映画『告発の行方』あらすじネタバレ結末と感想

告発の行方の概要:レイプという重たい問題を正面から見つめた1988年のアメリカ映画。レイプされ傷つきながらも闘う主人公を演じたジョディ・フォスターは、その体当たりの演技でアカデミー主演女優賞を受賞した。

告発の行方 あらすじネタバレ

告発の行方
映画『告発の行方』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

告発の行方 あらすじ【起・承】

ある夜、警察に“酒場「ミル」で一人の女性が複数の男にレイプされている”という匿名の通報がある。

被害者の女性サラ・バイアス(ジョディー・フォスター)は自力で逃げ出し、通りすがりの車に助けを求め警察へ来る。

サラは病院で詳しい検査を受け、女性検事補のキャサリン・マーフィ(ケリー・マクギリス)と保安官のダンカンから事情聴取を受ける。

犯人逮捕のため、キャサリンとダンカンはサラを伴って「ミル」を訪れる。
まだ現場にいたカートとダニーは確認できたが、もう一人の犯人ボブの姿はなかった。

後日、サラの証言により大学生のボブを含む3人のレイプ犯は逮捕され、裁判となる。
しかし、ボブの親が雇った弁護士は有能で、犯人たちは安価な保釈金ですぐに保釈される。

サラは裁判の結果に失望しキャサリンを責めるが、サラ自身にも弱みがあった。
サラにはマリファナ所持の前科があり、事件当日もマリファナを吸い、酒に酔っていた。キャサリンはこの裁判の難しさをサラに説明するが、サラは納得しない。

サラの友人サリーやバーテンにも話を聞くが、キャサリンはこの裁判に勝つことは無理だと考え、弁護士と取引をする。
結局、無罪よりはマシだという打算で、犯人をかなり微罪の過失傷害で裁くことになる。

ニュースでこの事実を知ったサラは、キャサリンの家に乗り込み怒りをぶちまける。
しかしキャサリンはサラの深い心の傷を理解できないでいた。

絶望を断ち切るようにサラは自ら髪を切り、同棲中のラリーも家から追い出す。

告発の行方 あらすじ【転・結】

ある日、サラはレコード屋でクリフという男からしつこくつきまとわれる。
クリフは事件当日現場にいて犯人を煽っていた男で、サラをからかってきたのだ。
サラは怒りに任せてクリフの車に自分の車を激突させ、怪我を負う。

サラを見舞ったキャサリンは、初めてサラの深い悲しみに気づき、サラの名誉を回復しようと決意する。

キャサリンはサラのレイプ現場にクリフのような野次馬たちがいたことを知り、すでに刑が確定してしまった犯人の代わりに、この野次馬たちを立件することを思い立つ。

もし野次馬たちを立件できれば、犯人のレイプも証明することができ刑は重くなるとキャサリンはサラに説明し、サラも裁判での証言を決意する。

キャサリンは現場にあったゲーム機の記録からケンという大学生が現場にいて、匿名で通報したのも彼だということを突き止める。
キャサリンはケンに通報記録のテープを聞かせ、裁判での証言を依頼する。

野次馬として告訴された男はクリフを含めた3名で、ついに裁判が始まる。
サラは証言台で、事件のことを涙ながらに告白するが、弁護側の追求は厳しかった。

一方、ケンは親友のボブと自分の良心の間で揺れていた。
検察局を訪れたケンは、キャサリンとサラに“記憶がないので証言はできない”と言うが、
サラに“自分も怖いのだ”と告白され、再び気持ちが揺れ動く。

証言台に立ったケンは全てを正直に話し始める。
ケンの証言により、犯人や野次馬の非道さと同時にサラの軽率さも明らかになる。

2日間にわたる審理の結果、クリフと他2名は犯罪教唆の罪で有罪となり、サラとキャサリンは勝訴する。

告発の行方 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1988年
  • 上映時間:110分
  • ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 監督:ジョナサン・カプラン
  • キャスト:ジョディ・フォスター、ケリー・マクギリス、バーニー・コールソン、レオ・ロッシ etc

告発の行方 批評・レビュー

映画『告発の行方』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

事件当日の回想シーンは語る

事件の夜、一体どんな状況でサラはレイプされたのか。
それが明らかになるのは、裁判でケンが客観的な証言をする物語のラストだ。

レイプされるまでのサラの行動はかなり軽卒だ。露出度の高い服を着て、マリファナを吸い泥酔し、男に色目を使いまくっている。
この時点で観客は“これはサラにも非がある”と感じるだろう。

しかし、サラがピンボール台に押し倒された瞬間、事態は一変する。
このシーンは、不安定に動くサラの視点、サラを犯す男の視点、それを傍観している人の視点、それぞれの人物のアップ、酒場全体の映像と次々カットが切り替わり、かなりの臨場感がある。
特に、サラから見える男たちの映像はとてもリアルで、サラの恐怖がどれほどのものだったか、それが嫌でも伝わってくる。男たちへの不快感はマックスだ。

相手がどんな女性であろうと男たちの鬼畜な行為は許されるものではないと、このシーンは強く主張しており、この映画にしっかりとした説得力を持たせている。

サラとキャサリン

本作では主人公のサラ、検察補のキャサリンという2人の女性が物語の中心人物となる。

サラは貧困層で退廃的な暮らしをし、キャサリンは富裕層のエリート検事だ。
当初、キャサリンはどこかでサラを差別している。
そのため、同じ女性でありながら心の底からサラの痛みを理解することができない。

キャサリンはとても冷たい女のようだが、キャサリンが特別なわけではない。
世間の目はサラのような女性に冷ややかであるという描き方は現実味がある。

もし、キャサリンが最初からサラの痛みをすんなり理解し、人情味あふれる熱血検事としてサラのために闘っていたなら、この物語は犯罪をネタにした、ただの法廷物で終わっていただろう。

告発の行方 感想まとめ

この映画は、レイプ、それも集団レイプという卑劣な行為を正面から描いている。
だから、当然重たいし、面白いとか楽しめたとかそういう類の映画ではない。

ジョディ・フォスターは確かに熱演しているし、それがこの作品の完成度を高めているのも事実だが、本作の見どころやポイントは決してそんなことではない。

サラという主人公をあえて同情しにくい女性に設定したことは深い意味がある。
主人公が簡単に同情できるようなかわいくて素直な女性でないからこそ、私たちはレイプという犯罪を裁くことの難しさや、その卑劣さの本質を知るのだ。

とにかく見ごたえのある作品だが、とてもいい映画だからオススメです!などと簡単には言えない内容なので、興味がある人、この問題を現実的に考えてみたい人は一度観て、自分なりにこの犯罪を裁いてみてほしい。

Amazon 映画『告発の行方』の商品を見てみる

コメント

  1. ある40代の映画好き より:

    高畑裕太事件が起きて、昔 見たこの映画を思い出しました。今、実は美人局だったのでは?等言う輩がいますが、そういう人達は何も分かって無いんだなあ!と怒りを覚えます。そういう人達は、この映画を見て欲しいと思います。レイプという卑劣な行為、被害者の心身の傷の大きさ、深さが多少なりとも理解出来ると。リアルな映画なので。