映画『海洋天堂』あらすじとネタバレ感想

海洋天堂の概要:2011年に日本公開された中国・香港合作映画。アクション俳優ジェット・リーが一切の武術を封印し演技だけで勝負した名作。自閉症の息子を持つ末期がんの父親が残された時間をどう過ごすのかを描いた作品である。

海洋天堂 あらすじ

海洋天堂
映画『海洋天堂』のあらすじを紹介します。

妻はずいぶん前に幼い息子を残して死んでしまった。
そのためシンチョン(ジェット・リー)は、男手一つで自閉症の息子ターフーを育ててきた。
水族館に勤めながら平穏な生活をこのまま送れるはずだった。

しかしある日、シンチョンは肝臓の末期がんであることが判明。
余命は幾ばくもなかった。
残された寿命は3か月。

バスも一人で乗ることが出来ず、着替えもままならない息子は自分なしにどうやってこれから生きていくのか。
それを思うと辛くなるシンチョンは、無理心中をする。
しかしこれも失敗に終わった。

向かいに住むチャイは雑貨店を営んでいて、密かにシンチョンに恋心を抱いていた。
しかし親子の切実な悩みは知る由もない。
シンチョンは心中することは良くなかったと反省し、水族館の仕事の合間を探しては自分の死後ターフーを預かってくれる施設を探した。

そんな時すべての事情を知ったチャイもまた、ターフーを預かってくれる施設を探し始めていた。
そしてターフーを知っている人間たちが次々と協力してくれた。
その甲斐もあり施設が見つかる。
シンチョンは自分の命が尽きるその時まで、その施設で一緒に暮らすことに決めた。
そして日常生活に必要な動作を細かく教えることにした。

シンチョンに徐々に死がせまってきている。
それを悟った彼はさらにもう1つターフーに教えることにする。
それは、甲羅を背負って泳ぐこと。
自分の死後、ターフーが寂しくならないよう自分はウミガメになるという意味だった。

そして迎えた父の死。
ターフーは着替えも一人で出来るようになり、水族館の仕事に就けることになる。
寂しくも頼もしく生きていくのだった。

海洋天堂 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:98分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:シュエ・シャオルー
  • キャスト:ジェット・リー、ウェン・ジャン、グイ・ルンメイ、ジュー・ユアンユアン etc

海洋天堂 ネタバレ批評

映画『海洋天堂』について、感想批評です。※ネタバレあり

文句なしの演技力

俳優の演技力に脱帽。
ジェット・リーはこの映画の脚本にほれ込み、ノーギャラで出演させてほしいと頼み込んだそうだ。
本当にノーギャラなのかは置いておいて、彼はアクション俳優として名高い。
元々本物の実力ある武芸者であり、そこから香港映画を担う俳優に成長したのだ。
その彼が本作品から武術を封印し、演技だけで勝負するという。

この役どころは難しい。
末期がんで余命3か月でありながら、自閉症の息子の未来を準備して亡くなるという役である。
寛大な父であり、それでいて死への恐怖のようなものを覗かせなければいけない。
これをジェット・リーは見事に演じきった。
優しい目、それでいて自分の生き方に自信のある強い父としての姿勢。
どれをとっても涙腺のうるむような演技を見せてくれた。
見たままの姿ではなく、父親の人生の背景をも見せてくれるような素晴らしいものである。

また自閉症の息子を演じた俳優も凄い。
この人に関してはコメントも出ないくらいの演技力で劇中感動しっぱなしだ。
見終わった後、思わず有難うと伝えたいくらい、映画の世界観を共有できた。

ウミガメのくだりが斬新

この映画の最後の見どころ。
それは甲羅を背負った父が泳いでいるところを息子に見せるところだ。
自分が死んだあと、寂しくならないようにウミガメになったのだと思わせたいということらしい。
そんな斬新な発想は一般人には無いが、非常に素敵な物語であると感じた。
障害のある息子が悲しくならないようにと父が考えたファンタジー。
最後まで息子のことばかりを考えた父であった。

海洋天堂 感想まとめ

ジェット・リーは本作品で新境地を開いたことは間違い無い。
以前のようにアクションしながらの俳優としても十分魅力的であったが、演技だけの映画も素晴らしかった。
元々の顔立ちが優しく、年齢的にも父親の役などがはまったのだろう。
この映画のイメージが今後の彼の俳優人生に影響を与えることは容易に想像がつく。

子供を持てば誰しもが子供のことを考え、自分の死を意識したことがあるのではないだろうか。
本作品は国を越え、共通の感覚や感動を与えてくれるハートウォーミングな物語である。
見たほうが良い映画というのは人それぞれの感覚であるだろう。
しかし見てほしい映画というものは誰にでもある。
個人的にオススメしたい最高の1本に入る映画である。

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