映画『カスパー・ハウザーの謎』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「カスパー・ハウザーの謎」のネタバレあらすじ結末

カスパー・ハウザーの謎の概要:1828年、ドイツの小さな町で保護された捨て子のカスパー・ハウザーの悲劇を、ヴェルナー・ヘルツォーク監督が映画化した作品。主人公を演じるのは、施設で育ち、路上で歌っていた素人のブルーノ・Sで、独特の哀愁を漂わせている。ヘルツォーク監督は『シュトロツェクの不思議な旅』(77)でも、彼を主役に起用している。

カスパー・ハウザーの謎の作品概要

カスパー・ハウザーの謎

公開日:1974年
上映時間:110分
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
キャスト:ブルーノ・S、ワルター・ラーデンガスト、キドラット・タヒミック etc

カスパー・ハウザーの謎の登場人物(キャスト)

カスパー・ハウザー(ブルーノ・S)
生まれた時から地下牢の中で育ち、16歳になるまで外の世界を知らなかった。ある時突然解放され、町で保護される。その後、言葉を覚えて人間らしい暮らしをするが、素性について解明される前に、暗殺者に殺されてしまう。
ダウマー教授(ヴァルター・ラーデンガスト)
カスパーの後見人となった教授。自分の屋敷にカスパーを住まわせ、手厚く彼の面倒を見る。カスパーに読み書きも教え、手記を書くよう勧める。
スタンホープ伯爵(ミヒャエル・クレーヒャー)
カスパーの噂を聞きつけ、珍しがってイギリスへ連れて帰るが、結局面倒を見きれずにダウマー教授へ返す。

カスパー・ハウザーの謎のネタバレあらすじ

映画『カスパー・ハウザーの謎』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

カスパー・ハウザーの謎のあらすじ【起】

1828年、ドイツのN市で身元不明の若者が保護される。彼はろくに歩くこともできず、「ホース(白馬)」という言葉しか喋れなかった。これは、カスパー・ハウザーと名付けられたこの謎の男の物語である。

カスパーは、生まれてからずっと暗い地下牢のような場所で育った。彼は鎖につながれ、藁の上で1日中過ごす。彼に与えられていたのは木造りの馬のおもちゃのみで、パンと水は彼が寝ている間に運ばれる。そのため彼は、この世界に自分以外の人間がいることを知らず、言葉という概念も持っていなかった。

ある時、カスパーの地下牢に謎の男が現れる。男はカスパーに紙とペンを与え、何か書くよう強要する。カスパーが飽きて書くのをサボると、男は木の棒で彼を殴る。

しばらくして、男はみすぼらしい身なりのカスパーにジャケットを着せ、靴を履かせる。そして歩くことを知らないカスパーをおぶり、地下牢を出る。男はカスパーに歩き方を教え、町の広場に立たせる。カスパーの右手には祈祷書、左手には騎兵大尉宛の手紙を握らせていた。そして男はカスパーを残して姿を消す。

カスパー・ハウザーの謎のあらすじ【承】

町の人々はカスパーに声をかけるが、彼は「ホース(白馬)」という言葉しか発しない。仕方がないので、彼の持っている手紙の宛名を見て、大尉の家に連れていく。カスパーは、大尉の屋敷の馬小屋に保護される。

帰宅した大尉は、自分宛の手紙を読む。カスパーは1812年10月7日に母親から男の手に委ねられたが、家から一歩も出ていないので、彼の存在は誰にも知られていないらしい。男はカスパーが騎兵になることを望んでいた。

大尉は奇妙な話に困惑しつつ、町の巡査たちとカスパーの持ち物などを調べる。カスパーの腕には種痘の跡があったので、上流階級の生まれではないかと思われた。身元がわかるようなものは何も持っていなかったが、紙とペンを渡すと「カスパー・ハウザー」と書いた。それにより、彼の名前はカスパー・ハウザーに決定する。

カスパーの身柄は役所預かりにされ、犯罪者や浮浪者を収容する塔の上の鍵部屋に保護される。食事の世話などは、巡査の妻がしてくれた。カスパーは食卓について食事をすることもできず、肉や野菜は吐き出してしまう。しかしカスパーはとてもおとなしかったので、巡査一家は好意的に彼の世話をする。巡査の息子は、カスパーに言葉を教えてやる。

カスパーには危険ということがわからず、剣や火を近づけても怖がらない。しかし、カスパーは繊細な心を持っており、笑い者にされることに傷ついていた。巡査の妻が赤ちゃんを抱かせてやった時も、カスパーは涙を流していた。

いつまでも市の経費で養うわけにはいかず、カスパーは見世物小屋で金を稼ぐことになる。彼は「捨て子のカスパー」として見世物小屋に立たされるが、それを嫌がって逃亡する。ダウマー教授はそんなカスパーに同情し、彼の後見人となって面倒を見始める。

カスパー・ハウザーの謎のあらすじ【転】

ダウマー教授の屋敷で暮らすようになって2年が過ぎ、カスパーは随分人間らしくなっていた。会話もできるようになり、盲目の男が奏でるピアノを聴き、涙を流して「胸に強く感じます」と感想を述べる。ダウマー教授は、カスパーの言葉を丁寧に聞き、彼に世界の仕組みを教えてやる。

カスパーがどうしても理解できないことのひとつに宗教があった。「神の存在を感じたことがあるか?」と牧師様に聞かれても、カスパーはその意味がわからない。

ダウマー教授からサハラ砂漠の話を聞いたカスパーは、その話に強い関心を示す。彼はその話が忘れられず、砂漠の物語を書き始める。しかし、初めの部分しか書けないと悩んでいた。

カスパーは手紙も書けるようになり、自分の畑を荒らされた悲しみをダウマー教授に書き綴る。地下牢では一度も見ることのなかった夢も見るようになり、現実と夢の区別もつくようになっていた。「自分がこの世界に現れたのは、激しく堕落したようなものだ」と哲学的な発言もし始める。ダウマー教授は、カスパーがこの世界に馴染めず、生きる喜びを感じていないことが気がかりだった。

カスパーが論理的に物事を考えられるようになったか試すため、数学者があるテストをしてみる。数学者は真理の村と嘘つきの村の話をし、絶対推論の真理をカスパーに説いて聞かせるが、彼には小難しい理屈がよくわからない。カスパーは、その人が嘘つきかどうか見分けるには「あなたはカエルですか?」と聞けばいいと思っていた。

ダウマー教授の勧めで、カスパーは「人生の手記」を書き始める。これが大変な噂になり、イギリスのスタンホープ伯爵が、カスパーに会いたいと申し出てくる。彼はカスパーを気に入ったら、自分が後見人となってイギリスに連れて帰るつもりだった。

カスパー・ハウザーの謎のあらすじ【結】

スタンホープ伯爵はカスパーを気に入り、社交界にデビューさせる。伯爵は晩餐会の場で、「私が面倒を見ている若者です」とカスパーを紹介する。しかしカスパーにとって、そんな場所は苦痛でしかない。気分が悪いと言い出して別室へ行き、服を脱いで編み物をし始めたカスパーを見て、伯爵は彼をダウマー教授に返してしまう。

ダウマー教授は、カスパーに信仰心を持たせるため、教会へ連れていく。しかしカスパーは信者の合唱や牧師の説法が大嫌いで、すぐに教会から逃げてしまう。

ある日、ダウマー教授の屋敷でトイレに入っていたカスパーは、謎の男に襲撃され、頭を棍棒で殴られる。そのまま姿を消してしまったカスパーを、教授と家政婦が必死で探す。カスパーは頭から血を流し、地下室で倒れていた。

カスパーは一命を取り留めるが、襲撃のことや犯人については何も語らない。その代わり、夢の中で死神を見た話をする。

傷が回復したカスパーは、以前のようにダウマー教授の屋敷で、静かに暮らし始める。彼は熱心にピアノの練習もしていた。

ところが、再び暗殺者がカスパーを襲う。庭にいたカスパーは、謎の暗殺者に胸を刺され、瀕死の重傷を負う。暗殺者は、カスパーにメモの入った包みを渡していた。メモには、「自分の素性を明かしたい」と書かれていた。謎の暗殺者は、カスパーを地下牢に閉じ込めていた男のようだったが、結局犯人を捕まえることはできなかった。

カスパーは助かりそうもなく、人々が彼の枕元に集まる。牧師に「心に残っていることがあれば言ってごらん」と言われ、カスパーは砂漠の隊商の話を始める。それは盲目の老人が率いる隊商の話だった。砂漠で道に迷った際、老人は砂をひとつかみ味見し「目の前に山はない、それは妄想だ」と言って、隊商を北の町に導く。本当の話はここから始まるのだが、カスパーには初めの部分しかわからないらしい。カスパーは「話を聞いて下さってありがとう、僕はもう疲れました」と言い残して死んでいく。

カスパーの遺体は解剖され、彼の肝臓と脳に異常があったことがわかる。医者や役人は、その結果に満足していたが、カスパー・ハウザーの謎は、未だに何ひとつ解けていないのである。

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