映画『クヒオ大佐』あらすじとネタバレ感想

クヒオ大佐の概要:2009年に公開された吉田大八監督、堺雅人主演の映画で、原作は吉田和正の小説。実在した結婚詐欺師をモデルにしている。アメリカ空軍のパイロットで世界的著名人とも親戚だというクヒオ大佐の嘘を描いた。

クヒオ大佐 あらすじ

クヒオ大佐
映画『クヒオ大佐』のあらすじを紹介します。

アメリカ空軍のパイロットで、父はカメハメハ大王の子孫、母はエリザベス女王の親戚というジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐。
しかしそれは真っ赤な嘘で、彼は付け鼻をつけた生粋の日本人。
彼の肩書きや会話術に乗せられ、騙されてしまう女性がいて、彼は結婚詐欺を生業としていた。

弁当屋を営む永野しのぶはクヒオ大佐に夢中で、結婚の約束を信じて彼に尽くす。
しかしクヒオ大佐は博物館に勤める浅岡春、クラブのナンバーワンホステスの須藤未知子にも狙いをつけていた。

ある日、しのぶの弟の達也に正体がばれてしまい、しのぶから騙し取ったお金を返さないと警察に連絡すると脅されてしまう。
手持ちが無いクヒオ大佐は、しのぶからそのお金を集ろうとするが、張り込んでいた達也に一喝されるだけだった。
春からはもともと相手にされておらず、元カレに追い返される始末。
ホステスの未知子からは上手く丸め込まれてしまい、クヒオ大佐からお金を要求しはじめる。
しかも警察からマークされていた彼女がクヒオ大佐の存在をほのめかすと、警察が以前からマークしていた結婚詐欺師だと判明。

そんな時、友人と元彼から裏切られた春を一旦は騙せたが、すぐに正体を見破られてしまう。
怒り狂った春に責められるクヒオ大佐だったが、そこに止めに入ったのは、騙されている事に気がついていたしのぶだった。

クヒオ大佐 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:112分
  • ジャンル:コメディ
  • 監督:吉田大八
  • キャスト:堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子 etc

クヒオ大佐 ネタバレ批評

映画『クヒオ大佐』について、感想批評です。※ネタバレあり

胡散臭いほどリアルな結婚詐欺師

堺雅人演じるクヒオ大佐の胡散臭さが飛びぬけている。
シリアスな役や真面目な役柄がそれまで多かった堺雅人の転機にもなっているだろう。

クヒオ大佐を完全な悪者にするのではなく、お金を騙し取る最低な行為をするが、達也のような自分より強いものには簡単に言いなりになったり、間の抜けた行動の多いちょっと悪い程度になっているのがコメディとしての面白さを醸し出している。
実際に存在した結婚詐欺師をモデルにしているのだが、何も知らなければ専属の運転手がいるであろうと勘違いさせるようなシーンや、電話の際は必ず加工したノイズを流しておくなど、こまめな行動が多く描かれていて、妙なリアルさを感じる。
クヒオ大佐の胡散臭さがわかりやすいほどリアリティが感じられるが、さすがに春の職場の広場で腕立て伏せをするなど、度を越えたものも多く、ツッコミどころになっている。

ハッキリしない時代設定や登場人物の私生活

時代背景があやふやで、若干見え隠れする政治的背景や、しのぶの弟の達也の服装などから昭和の終わりを連想できるが、「フセイン」という名前やテレビのニュース映像からは、21世紀とも思える。
そういった時代背景をあやふやにしている割には、特定しやすい要素があるのは、ストーリーをわかりにくいものにしてしまっている。
結婚詐欺師クヒオ大佐と、騙される女性たちという構図は良い。
だが、不確定要素として入ってくる詐欺師のような存在のホステスの未知子は、警察に目を付けられた後どうなったのか、入れ込んでいる客が彼女に貢ぐために横領をしたのかどうかなど、スッキリしない事も多く残っている。

最初に春が子供相手に説明した毒キノコとそれにそっくりなキノコが、終盤での、しのぶがクヒオ大佐を騙して無理心中する場面につながっていく展開は面白い。
また、ところどころでクヒオ大佐の妄想シーンが、あたかも現実のように使われているなど、よくできた演出になっている。

クヒオ大佐 感想まとめ

露骨な胡散臭さが漂う、クヒオ大佐の存在感自体がとても面白い映画です。
テレビドラマ「リーガルハイ」でも、奇妙でハイテンションな弁護士役を演じましたが、この役は付け鼻とカタコトの日本語から急に流暢な日本語に戻るなど、面白い部分が多いです。
しかもこのクヒオ大佐には、モデルになった実在の結婚詐欺師がいるというから驚きです。

この作品で、監督の吉田大八は日本映画監督教会新人賞の最終候補まで残り、近年では日本アカデミー賞も受賞した「桐島、部活やめるってよ」、「紙の月」の監督も手がけたほど有名になっています。

クヒオ大佐の本名は逮捕されるときに読み上げられているのですが、あまりにも平凡すぎて残らない、という不思議なものになっています。
新井浩文演じる達也と、クヒオ大佐のやりとりが特に面白く、「わざとやっているだろう」とツッコミを入れられるシーンは、何度見ても笑ってしまいます。

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