『紙の月』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

宮沢りえの7年ぶりの映画主演作となるサスペンス。地味な主婦が顧客の孫に恋をし、横領に手を染めていく姿を描く。監督は『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八、脚本は本作が長編映画デビュー作となる早船歌江子。

あらすじ

紙の月』のあらすじを紹介します。

舞台は1994年。梅澤梨花(宮沢りえ)はわかば銀行に契約社員として勤務しており、真面目に仕事をこなすことから上司から高評価を受けていた。職場にはベテランの隅(小林聡美)や若手の相川(大島優子)などクセのある同僚がいるものの、問題なく日々を過ごしていた。ただ、気になるのは夫(田辺誠一)が梨花への興味関心が薄く、鈍感であるということ。子どももおらず、夫婦間には冷たい空気が流れていた。

ある日、いつも通り夫と通勤電車に乗る梨花。夫は電車で新聞を読み、会社へ持って行くと家には持ち帰らない。梨花は家に新聞を持ち帰るよう頼むも、夫は理解を示さない。先に電車から降りた梨花は顧客の孫、大学生の光太(池松壮亮)の姿をホーム越しに見つけ、以降彼のことが気になってしまう。ある夜に二人は再開し、逢瀬を重ねるようになった。

評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年11月15日
  • 上映時間:126分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:吉田大八
  • キャスト:宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正 etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『紙の月』について、考察・解説します。※ネタバレあり

原作と脚本が素晴らしい

私は映画を鑑賞する前に月刊シナリオで先にシナリオを読んでいたのですが、シナリオからは名作の匂いがプンプンしていました。名作小説の脚色は大変な作業なのですが、新人の早船歌江子が見事にこなしていて、彼女の活躍が本作の面白さを数段アップさせているのではないかと思います。もちろん、吉田大八の演出も見事ですし、宮沢りえの存在感も素晴らしいと思います。それぞれが見事に反応し合い、素晴らしいサスペンスが生まれたことは間違いない。しかし、梨花と光太の痺れるような出会いのシーンを書いた早船歌江子をこそ私は賞賛したいです。職場での信頼を獲得した女性が夫への不満を漏らしている中、大学生の好青年と一瞬で恋に落ちてしまうあの瞬間!素晴らしい。本当に素晴らしいです。原作は未読なので、ひょっとしたら原作からあるシーンなのかもしれませんが、それにしてもあの衝撃は……。しばらく忘れられないでしょう。

ストーリーは地味なアラフォー女性(昔は相当な美人であったことが伺えるルックス)が年下の男性に恋をして、道を踏み外してしまうというもの。斬新だなぁと思ったのは、貢いだ相手も道を踏み外してしまうというところですね。お前も同じ穴のムジナかよ!ということが判明した一方で事件を嗅ぎつけた小林聡美。良い!素晴らしい!手放しで褒めたくなる展開です。

まとめ

『桐島』の記録的な大ヒットで巨匠の仲間入りをした吉田大八。本作は『桐島』ほどではないにしろ、傑作であるということに変わりはありません。宮沢りえをキャスティングしたこと、早船歌江子がいい仕事をしていたこと。どちらかが上手く行っていなかったら、本作はここまでの作品にはなっていなかったかもしれません。宮沢りえのリアリティは凄かったですねー。居そう!っていうか居るよ!ああいう人多分居る!という雰囲気作りが凄い。ヨルタモリに出演したり、宮沢りえの再ブレイクの予感がします。本作は日本アカデミー賞で何らかの賞を受賞することは間違いないでしょうから、もし最優秀主演女優賞を宮沢が受賞すれば、間違いなく再ブレイクするでしょうね。宮沢りえ直撃世代の人たち大喜び!

Amazon 映画『紙の月』の商品を見てみる