映画『風の谷のナウシカ』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「風の谷のナウシカ」のネタバレあらすじ結末

風の谷のナウシカの概要:スタジオジブリの前身となるトップクラフトで原作・脚本・監督を宮崎駿、製作を高畑勲が務めて作られた長編アニメ映画。スタジオジブリの代表取締役であり名物プロデューサーとしても有名な鈴木敏夫も製作委員会側でこの作品を支えている。テレビ放送されるたびに高視聴率を記録する名作中の名作。

風の谷のナウシカの作品概要

風の谷のナウシカ

公開日:1984年
上映時間:116分
ジャンル:アニメ、ファンタジー、SF
監督:宮崎駿
キャスト:島本須美、辻村真人、京田尚子、納谷悟朗 etc

風の谷のナウシカの登場人物(キャスト)

ナウシカ(島本須美)
風の谷の姫。メーヴェと呼ばれる凧を自在に操り、風に乗って空を飛ぶ。城の地下室で腐海の植物を育て、腐海について研究している。生き物全般と心を通わす力を持ち、腐海に生息する巨大な蟲も誘導できる。特に王蟲とは不思議な繋がりがある。ペットはキツネリスのテト。谷の人々から慕われる心優しい姫さまだが、怒らせると怖い。
アスベル(松田洋治)
ペジテ市の王子。双子の妹のラステルはトルメキア軍の人質にされ輸送中の事故により風の谷で死んだ。ナウシカと出会って考え方が変わり、最後はナウシカを助ける。
ユパ(納谷悟朗)
辺境一の剣豪でナウシカの父ジルの旧友。腐海の毒の謎を解くため世界中を旅している。冷静沈着な賢者でナウシカも全幅の信頼を寄せている。
クシャナ(榊原良子)
トルメキア帝国辺境派遣軍司令官であり皇女。辺境の国々を統合し巨大帝国を作って腐海を焼き払おうとしている。蟲に襲われ、体の一部を失っている。

風の谷のナウシカのネタバレあらすじ

映画『風の谷のナウシカ』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

風の谷のナウシカのあらすじ【起】

1000年前、世界は焼き尽くされ文明は崩壊した。その後地球では有毒な瘴気を発する腐海の森が広がり続け、巨大な蟲が繁殖する。人々はこの森と蟲の脅威に怯えながらも、無益な戦争を続けていた。旅の剣豪ユパは世界中で崩壊していく国々を目にしてきた。

風の谷の姫ナウシカは愛用の凧メーヴェに乗って腐海の森に入る。防毒マスクをしなければ5分で肺が腐ってしまう死の森は、いつも静かで美しかった。物思いにふけっていたナウシカは虫封じの銃声を聞く。巨大な王蟲に追われていたのはユパだった。ナウシカは閃光で王蟲の怒りを鎮め、虫笛を使って森へ誘導する。

父の親友であるユパのことはナウシカも幼い頃から知っていた。ナウシカはユパとの再会を喜び、ユパはナウシカの成長ぶりに感心する。ナウシカはユパが助けたキツネリスの子供を譲ってもらいテトと名付ける。

ユパは谷の人々からも大歓迎される。酸の海から吹く風に守られているこの谷はいつ来ても平和で穏やかだ。しかし族長のジルは腐海の毒にやられ寝たきりになっていた。ジルはユパにずっといて欲しかったが、ユパは腐海の謎を解くまで旅を続けるつもりだった。

夜明け近く。谷の上空にトルメキアの大型船が現れ、崖に激突して墜落する。船には腐海の蟲たちがはりついていた。ナウシカは炎の中からペジテ市の姫ラステルを救出する。しかしラステルは“積み荷を燃やして”と言い残して息絶える。

風の谷のナウシカのあらすじ【承】

谷の人々は船に付着していた腐海の胞子を焼く作業に追われる。ひとつでも残せば大変なことになるからだ。ラステルが燃やせと言った積荷は巨神兵の胚のことだった。

事故を知ったトルメキアの艦隊は谷を占領してジルを殺害する。ナウシカは我を忘れてトルメキア兵を何人も殺す。ユパは自ら盾になってナウシカの剣を受け止め、心の中でナウシカに“落ち着け”と語りかける。正気を取り戻したナウシカは谷の人々を守るためトルメキア軍に従う。

トルメキア軍の司令官クシャナ殿下は辺境の国々を統合し巨大帝国を築こうとしていた。さらにたった7日間で世界を焼き尽くした巨神兵を蘇らせ、腐海を焼き払うつもりだった。ナウシカと長老4人は人質としてクシャナとともにペジテ市へ行くことになる。

旅立つ前日。ナウシカは城の地下に作った秘密の部屋にいた。ユパはその室内を見て驚く。ナウシカは腐海から持ち帰った胞子をここで育て、きれいな土と水を使えば腐海の植物も毒を出さないことを突き止めていた。しかしここも閉鎖される。

翌朝。ナウシカは谷の子供たちに必ず帰ると約束して船に乗る。しかしトルメキアの艦隊はペジテ市の王子アスベルのガンシップに襲撃され、あっけなく墜落していく。ナウシカは小型機で船から脱出し、長老たちの乗ったガンシップの救出に向かう。諦めかけていた長老たちもナウシカの捨て身の説得で気力を取り戻し、ガンシップと小型機は腐海に不時着する。そこでナウシカは王蟲の群れに囲まれ、不思議な体験をする。

風の谷のナウシカのあらすじ【転】

アスベルも腐海に墜落し、怒った蟲たちに追われていた。ナウシカはひとりでアスベルを助けに向かい、腐海の地下深くに落ちていく。気を失ったナウシカは幼い頃に王蟲の幼生と引き裂かれた悲しい夢を見ていた。

ナウシカはアスベルとともに腐海の底にいた。そこの空気は澄んでおり、水も土もきれいだった。腐海の木々は人間が汚した大地の毒を体に取り込み、きれいな結晶にしてくれていたのだ。そして蟲たちはその森を守っている。それがわかったナウシカは嬉し涙を流す。

翌日。ナウシカはアスベルとペジテ市へ向かう。トルメキアに占領されたはずのペジテ市は蟲たちによって破壊し尽くされていた。これは生き残ったペジテ市の人々が巨神兵を取り戻すために自ら仕組んだことで、彼らは風の谷も蟲に襲わせようとしていた。この計画に反発したナウシカはペジテ市の船に監禁される。

破壊ではなく腐海や蟲との共存を望むナウシカの考えに賛同したアスベルは女たちに協力してもらいナウシカを逃がす。ペジテ市の船はトルメキア軍に攻撃されるが、ユパが現れてこの危機を救う。ナウシカは全速力でガンシップを飛ばし、風の谷へ向かっていた。

風の谷では残っていた腐海の胞子が繁殖し、森を焼かざるをえなくなる。谷の人々の怒りは頂点に達し、トルメキアとの戦闘が開始される。そこへ王蟲の大群が谷へ向かっているという知らせが入り、戦闘は中断。人々は頑丈な船の遺跡に避難する。

風の谷のナウシカのあらすじ【結】

ナウシカは王蟲の大群を怒らせるための囮にされた王蟲の幼生を助けるため、ひとりで戦っていた。体を張って幼生を助けるが、王蟲の暴走は止まらない。ナウシカは自分と幼生を大群の前に降ろすようペジテ市の兵士に命令する。

王蟲の大群を見たクシャナは未完成の巨神兵を連れ出し、王蟲の大群を攻撃させる。その火炎砲は凄まじい威力だったが、巨神兵はすぐに腐って死んでしまう。王蟲の暴走は止まらず、誰もがもはやこれまでと覚悟したその時、王蟲の大群の前にナウシカと幼生が降ろされる。しかしすぐに巨大な王蟲に跳ね飛ばされ、ナウシカは大群の中に消えていく。

その直後、王蟲の大群は動きを止め、目が赤い攻撃色から青に変化していく。谷の人々はナウシカが自らの命を犠牲にして谷を守ったのだと涙を流す。王蟲たちは傷だらけのナウシカを金色の触手で包み、天高く持ち上げる。すると不思議なことにナウシカの傷は癒え、目を覚まして起き上がる。その姿は谷に古くから伝わる救世主伝説(そのもの青き衣をまといて金色の野に降り立つべし)そのものだった。

谷の人々は歓喜し、谷へ到着していたアスベルやユパたちとともにナウシカを取り囲む。王蟲の群れは静かに森へ帰っていく。その後トルメキア軍も谷から撤退し、谷には平和が戻ってくる。

風の谷のナウシカの解説・レビュー

映画動員数は宮崎監督作品の中でも少ない

映画上映以来、昨今では2年に1度の割合でテレビのロードショーに登場する作品でもあるが、映画公開の観客動員数は約91万人、配給収入は約7.4億円と他の宮崎駿監督作品の中では少ない方で、翌年のテレビ放映から火が付いた作品でもある。宮崎駿監督が高畑勲・鈴木敏夫・久石譲と手がけた最初の作品で、後のジブリにつながる作品となった。この映画のキャッチコピーは〝少女の愛が奇跡を呼んだ〟である。1984年度にはアニメグランプリ・日本アニメ大賞の2つの賞を受賞している。

音楽と制作

宮崎駿監督の作品で目を引き、耳を奪われるのが、背景の描写と音楽である。制作拠点となったのは、宮崎と高畑と同僚の原徹などが運営していたトップクラフト。トップクラフトにもアニメーターはいたが、それだけでは不十分ということで、他からもスカウトし人材を確保した。小松原一男や中村光毅、なかむらたかし、金田伊功、庵野秀明などが関わった。

音楽は久石譲が初めて参加した作品でもある。当初音楽を担当することになっていたのは細野晴臣だったが、宮崎・高畑ともに久石譲の音楽を気に入ってしまったことで本編も任されることになった。映画で使われている「遠い日々」の歌は重要な部分の曲だが、この歌を久石は自分の娘に歌わせている。彼の音楽は作品の中に描かれる人間たちの感情が音となり、懐かしく優しい感情を呼び起こさせる気がする。

核の脅威、地球環境問題がテーマ

核戦争や環境破壊などで荒廃した世界。星自体が生命を再生させるために浄化作用を起こす。それが、腐海の森。この命を脅かす毒の脅威に怯えながらで暮らす人類。それらを描くことで、私たちに自然と人間の共生の示唆を与える映画とも言える。この作品の主人公ナウシカの父ジルは腐海の毒よって病に侵されている。ナウシカはその現実を受け止め、父の病を治すために秘密の地下で瘴気を出す植物を栽培し原因を突き止めようとする。ただ現状を嘆くのではなく娘として、一族の姫として真っ向から取り組む姿は健気である。また、彼女を助ける父の友人で剣豪のユパやペジテのアスベル、自国を危機に追いやったトルメキアの皇女クシャナまでが彼女の生き方や信条・行動に共感していく。

風の谷のナウシカの感想まとめ

自然と人間の共生や環境問題などをテーマにした作品は、ともすると堅苦しくなってしまう。しかし、この作品はアニメーションという手法で描かれたことでその問題をクリアした。また、主人公のナウシカという少女が人類の生んだ負の遺産を受け継ぎながらも立ち向かっていくところに観客は共感をしながら話の展開をテンポよく受け入れることができる。宮崎監督が書いたナウシカの原作は映画では途中までで終わるということもあってか、ご本人は今でも納得のいかない作品であるようだ。宮崎監督の初期アニメ作品『未来少年コナン』から引き続き『風の谷のナウシカ』そして『もののけ姫』へとテーマは受け継がれており、通して見てみるのも面白いと思う。

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