『麒麟の翼 劇場版・新参者』あらすじ感想とネタバレ映画批評・評価

麒麟の翼 劇場版・新参者の概要:2012年公開の日本映画。東野圭吾原作の小説で日本橋署の刑事、加賀恭一郎シリーズの第9作目にあたる作品である。主役を阿部寛が演じ、泣けるミステリーとして話題に。

麒麟の翼

麒麟の翼 劇場版・新参者 あらすじ

映画『麒麟の翼 劇場版・新参者』のあらすじを紹介します。

ある夜日本橋の麒麟の像の下で、青柳武明(中井貴一)が何者かに刺され力尽きる姿が目撃される。
その後彼は病院で死亡が確認された。
加賀恭一郎(阿部寛)と、甥であり刑事の松宮(溝端淳平)は捜査に乗り出す。

そんな矢先、警官が公園で怪しい男性がいるのを発見。
職質しようと声をかけたところ急に走り出し、トラックに突っ込み意識不明の重体となる。
この男は八島冬樹と言い、なぜか日本橋で死んだ青柳武明のカバンを所持していた。
八島を容疑者とし意識が戻り次第、書類送検すると言う上司に加賀はまったをかける。
事件を調べていくうちに、青柳武明は刺された場所から日本橋の橋の上まで歩いたことが判明したからだ。

何故助けを呼ばずにそこまで歩いたのか?
青柳には妻と娘、息子が1人ずついた。
家族は何故日本橋にいたのか、それさえもわからないという。
特に息子の悠人は中学の水泳部を勝手に辞めたことをきっかけに仲が悪く、青柳はそのことで悩んでいた。
同時に容疑者矢島が青柳の会社で働いていたことが判明、しかも勤務中に怪我をしたが会社側が労災を隠していたということがわかった。

偶然のつながりから、被害者だった青柳は労災隠しのせいで恨まれ殺されたということで「仕方が無かった」と言われ始める。
誰もが青柳の労災隠しを責めたが、仲の悪かった悠人だけは意外にも父親の正義を信じていた。
実は悠人は事件の真相に辿りついていたからである。
青柳は千羽鶴を折っては日本橋の七福神を巡り、写真に収めていたのだ。
それは悠人が水泳部を辞めたことに関係していた。
実は中学の水泳部で後輩が水難事故にあい現在でも彼には障害が残っていた、その事件に悠人が関わっていたのである。
その後輩は母と療養のため長野に引越し音信不通。

しかしある時、後輩の母親が障害のある息子をキリン君と名づけ闘病記のブログを書いているのを発見した。
償いのために悠人が始めたその七福神巡りだったが、父親にばれやめてしまう。
全てを察知した青柳は、止めた悠人の代わりにブログに見舞いの写真を投稿していたのである。

そして真相を聞き出そうとした青柳は、悠人の水泳部の仲間の1人杉野を呼び出し真相を尋ねる。
本当は全員関わっていたのに悠人だけのせいにした杉野だったが、青柳が悠人を警察に連れて行くと知ったことで恐怖を感じ青柳を刺したのだ。

青柳は息子に全てを伝えるため、命をかけて麒麟の翼の像まで歩いたのだった。
容疑者だった矢島はというと同棲している彼女と最初に上京した場所が日本橋であり、青柳が殺害されたその日が上京した記念日であったためそこにいただけだったのだ。

麒麟の翼 劇場版・新参者 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2011年
  • 上映時間:129分
  • ジャンル:ミステリー
  • 監督:土井裕泰
  • キャスト:阿部寛、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李 etc

麒麟の翼 劇場版・新参者 批評 ※ネタバレ

映画『麒麟の翼 劇場版・新参者』について、2つ感想批評です。※ネタバレあり

本来なら誰も死なないのでは?突っ込みどころが満載

原作が人気小説家である東野圭吾ということで注目された作品。
小説はもっと感情深く描かれていて感動的なのかもしれないが、映像にすると色々無理がある。
そもそも刺されたのに助けを呼ばないだろうか?
歩かなければ助かったかもしれないのである。
息子に全てを伝えたいのであれば、何としても生きて自分が伝えるべきである。
親ならそう思うだろう。
それなのに我慢して日本橋の欄干まで歩くということが疑問に思う。
死ななければならない理由が見つからない、当然青柳が死ななければ矢島も死なずに済み誰も死なずにすむのでは?
もちろんそれでは殺人事件が成り立たないのだが。

また、労災隠しの事件も大げさに感じる。
労災隠しは確かに犯罪ではあるが、殺人事件の被害者であった青柳の労災隠しが判明したからといって子供たちの友達がそんなに態度を変えるほどのことであろうか?
高校生や中学生が「労災隠し」としった途端、手のひらを返すようになるのか不思議である。
現実味が薄く殺人事件にのめりこめずに終わってしまった。

キャストが豪華でわかりやすい

殺人事件の被害者の写真はどう見ても中井貴一に見えたが、まさかそんな大物俳優が被害者として最初に登場するわけが無いという先入観から中々認識できなかった。
その他にも八島の恋人に新垣結衣や脇役にも有名俳優を使い、とても豪華な仕上がりになっている。
映画の殺人事件は登場人物が多く一見ぐちゃっとしがちだが、大物俳優を起用してくれたことで配役がわかりやすくすんなり映画に入り込めた。
しかし脇役にもこだわりすぎていたせいで途中から「あっ!この人!」と思いながら見るようになってしまい殺人事件の緊張感が薄くなってしまった。

麒麟の翼 劇場版・新参者 感想まとめ

小説もドラマも映画も絶大の人気がある東野圭吾。
中でも俳優が豪華であり、しかも原作の登場人物に非常に合う人を起用していることでも話題性がある。
東野圭吾の小説は人情味や感動がテーマの殺人事件が主で、このストーリー構成がただの殺人事件ではなく万人に受け入れられる秘密だろう。
ドラマティカルなストーリーは従来のミステリーと違い、女性でも読みやすく最後は思わず涙ぐんでしまうようなシーンも多数。
2時間サスペンスとは一味違う面白さがそこにある。
本作も殺人事件を紐解いてみたら「親子の絆」という深いテーマが隠されており、ファミリーにも楽しめる構成が魅力的。
日本を代表するミステリー作家のこれからの期待は非常に大きなものであるだろう。

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