映画『凶悪』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

映画『凶悪』のネタバレあらすじ結末

凶悪の概要:実際に起こった「上申書殺人事件」と、その事件を暴いて追い続けた経緯を描いたノンフィクション小説を基にした、サスペンスドラマ。死刑囚からの告発文を受け取った記者が、凶悪殺人事件の真相解明に動く。

凶悪の作品概要

凶悪

公開日:2013年
上映時間:128分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:白石和彌
キャスト:山田孝之、ピエール瀧、池脇千鶴、小林且弥 etc

凶悪の登場人物(キャスト)

藤井修一(山田孝之)
雑誌「明朝24」の記者。上司から手紙を押し付けられたことをきっかけに、須藤と面会して、“先生”の事件を追うことになる。認知症の母の介護を妻の洋子に押し付け、事件の真相解明と、事件の被害者のために必死になる。
藤井洋子(池脇千鶴)
修一の妻。自宅で、認知症の修一の母の面倒を見ている。仕事に打ち込むばかりで、母の事を洋子に任せきりの修一に不満を持っている。
須藤純次(ピエール瀧)
最高裁判所に上告中の死刑囚。7年前に強盗、殺人、拳銃所持などの罪で逮捕された凶悪犯。自分の思い通りにならない事があると、面会中でも激昂して暴れる。“先生”だけが普通に生活していることを恨み、“先生”と3件の余罪を表沙汰にしようとする。
木村孝雄(リリー・フランキー)
須藤から「先生」と呼ばれる男。不動産ブローカーをしている初老の男性で、妻と娘がいる。一見、人畜無害そうな顔をしているが、裏では恐ろしい事件を引き起こしていた。

凶悪のネタバレあらすじ

映画『凶悪』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

凶悪のあらすじ【起】

「明朝24」の記者をしている藤井修一は、死刑囚からの手紙を押し付けられた。
差出人の須藤の面会に行った藤井は、誰にも話していない3件の余罪と、首謀者の“先生”という男の存在を打ち明けられる。
須藤は、自殺に見せかけた3件の保険金殺人事件と、“先生”のことを世間に公表してほしいと頼み込んできた。
しかし須藤は、被害者の名前すらうろ覚えだった。

家に仕事を持ち帰った藤井は、認知症の母の介護に疲れた妻の洋子の文句を聞こうともしない。
上司は須藤の話を記事にしないと決めるが、藤井は独自に調査をはじめる。
やがて、生き埋めにして殺された被害者、島神の存在から、不動産ブローカー木村孝雄こと“先生”がいたことが真実だとわかる。

須藤は、1件目の事件の証拠隠滅を手伝わせた、土木建設屋の森田のことを思い出す。
藤井は森田を訪ねるが、植物状態のようになっていて会話はできなかった。

上司から、記事にできないと正式に告げられた藤井は、須藤に謝罪に行く。
すると須藤は暴れ、暴言を吐いた。

凶悪のあらすじ【承】

家庭の問題に目に背を向け、上司の命令を聞かずに取材を続ける藤井。

かつての須藤の恋人に話を聞き、被害者の1人、牛場の存在が明らかになる。
木村や須藤から、無理やりお酒を飲ませられていたという老人、牛場。
殺されたとされる牛場の家族に取材に行くが、保険金を手にしている家族は、事故死だと言い張った。
その後、木村の事務所を見つけた藤井だったが、そこは空き家同然の状態だった。

7年以上前。
木村はそこで老人を殺害し、知り合いだったヤクザの須藤に連絡。
2人は、森田建設の社長の借金を盾に、建設会社の焼却炉で死体を燃やした。

木村の事務所に住み込んでいた日野、須藤の舎弟の五十嵐も仲間に加えた木村と須藤。
島神老人が所有する土地を転売してお金に換えるため、木村が所有する土地に島神を生き埋めにした。
人を殺すときの木村は、楽しそうに笑っていた。

木村たちは莫大な金銭を手に入れ、1億近くの大金を受け取った須藤は“先生”に忠誠を誓った。

電機屋を営む借金漬けの老人、牛場を殺してほしいと家族から依頼された木村。
須藤や木村たちは、保険金目当てに、事故に見せかけて牛場を殺す計画を立てる。

凶悪のあらすじ【転】

牛場に無理やりお酒を飲ませていると、出所してきたばかりの須藤の友人のヤクザ、佐々木が訪ねてくる。
組長に裏切られたという佐々木は、須藤に泣きついた。
そして佐々木のために殺人を犯そうとするが、裏切っているのが佐々木だとわかる。
須藤は、佐々木を手にかけた。

牛場を殺害した木村たちは、証拠隠滅を図る。

須藤は、佐々木が裏切っていた事を知っていただろうと日野を責めた。
五十嵐と一緒に、恋人の部屋に逃げ込んでいた日野を捕まえ、日野の目の前で恋人の女性を殺害。
そして、部屋に火を放った。

指名手配犯になった須藤と五十嵐。
木村は須藤を言葉巧みに操り、五十嵐が裏切るつもりだと思い込ませた。
須藤は五十嵐を殺害し、その後逮捕された。
須藤に、弁護士や差し入れの約束をした木村だったが、実際は須藤を切り捨てた。

須藤の話について調べ上げた藤井は、それをレポートにまとめて上司に報告。
木村をつけ回すが、度を越したために警察に連行されてしまう。

釈放された後、記事の内容を警察に提出した藤井と上司。
警察は相手にしようとしなかったため、上司に命じられて記事を出した。

凶悪のあらすじ【結】

木村に執着し、死刑を望む藤井。
しかし、木村と行動を共にしていた男性が交通事故で死んでしまう。

家に帰った藤井は、洋子から離婚を突きつけられる。
恐ろしい事件の記事を、面白がって読んだという洋子。
そして義母の介護に疲れ、虐待してしまったと告白する。

生き埋めにされた神島の遺体を捜す藤井だったが、それは見つかることはなかった。

牛場の、保険金殺人事件の容疑で逮捕された木村。
そして裁判が始まった。
そこに証人として須藤が出廷し、死刑執行を先延ばしにするために藤井を利用したと言い放つ。
藤井も出廷するが、生きる喜びを感じるという須藤の言葉に激怒する。

死刑囚の須藤には、更に懲役20年の刑が科せられた。
木村は無期懲役だった。

藤井の母は、介護施設に入所することになった。

面会を拒否し続けていた木村が、ようやく藤井との面会を受けた。
藤井は、事件を追い続けることを宣言した。
木村を一番殺したいと思っているのは藤井なのだろう、と告げた木村は、面会を終わらせた。

凶悪の解説・レビュー

すっきりまとめられたストーリー

序盤からピエール瀧が演じる須藤の犯罪のシーンが流され、中盤になってからどうしてそこまで”先生”に心酔したのかが明らかになっていく。

中盤では”先生”と須藤の出会い、そして犯罪に手を染めていった過去の様子が描かれているが、山田孝之が演じる主人公の藤井が現場にいて驚く表情をするのは、実際に見たわけでもなく大きな手がかりも掴んでいない状態なので違和感がある。

7年前の犯行の一部から始まり、現在は死刑囚となった須藤の告発を裏付けるために躍起になる藤井が掴んだ事実を再び7年前の視点で描いてから、今度は”先生”の裁判そして判決までという、現在と過去を行き来しながら進むストーリーではなく過去と現在に分けられているので、比較的わかりやすく進むストーリー展開となっている。

異彩を放つキャスト

須藤が追いかける死刑囚の須藤とその犯行にフォーカスを当て過ぎており、”先生”こと木村がどうして犯行に手を染めていったのかや、その動機などが全く明らかにされていない。
ドキュメント番組では成立するであろう設定だが、映画としては面白味に欠けてしまう。
またこれといった盛り上がりに欠け、終始極悪非道な犯罪の様子と、それを追いかける記者の様子だけになってしまっている。

キャスティングが素晴らしく、事件に取り憑かれたかのような藤井役の山田孝之の表情や、目の下にクマを作り無精ひげを生やした役作りは徹底している。
その妻役の池脇千鶴の、本を読んだ感想の言葉は見ている側としての意見になっていて、後味こそ悪いが彼女の台詞には説得力がある。
同時期に公開された映画「そして父になる」とは正反対のリリー・フランキー演じる”先生”の、まるで軽い事のように「僕にもやらせて」と言って遺体を切り刻んだり、スタンガン片手に楽しげな表情をするという演技の幅に驚かされ、その手で子供にプレゼントを渡すといった様子が恐ろしい。
脇を固める役者の印象が弱いのが残念だが、記者の藤井、死刑囚の須藤、”先生”こと木村の3人だけでも濃い印象なので、丁度いいとも思える。

凶悪の感想まとめ

2005年に明らかになった、実際に茨城県で起こった「上申書殺人事件」をベースに書かれたノンフィクション小説「凶悪-ある死刑囚の告発-」を原作とした映画。
第37回アカデミー賞をはじめとし、多くの賞を受賞し続けロングランヒットしたことでも名前が知られている作品だ。

当たり前のように犯行を繰り返し、木村の起訴が決まったとたん宗教に入ったりペン字を習い始める須藤、無期懲役が決定した後も顔色ひとつ変えずに藤井と面会する”先生”、裁判が終わってからも事件はまだ終わっていないと決め付けている藤井、それぞれの凶悪さが見える作品。
特に、同時期に公開された「そして父になる」をはじめ、普段は温厚なイメージのリリー・フランキーが凶悪犯のひとりを演じたことも、話題性になった。

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コメント

  1. まきまき より:

    二回ほど繰り返し見ました。面白かったです。
    須藤や先生の演技力が高すぎるので本当に嫌悪感が沸きつつ、しかし怖いもの見たさで見てしまうという…。
    これが本当にあった現実の事件だなんて恐ろしくて恐ろしくて。

    死刑囚の手記?というか実際には、主人公の母親の認知症などは全てオリジナルであり
    他のレビューでも「これ必要?」と言われておりましたが
    私も個人的にはいらなかったなと思います…。
    ただこれくらいしないと主人公であるはずの記者が空気になりがちなので
    こういう肉付けも必要だったのかなぁ?

    また須藤は実際には他にも色々と凶悪な犯罪をしており、映画の中で出てきたものは氷山の一角というマジキチさ。
    しかしこの「先生」は実際の人物も映画と同様に相当なサイコパスのようで、本当に怖いです。