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映画『家族ごっこ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『家族ごっこ』の概要:『鈴木ごっこ』では、借金をチャラにすると言われた4人の男女が、1年間偽家族を演じる姿が描かれている。他にも『佐藤家の通夜』・『父の愛人たち』などの作品が収録されており、5組の不思議な家族にスポットを当てたオムニバス作品となっている。

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映画『家族ごっこ』の作品情報

家族ごっこ

製作年:2015年
上映時間:100分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:内田英治、木下半太
キャスト:斎藤工、でんでん、小林豊、新木優子 etc

映画『家族ごっこ』の登場人物(キャスト)

鈴木タケシ(斎藤工)
『鈴木ごっこ』の登場人物。ガールズバーを経営するが、失敗して借金を抱えてしまう。自分の恋人を風俗で働かせている。乱暴な性格だったが、偽家族を演じることで、すっかり性格が穏やかになる。酒の飲み過ぎで、肝臓が悪い。
鈴木ダン(柄本時生)
『鈴木ごっこ』の登場人物。明らかに中学生には見えないが、隣人との挨拶で中学生としてタケシに紹介されたため、中学2年生を演じることになる。タケシとコウメの息子の設定。腎臓が悪い。
鈴木カツオ(小木茂光)
『鈴木ごっこ』の登場人物。タケシ達の祖父の設定。糖尿病予備軍。ギャンブルに嵌り、借金を抱える。妻は子供を連れて出て行ってしまう。真面目で大人しい性格。
鈴木コウメ(霧島れいか)
『鈴木ごっこ』の登場人物。栄養管理士の資格を持っている。娘を人質に取られ、タケシ達の健康管理をするよう脅される。厳しい性格。
佐藤マユミ(鶴田真由)
『佐藤家の通夜』の登場人物。20歳のときに娘のミナツを産む。遊び歩き、娘のことを顧みなかった。頑固で融通が利かない性格。
佐藤ミナツ(新木優子)
『佐藤家の通夜』の登場人物。20歳。母が遊び歩いている間、祖父であるショウイチが面倒を見てくれていた。祖父と共にクリスチャンになる。結婚する予定。
父(小林豊)
『父の愛人たち』の登場人物。アーティスト。7人の愛人(料理教師・女優・ホステス)がいる。血の繋がった娘が2人いる。息子が欲しかったため、秘書のケイイチを養子に入れる。
田中家4姉妹<モモ(新木優子)、ミナ(尾藤亜衣)、リン(仁科あい)、ヒジ(小橋宏美)>
『貧乳クラブ』の登場人物。4姉妹共タレント活動を行っている。貧乳であることが悩み。リンは貧乳を理由に恋人にフラれているため、コンプレックスが強い。
高橋ゴロウ(でんでん)
『高橋マニア』の登場人物。癌を患っており、余命が後僅かしか残されていない。年金で2人の子供(剣とミキ)と孫(モモカ)を養っている。

映画『家族ごっこ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『家族ごっこ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『家族ごっこ』のあらすじ【起】

『鈴木ごっこ』

4人の男女は1年間「鈴木」として偽家族を演じれば借金をチャラにすると言われ、とあるマンションの一室に集まっていた。4人がテーブルに集まりこれからのことを話し合っていると、誰かが訪ねて来た。1人の青年が借金取りの男だと思い玄関を開けに行くが、そこにいたのは隣人の女性(二階堂)だった。空き家だった部屋から物音が聞こえてきたため、様子を見に来たのだ。4人の男女はしどろもどろになりながら、何とかその二階堂に自己紹介をした。鈴木タケシと妻のコウメ、祖父のカツオとタケシ夫妻の息子のダンという設定になった。

玄関の前に手紙の入った紙袋が置かれていた。その手紙には「君達の借金総額1億円の返済の条件は、4人の内の誰かが隣の人妻を落とすこと」と書かれていた。そして、小型カメラが入っていた。ダンは中学生という設定にしたため、人妻を落とせそうなのはタケシしかいなかった。だが、タケシには風俗で働いている恋人がいた。

半年経ったが、二階堂を落とす手立ては何も得られていなかった。ダンは二階堂の娘と仲良くなって情報収集する予定だったが、勝手に告白してフラれていた。しかも、コウメは唯一の女性として皆の健康管理をしていたのだが、皆勝手にジャンクフードを食べて健康を悪化させていた。怒ったコウメは家を飛び出してしまう。

タケシは帰って来たコウメに、「明るい健康家族」に慣れておらず、何だかくすぐったい気持ちがあったことを打ち明け、謝罪の気持ちを伝えた。するとそこに、ダンが帰って来る。ダンはコウメのことを「母さん」と呼び、お腹が空いたことを伝えた。コウメとタケシは顔を見合わせて微笑み、「鈴木ごっこ」を再開させた。

「鈴木ごっこ」終了日。5日前に無事、タケシが二階堂の奥さんを落としていた。タケシはすっかり人が変わり、皆にお茶を出してくれるような好青年になっていた。皆でタケシが入れてくれたお茶を飲むが、気絶するように眠ってしまう。コウメは意識が朦朧とするタケシに、ポットの中に薬を入れたことを打ち明けた。コウメは借金取りの仲間である二階堂に脅され、協力していた。二階堂の娘とは、コウメの人質に取られた娘のことだった。二階堂達は借金を回収するために、タケシ達の腎臓や角膜などの臓器を回収して売る予定だった。「鈴木ごっこ」とは、タケシ達の体を健康にすることが目的だったのだ。

ダンは眠っておらず、油断している二階堂を殴りつけた。ダンもタケシもカツオも、コウメ達の策略に気づいていた。コウメの娘に接触したときに、母を助けて欲しいと頼まれていたのだ。しかも、コウメがポットに睡眠薬を入れたところを、カメラに収めていた。タケシ達はコウメを置いて部屋を出て行った。

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映画『家族ごっこ』のあらすじ【承】

『佐藤家の通夜』

佐藤家の主人(ショウイチ)が事故で亡くなり、通夜が行われた。子供達(長男のハヤト・長女のマユミ・次男のサトシ)は父の愛人が来るはずだと目を光らせるが、誰もが怪しく思えて結局誰が愛人か分からなかった。その1時間後、叔父(ショウジ)の娘のハルがショウイチの真面目な性格を考え、実は既に結婚しているのではないかと言い出した。配偶者にした方が、遺産がより多く貰えるからだった。だが、誰もショウイチから結婚したという報告は受けておらず、そんなはずはないだろうと相手にしなかった。

ショウイチの棺の前で泣き崩れていた女性が、喪主に話があると言い出した。ハヤト達は皆でその女性の話を聞くことにした。ハヤト達はてっきり愛人だと打ち明けられるのだろうと思ったが、女性が口にしたのは愛人とは全く関係のないことだった。ショウイチは敬虔なクリスチャンで、教会に通っていたというのだ。そのため、仏教方式のお葬式ではなく、教会でお葬式をあげて欲しいと言われる。

マユミは突然のことに戸惑いを隠せず、教会でお葬式をあげることに反対した。すると、その女性と喧嘩になってしまう。頭に血が上ったその女性は、思わず佐藤家にもう1人キリスト教徒がいることを話してしまう。ハルはそのもう1人のキリスト教徒を炙り出すため、踏み絵をしようと嗾けた。マユミの娘のミナツはキリストの絵を踏むことができず、泣き崩れた。ミナツがもう1人のクリスチャンだった。マユミは何も知らず、激しく動揺した。マユミは遊び歩き、母らしいことを何一つしてくれない人だった。その間、祖父はミナツの傍におり、勉強なども教えてくれていた。そして、次第に一緒に教会に通うようになったのだ。

ショウイチの遺産は教会に寄付することになっていた。マユミはそのことを弟の妻に指摘されたのが気に入らず、兄弟で話し合うことだと反論したため喧嘩になってしまう。すると、ハルがマナミ達を責めだした。マナミ達が家に寄りつかなかったせいで、ショウジが家のことを手伝い、ハルの母親が愛想を尽かして出て行ってしまったのだ。

ミナツは結婚する予定であることを母に打ち明けた。マユミは何も聞かされておらず、衝撃を受ける。ミナツは婚約者と共に祖父と会っていた。ショウイチは孫達のために結婚指輪をプレゼントしたのだが、婚約者の指には小さすぎて嵌らなかった。ショウイチはその結婚指輪を自分の指に嵌めてきちんと嵌ることを証明しようとしたのだが、抜けなくなってしまった。そのせいで、マユミ達から愛人がいると誤解を受けてしまったのだ。マユミは娘のことを何も知らなかったことに、動揺が隠せなかった。そんなマユミに、ハヤトはこれからお互いのことを知っていけばいいのだと声を掛けた。皆しんみりした気持ちで、棺の中のショウイチの顔を見た。だが、結局明日の葬式を何式にすればいいのか、決まっていなかった。

映画『家族ごっこ』のあらすじ【転】

『父の愛人たち』

ケイイチは父と最期の日を一緒に過ごした人が誰かを探るため、父の愛人7人を集めた。遺言書により、その最期を過ごした人が、父の遺産の3分の1を受け取ることになっていた。愛人達は皆気の強い女性達ばかりで、自分が最期に会った人物だと譲らなかった。

ケイイチは義理の息子だった。父は息子が欲しかったため、3年前に秘書として働いていたケイイチを養子に迎え入れたのだ。父には娘が2人おり、その2人は血縁関係があるため遺産を相続する予定だった。しかし、ケイイチは遺産が貰えなかった。父の実子のことを考えて、遺産を相続しないという条件で養子に入ったからだった。

父の愛人は6人部屋に集まっていたが、最近新たに愛人に加わった1人の女性が遅刻していた。その女性は「モエ」と言う名前以外何も分からなかった。ただ、父がその女性のことを褒めていたのは確かだった。

ケイイチは女性達と話し、嘘を暴いていった。父の命日が彼氏の誕生日だった女性や、家で夫の帰りを待っていた人妻などがいた。2人の女性(ユリコ・アズサ)と、まだ現れていない「モエ」だけが残った。すると、ユリコが父の子を妊娠している言い出し、母子手帳を取り出した。それを受けて、ケイイチはアズサに、本当に嘘を吐いていないか静かに問い掛けた。アズサは亡くなった日に父と会っていたが、父は「モエと会う」と言っており、最期に会った女性ではないことを白状した。「モエ」は結局現れなかった。ケイイチはモエの席に座り、疲れたように座り込んだ。

ある女性が化粧をして部屋から出てきた。その女性の顔は、ケイイチだった。

映画『家族ごっこ』の結末・ラスト(ネタバレ)

『貧乳クラブ』

田中家の4姉妹(ヒジ・ミナ・リン・モモ)は、皆タレント活動を行っていた。貧乳の人の胸を大きく見せるブラジャーのCMの話があったのだが、末っ子のモモは自分には無理だと言い出した。モモは自分の胸を小さいとは思っていなかった。だが、他の3人はそれに納得がいかず、反論した。

誰が一番貧乳かを決めるため、4姉妹で触り合って確かめた。しかし、結局誰が一番小さいか決められなかった。4姉妹は男兄弟のテツヤに意見を行くことにした。だが、テツヤは4姉妹の貧乳話に興味はなく、協力してくれなかった。すると、リンはブラジャー姿になり、テツヤに確認させようとした。テツヤが激しく嫌がったため、リンは仕方なく服を着た。

リンは貧乳を理由に恋人にフラれたことがあり、コンプレックスを抱えていた。テツヤに弱音を吐くと、テツヤは貧乳が好きな人もいると言って慰めてくれた。しかし、家に訪ねて来たテツヤの彼女は、胸の大きい女の子だった。4姉妹は表情を硬くした。

4姉妹はテツヤの彼女の胸を鷲掴み、羨ましがった。テツヤはそんな姉達を叱り、4姉妹にも良いとこがあるのだから胸のことなど気にするなと慰めた。4姉妹が落ち込んでいると母が帰って来た。母が貧乳なのを見て、4姉妹は遺伝だと納得する。

『高橋マニア』

高橋ゴロウは年金で、子供2人(剣・ミキ)と孫1人(モモカ)を養っていた。だが、貯金は底を尽きそうだった。しかも、ゴロウ自身の体調はあまり良くなかった。にも関わらず、子供達はいつまで経っても働こうとしなかった。そこで、ゴロウは映画を撮って、一発逆転を図ることにした。

剣は映画監督になりたいという夢があった。そこで、ゴロウは剣に監督を任せることにした。映画のタイトルは「晩春のいけにえ」。主人公のノリコは透明人間の父親のことを愛していた。父はそのことを知っていながら、娘の命を奪うという内容で、父の歪んだ愛情を表していた。主人公役のノリコは、井上カオルと言う名の女優に任せることにした。

撮影は順調に進むが、ゴロウはどうしてもカオルのことを殺せなかった。しかも、ゴロウは心臓を抑えて倒れてしまう。プロデューサーはそれを見て、剣に殺人鬼役を交代するよう指示を出した。剣は嫌がり、父にやらせようとした。プロデューサーはそれを見て剣を殴り、いつまでも父に甘えるなと叱った。

剣はどうしてもカオルを襲うことができなかった。しかも、手が滑って腕が切れてしまう。それを見たカオルは、刃物が本物だったことに衝撃を受ける。剣達は殺人フィルムという名の、本物の血が流れる映画を撮ろうとしていた。殺人フィルムは、海外で高値で取引されていた。

カオルは1度死んでみたいという願望があったため、殺してくれと刃物を持つ剣に迫った。剣が逃げ惑っていると、ゴロウが現れ剣の代わりにカオルを殺そうとした。剣達は必死に父親を止めた。すると、父は息子達を殴り、自分がいなくなった後の生活はどうするのだと怒鳴りつけた。ゴロウは癌を患っており、余命が後僅かしか残されていなかった。

剣はカオルに刃物を振り上げるが、どうしても振り下ろすことができなかった。すると、モモカがカオルに刃物を突き刺し、刺殺した。モモカには死ぬ瞬間をみたいという願望があった。

高橋家に剣とミキの姿はなかった。モモカは家に残り、床に伏した祖父の看病をしていた。祖父はよく笑うようになったモモカの顔を、嬉しそうに見ていた。

映画『家族ごっこ』の感想・評価・レビュー

一つの映画の中に五つもの全く違うストーリーが入っており、一つ一つが面白く、釘付けになった。登場人物の個性が強く、その個性を生かすような演技力が素晴らしく、それぞれの役者達も見所である。鈴木ごっこ、佐藤家の通夜、父の愛人たち、貧乳クラブ、高橋マニアと、どれも家族の大切さや、本当の家族とはどういうものかを、的確に分かりやすく表現していた。少しひねくれた内容ではあったが、そこも面白く、なるほどと理解できるラストシーンには圧倒された。(女性 20代)


どの作品も期待以上で、ブラックユーモア的なおもしろさがあった。『鈴木ごっこ』の終わり方は予想外で、もっとハッピーエンドで終わると思っていただけに、とにかく驚かされた。
『高橋マニア』も『鈴木ごっこ』とは違った意味で衝撃的な作品だった。でんでんさんが出演していることもあり、妙な迫力と生々しさがあった。気持ち悪さが後を引くストーリーだったと思う。
そんな中、『貧乳クラブ』は微笑ましいストーリーで、貧乳について真剣に悩む四姉妹のやり取りが可愛かった。(女性 30代)


本作は、『鈴木ごっこ』『佐藤家の家族』『父の愛人たち』『貧乳クラブ』『高橋マニア』で構成された、五組の不思議な家族を描いたオムニバスコメディーヒューマンドラマ作品。
でんでんや斎藤工、柄本時生、伊藤沙莉といった個性的なキャストが沢山出演していて、個性を生かした演技に引き込まれた。
それぞれが独立した物語の短編となっていて、不思議な世界観が癖になる。
もっと長編で観たい。
中でも、誰が一番の貧乳か競う『貧乳クラブ』は、微笑ましくて一番好みだった。
家族の絆や、大切さに気付かされる作品。(女性 20代)


5組の家族の形を描いたオムニバス作品。個性豊かなキャストと良い意味で想像を裏切ってくるシナリオが上手く絡み合い、とても面白かったです。
特に『鈴木ごっこ』は設定から面白く、家族のフリをすれば借金がチャラになるなんて意味の分からないストーリーなのに、適当に割り当てられた「役」があまりにも可笑しくて笑ってしまいました。
面白い作品だと思って見ていましたが、ラストの展開は想像を遥かに超えるもので驚きを隠せませんでした。(女性 30代)

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