『王様と私(1956)』あらすじとネタバレ映画批評・評価

王様と私(1956)の概要:「王様と私」(原題:The King and I)は1956年のアメリカ映画。監督は「ショウほど素敵な商売はない」のウォルター・ラング。主演は本作でアカデミー賞主演男優賞に輝いたユル・ブリンナー。共演に「ジュリアス・シーザー」、「地上より永遠に」のデボラ・カー。マーガレット・ランドンが1944年に発表した小説「アンナとシャム王」を原作として、1951年に初演されたミュージカルリメイク。

王様と私

王様と私 あらすじ

映画『王様と私(1956)』のあらすじを紹介します。

1862年、イギリス人女性のアンナ夫人(デボラ・カー)は息子ルイズ(レックス・トンプソン)を連れて、シャム王(ユル・ブリンナー)の王室での教師としてイギリスからシャムに渡る。バンコックでは首相からの丁重な出迎えを受けたが、王が宿泊の約束を忘れていることを知りアンナは直談判しようとする。宮殿では王がビルマ大公からの貢物、タプティム姫(リタ・モレノ)を受け取ったところだった。王はアンナを後宮へ伴い、正妃ティアンを始め数多くの王子、王女らを引合わせる。アンナは王の娘の教育についてティアン妃の援助を受けることになり、タプティムは妃たちに英語を教えることになる。アンナはタプティムの恋人がビルマから彼女を連れてきた使者ラン・タと知り、どうにか心遣いをして慰めた。

アンナは王の子供たちへの教育で「家」という言葉を教え、宿舎の提供を忘れていた王の耳へ入れようとする。跡継ぎとして時期国王になる王子は、シャムが丸い地球上の小国と言い出し、驚いた王は授業の見学に向かうが、そこでタプティムの朗読する物語りに感激する。シャムでは西洋文明の知識が全くない時代であり、国の常識にないことを教えるアンナを、王を混乱させる要因だと首相は批難するのだった。ある日、イギリス人が自分のことを野蛮人と思われていると気づいた王は、保護国の資格を失うと考え、近く国情調査に訪れる予定の団体を、イギリス特有のもてなしで迎えるようアンナに一任する。やがてイギリス特使ジョン・ヘイ卿の歓迎晩餐会は、アンナの計らいでヨーロッパ風の豪華なものとなった。

晩餐会は成功に終ったが、タプティムは元恋人のラン・タと駈落ちしてしまう。捕らえられたタプティムはアンナの計らいで刑を免れるが、相手のラン・タは殺害されてしまった。アンナとルイズは愛想を尽かし故国へ戻ろうとするが、船が出航する日に王は心臓発作で倒れてしまう。アンナは王の子供たちの願いからシャムに留まることになり、王は宿舎の新築を約束して息を引き取る。

王様と私 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1956年
  • 上映時間:133分
  • ジャンル:ミュージカル・史劇
  • 監督:ウォルター・ラング
  • キャスト:ユル・ブリンナー、デボラ・カー、リタ・モレノ、マーティン・ベンソン etc…

王様と私 批評 ※ネタバレ

映画『王様と私(1956)』について、2つ批評します。※ネタバレあり

ユル・ブリンナーでなければ務まらなかった作品

古き良きミュージカル映画である。音楽はロジャース&ハマースタインのゴールデンコンビ。そして名曲「シャル・ウィ・ダンス」。この時代独特の映像美が堪能できる優雅な作品だ。ユル・ブリンナー演じるシャム王は知性的で風格がある、彼はこの役のために頭を剃ったというが、ここまでスキンヘッドの似合う役者はいないだろう。デボラ・カーも教育者らしさがよく表現できており、現代的な風貌の中にも優雅さを備えている。主役が男女二人という設定ながら、恋愛関係には進展せず、国際関係の中で重要な位置にある人間の立場がよく描かれ、迂闊に男女関係に陥らないところも物語を引き締める要因になっている。ヨーロッパの植民地にならず、独自の文化を残したタイを世間に知らしめるという面では、映画としては珍しい舞台設定なのではないだろうか。この風変わりな設定をミュージカルに仕立てて、よくぞここまでの作品に作り上げたものだと関心するが、その最大の功労者はやはりユル・ブリンナーの個性というものだろう。当時の役者でスキンヘッドを売りにし、しかもハンサムな主役が演じられる人物はいなかった筈だ。

ミュージカル映画も役者次第

本作が撮られた頃はミュージカル映画も過渡期に差し掛かっていた頃だったのだろうか。作品の内容もラブストーリーばかりでは飽きられてしまうという危機感があったかどうかは知らないが、この作品は設定も役者も全く異質な観点で作られたというところが功を奏したのかも知れない。1956年に公開された映画のリストを見てみるとミュージカル映画は殆どなく、有名どころではフレッド・アステアの「上流社会」くらいである。ミュージカル以外のヒット作では「十戒」、「八十日間世界一周」、「ジャイアンツ」などの作品から考えると、ミュージカルスターも主役を張れる役者はそう多くはいないといったところだろうか。

まとめ

ユル・ブリンナー人生最大の嵌り役ということで、彼は舞台でこのミュージカルを生涯にわたり4633回も演じたという。20年以上のロングランだったということだが、それだけこの作品における彼の存在が認められていたということだろう。日本でも1966年の西部劇「荒野の七人」で大人気になり、TVのCMにも登場し好評を博していた。作品の内容もさることながら、ハンサムで目力が強くスキンヘッドという特徴だらけの風貌だが、一度観たら忘れられない存在感で映画史にその印象を深く刻んでいる俳優である。

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