映画『凶悪』あらすじとネタバレ感想

凶悪の概要:2013年に公開された映画で、原作はベストセラーとなったノンフィクション小説「凶悪-ある死刑囚の告発-」で、実際に起こった事件を元に作られた。主演は山田孝之、監督は本作が初監督作品となる白石和彌。

凶悪 あらすじ

凶悪
映画『凶悪』のあらすじを紹介します。

この作品は、実在の事件を元にしたフィクション映画である・・・
「明潮24」の編集部に、7年前に数々の凶悪事件を起こし死刑囚となった須藤からの告発文が届く。
上司からの命令で話を聞きに行くことになった記者の藤井は、明らかになっていない余罪3件と、全ての事件の首謀者の木村、通称”先生”の存在を告白される。

上司には一蹴されるが、須藤の記憶の曖昧さが気になった藤井は独自に調査を始める。
不動産ブローカーの”先生”の足取りと、須藤が事件の共犯者の名前を思い出した事から取材は進むかに思われたが、共犯者の森田は事故で植物状態になっていた。
上司からは記事にできないと言われ、須藤は記事にならないという藤井の発言に怒りを爆発させる。

だが藤井の執念の取材によって、”先生”こと木村が保険金目的で老人を殺害してきたこと、慕っていた須藤を影で操っていたことなど、おぞましい真実の数々が明らかになる。
藤井と上司は警察に訴えるが、その曖昧な対応を見て、記事を公にすることを決める。
そして木村とその仲間が保険金目的の殺人の容疑で逮捕され、事件を追い続けた藤井の記事は本になり大ヒットする。

痴呆症が進む藤井の母の面倒を見てきた彼の妻は、自分たちを気にも留めずに仕事に没頭し続ける藤井を責め立てる。
やがて事件の裁判が終了し、藤井の母は老人ホームに入る事になった。

凶悪 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2013年
  • 上映時間:128分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー
  • 監督:白石和彌
  • キャスト:山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー、池脇千鶴6 etc

凶悪 ネタバレ批評

映画『凶悪』について、感想批評です。※ネタバレあり

すっきりまとめられたストーリー

序盤からピエール瀧が演じる須藤の犯罪のシーンが流され、中盤になってからどうしてそこまで”先生”に心酔したのかが明らかになっていく。

中盤では”先生”と須藤の出会い、そして犯罪に手を染めていった過去の様子が描かれているが、山田孝之が演じる主人公の藤井が現場にいて驚く表情をするのは、実際に見たわけでもなく大きな手がかりも掴んでいない状態なので違和感がある。

7年前の犯行の一部から始まり、現在は死刑囚となった須藤の告発を裏付けるために躍起になる藤井が掴んだ事実を再び7年前の視点で描いてから、今度は”先生”の裁判そして判決までという、現在と過去を行き来しながら進むストーリーではなく過去と現在に分けられているので、比較的わかりやすく進むストーリー展開となっている。

異彩を放つキャスト

須藤が追いかける死刑囚の須藤とその犯行にフォーカスを当て過ぎており、”先生”こと木村がどうして犯行に手を染めていったのかや、その動機などが全く明らかにされていない。
ドキュメント番組では成立するであろう設定だが、映画としては面白味に欠けてしまう。
またこれといった盛り上がりに欠け、終始極悪非道な犯罪の様子と、それを追いかける記者の様子だけになってしまっている。

キャスティングが素晴らしく、事件に取り憑かれたかのような藤井役の山田孝之の表情や、目の下にクマを作り無精ひげを生やした役作りは徹底している。
その妻役の池脇千鶴の、本を読んだ感想の言葉は見ている側としての意見になっていて、後味こそ悪いが彼女の台詞には説得力がある。
同時期に公開された映画「そして父になる」とは正反対のリリー・フランキー演じる”先生”の、まるで軽い事のように「僕にもやらせて」と言って遺体を切り刻んだり、スタンガン片手に楽しげな表情をするという演技の幅に驚かされ、その手で子供にプレゼントを渡すといった様子が恐ろしい。
脇を固める役者の印象が弱いのが残念だが、記者の藤井、死刑囚の須藤、”先生”こと木村の3人だけでも濃い印象なので、丁度いいとも思える。

凶悪 感想まとめ

2005年に明らかになった、実際に茨城県で起こった「上申書殺人事件」をベースに書かれたノンフィクション小説「凶悪-ある死刑囚の告発-」を原作とした映画。
第37回アカデミー賞をはじめとし、多くの賞を受賞し続けロングランヒットしたことでも名前が知られている作品だ。

当たり前のように犯行を繰り返し、木村の起訴が決まったとたん宗教に入ったりペン字を習い始める須藤、無期懲役が決定した後も顔色ひとつ変えずに藤井と面会する”先生”、裁判が終わってからも事件はまだ終わっていないと決め付けている藤井、それぞれの凶悪さが見える作品。
特に、同時期に公開された「そして父になる」をはじめ、普段は温厚なイメージのリリー・フランキーが凶悪犯のひとりを演じたことも、話題性になった。

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