縁をつないでいく。その縁に気付いた時、心にできた隙間を埋めることができるのだろう。
最後、シンヤが父と久々の再会を果たす場面ではそれが満たされたように感じられた。
みんな「陰日向」の存在だが、何かに一生懸命に生きている。日の下でも陰の中でも、人のつながりを感じてこそこれからも生きていけるのだろう。

陰日向に咲く 感想まとめ

オムニバス形式の原作を上手くまとめられているとは思うが、原作のエピソードの1つ「ピンボケな私」は映画にはない。時間の都合か、ストーリーがつながらないからなのかわからないが、それならアイドルのエピソードも入れない方が良かったのではないかと思った。映画はオリジナルの登場人物である寿子を作ったことでバラバラのエピソードを繋げているので、他にもエピソードとエピソードをつなぐ人物を登場させることもできたのではないだろうか。

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