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映画『凶気の桜』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『凶気の桜』の概要:山口進・市川勝也・小菅信也は平成維新を謳い、ネオ・トージョーとして渋谷で活動を行っていた。そんな時、ヤクザの青修連合から呼び出しを受ける。山口は初めヤクザと繋がることを嫌がっていたが、会長の青田を父のように慕うようになる。

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映画『凶気の桜』の作品情報

凶気の桜

製作年:2002年
上映時間:122分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ
監督:薗田賢次
キャスト:窪塚洋介、RIKIYA、高橋マリ子、須藤元気 etc

映画『凶気の桜』の登場人物(キャスト)

山口進(窪塚洋介)
ネオ・トージョー(平成維新を謳う)の一員で、リーダー的存在。渋谷で生まれ、渋谷で育つ。両親は離婚しており、母親の実家で叔父と共に暮らしている。青田修三を父のように慕う。喧嘩が強い。
市川勝也(RIKIYA)
21歳。ネオ・トージョーの一員。お金への執着心が、ネオ・トージョーの中で一番強い。実家は裕福だが、1円も貰っていない。
小菅信也(須藤元気)
ネオ・トージョーの一員。山口に対して劣等感を抱いている。青修連合若頭の兵頭に憧れ、青修連合に入る。考えるよりも行動するタイプ。女好き。
青田修三(原田芳雄)
青修連合会長。鬱病を患っており、ドアのノック音にも怯えている。山口進のことを息子のように可愛がる。
三郎(江口洋介)
通称「消し屋」と呼ばれる殺し屋。人を殺すことだけではなく、殺した人間の生きてきた足跡や突然消えた痕跡も全て消すのが仕事。
遠山景子(高橋マリ子)
女子高生。最近増えている自分勝手な日本人に、嫌悪感を抱いている。偶然出会った山口進に、興味を持つ。
兵頭秀次(本田博太郎)
青修連合若頭。青修連合を自分の物にするため、青田会長を始末し、ネオ・トージョーのメンバーを利用する。

映画『凶気の桜』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『凶気の桜』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『凶気の桜』のあらすじ【起】

山口進・市川勝也・小菅信也は平成維新を行うため、ネオ・トージョーという名の組織を作って日夜活動していた。山口達が不満を抱いた連中を片っ端から襲っていった。

ネオ・トージョーの3人は、ヤクザの青修連合若頭の兵頭秀次から呼び出しを受ける。山口はヤクザと繋がりを持ちたくはなかったので嫌がった。だが、会長の青田修三は来れば車をプレゼントすると言っており、物に釣られて市川は行きたがっていた。何より考えなしの小菅に、1人で行かせることに不安を抱いていた。山口は仕方なく事務所を訪れた。

山口達が青田会長の部屋に行くと、1人の男が煙草を吸っていた。その男は三郎と言い「消し屋」と呼ばれる殺し屋だった。「消し屋」は人を殺すことだけではなく、殺した人間の生きてきた足跡や、突然消えた痕跡も全て消すことが仕事だった。三郎は揃いの戦闘服を着て暴れ回る山口達のことを馬鹿にしていた。腹が立った山口は言い返し一触即発となるが、三郎に倒されてしまう。山口は素直に負けを認めた。青田会長は山口に、イデオロギーを磨いておけと言葉を投げかけた。

山口達は青田会長から貰った車を自分達で塗装し、夜のパトロールに乗り出した。しかし、人が混雑していたため、中々前に進まなかった。3人は車内で、三郎の凄さについて話し合った。喧嘩に強い山口が一瞬で後ろを取られ、市川と小菅が動かないように睨みを利かせていたのだ。

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映画『凶気の桜』のあらすじ【承】

山口は突然男達に囲まれ、殴られる。隙を突いて逃げ出すが、男達も後を追ってきた。山口は公園に座っていた女子高生(遠山景子)の傍にクロス(ラクロスの競技に使う網の付いた棒)が置いてあるのに気づき、遠山に声を掛けてクロスを借りると男達を倒した。山口がクロスを持ったまま公園を出て行ってしまったため、遠山は慌てて後を追いかけた。遠山はクロスを返してもらうが、なぜか山口のことが気になり、去って行く山口を呼び止めた。山口は仕方なく遠山を車で送って行くことにした。

山口は煙草のラッキーストライクの箱を見ながら、夕日の中、青田会長としゃべった日のことを思い出した。山口と青田会長は、アメリカの考えに汚染されている現代の日本を憂いていた。山口がアイスクリームを食べているのを見て、青田会長はアメリカに汚染されていると指摘した。だが、山口はアメリカから来た食品は、美味しくて好きだと言い返した。青田会長はそんな素直な山口の言葉を、思わず笑った。

遠山はバスに乗車中、子供を抱えた母親が倒れそうになっている場面に遭遇する。近くの席に座っていた男性に声を掛、席を譲ってほしいと頼むが、その男性は鬱陶しそうな表情をして寝たふりをした。遠山は親切心の欠片もない日本人の現状を憂いた。その後、道路で人を殴っている山口を見かける。山口はレストランで騒いでいた若い男女に腹を立て、シメていたのだ。遠山は口頭で注意すればいいのではと山口に提案し、友人に呼ばれるまま帰って行った。

山口達は青田達と焼き肉を食べに行った。そこで、皆それぞれ交流を深めた。市川は三郎との会話を楽しみ、小菅は兵頭から組に入ることを勧められる。また、山口は叔父のことを青田会長に相談していた。中学の頃から一緒に住んでいるのだが、精神的に不安定なときがあって、刃物を持って家の中を練り歩くことがあるのだ。そんな酷いところもあったが、山口はその叔父のことが好きだった。話を聞いた青田会長は、今度家に来いと山口を誘った。

映画『凶気の桜』のあらすじ【転】

山口達はクラブ「グリンゴ」で麻薬を売り捌いているとの情報を得て、襲撃した。外に出て屈強な外国人達と戦っていると、その場に偶然遠山が居合わせてしまう。皆山口の車に乗り込み、急いでその場を後にした。だが、小菅は喧嘩がし足りなかった。さらに、女嫌いを公言していていつも自分を馬鹿にしている山口が、女を助けたことも気に入らなかった。山口と小菅は車から降りると、殴り合って喧嘩をした。その結果、小菅は山口に負けてしまう。山口に対して劣等感を抱いていた小菅は、山口の元から去る決意をする。

山口と市川はクラブを襲撃した件で青田会長に叱られる。あのクラブは青修連合と敵対している、小西組が仕切っている場所だった。さらに、山口達が青田会長達と関わりがあることで、青修連合が攻撃を仕掛けたと思われていた。山口は事情を説明しに行くと申し出るが、そんな簡単に解決できる話ではなかった。兵頭はこの際、自分達が攻撃を仕掛けたことにした方が、ダメージが少ないのではないかと申し出た。青田会長は兵頭の考えに乗った。すると、兵頭の部下が市川に、三郎への使いっ走りを頼んだ。

小菅は青修連合に入り、兵頭の下についていた。山口はその姿を見て驚く。小菅は組織の中で上り詰めようとしていた。山口は自分達が青修連合に利用されているのではないかという考えを持つが、小菅には何も答えられなかった。山口は青田会長に文句を言いに行った。だが、青田会長にも最近の兵頭が何を考えているのか読めずにおり、止められずにいた。小西組の麻薬のショバを買い取る話まで出ているのだ。青田会長は個人的にしばらく自分の手助けをしてくれと山口に頼んだ。青修連合の者達は兵頭の息がかかっているため、信用できないのだ。山口は口を閉ざし、悩んだ。

映画『凶気の桜』の結末・ラスト(ネタバレ)

青田会長はショバの売買の話をするため、兵頭と共に小西の組を訪れた。だが、青田会長は具合が悪く、上の空だった。結局話は纏まらなかった。会合の後、青田会長は山口の顔を見て、誰だと尋ねた。山口はその言葉に困惑するが、青田会長はすぐに山口のことを思い出した。

山口が遠山と街で遊んでいるときに、市川とばったり会う。しかも、市川の近くには三郎の姿があった。あれから、市川は三郎と一緒におり、ホテルに泊まっているとのことだった。市川は話しているとき、手の痒みを訴え掻いていた。山口は三郎に市川をどうする気なのか真剣に尋ねた。山口は市川が消し屋の仕事を覚えることを望んでいるから一緒にいるのだと答えた。だが、山口は三郎に対しての不信感を拭えずにいた。遠山はそんな山口の姿を見て、何かが起こりそうな予感がして不安になる。

三郎は市川が着ていたネオ・トージョーの制服を着て、小西組組長を襲撃する。手には市川から採取した指紋で作った、ゴム手袋のようなものを嵌めていた。兵頭は薬によって意識が朦朧としている市川に催眠術をかけ、自首を強要した。市川は自首し、警察に連行されてしまう。全て兵頭が仕組んだことだった。だが、山口だけは市川の無実を信じていた。

兵頭は小菅に山口を襲撃することを指示するが、小菅はできないと拒んだ。すると、兵頭は代わりに「グリンゴ」にお金に持って行き、外国人に謝罪して来ることを指示した。一方、山口は青田会長と話し、市川が兵頭に嵌められたことを知る。山口は青田会長に協力の辞退を申し出た。青田会長も山口の思いを汲み、承諾した。青田会長は自分が鬱病であることを打ち明けた。そして、暴力で解決していると、ドアのノックの音でさえも恐怖心を抱くようになると忠告し、復讐するなと山口を諌めた。青田会長は餞別代りにと、長曽根虎徹の偽物を贈った。

三郎は自殺に見せかけ、青田会長を始末した。一方、小菅は外国人達に襲われ、下半身不随になっていた。山口は刀を使って兵頭を襲い、右手を切り落とした。すると、カーテンの裏から刀が飛び出してきて、兵頭は殺されてしまう。カーテンの裏から現れたのは三郎だった。青田会長が死ぬ前に兵頭の殺しを依頼しており、本物の長曽根虎徹を対価として贈っていたのだ。山口は三郎に切りかかるが、三郎は兵頭の手を使ってそれを阻止した。三郎は仕事にならない山口を殺す気はなく、隙を突いて姿を消した。山口は雄叫びを上げながらその場を飛び出した。後にはネオ・トージョーの制服の上着が残っていた。

映画『凶気の桜』の感想・評価・レビュー

若者映画らしい疾走感と挑戦心にあふれた映画。当時若者だった自分にはそれなりに面白さを感じたが、映画として冷静に観れば深みがあるわけではない。単純なバイオレンス映画の一つだろう。それでも成立しているのは、主演の窪塚洋介の役へのはまり具合いが抜群な事と仲間を演じたRIKIYAと須藤元気のいかにも強そうな体躯によるものが大きい。せめてストーリーか敵役にもう一つ魅力があれば化けたかもしれない。(男性 30代)


窪塚洋介主演、アウトローたちの物語。
主人公の山口たち三人組はネオトージョーと名乗り、勝手に渋谷の治安を守っている。しかも暴力で。しかし、いくら喧嘩が強くても、上には上がいて、ヤクザや殺し屋から目をつけられてしまう。それでも己を貫く山口たちだが、三人組にも徐々に亀裂が入り、バラバラになる。
登場人物それぞれに正義があり、それぞれの形で貫こうとするも、暴力では何も解決しないということがよく伝わる。
山口が偶然出会った景子との会話の中で、ふとした時に見せる優しさや、意地を張ってしまう部分も、人間がよく描かれていると感じた。(男性 40代)


『池袋ウエストゲートパーク』でKINGを演じた窪塚洋介はこういうアウトローな役が本当に似合います。今作の山口の役柄も彼以外に考えられないほどハマり役でした。
脇を固める須藤元気やRIKIYAなど「格闘家」っぽい面々はヤンチャで若いストーリーの中に屈強な男として凄味を出していたと思います。
山口を可愛がる会長を原田芳雄が演じることで一気に「ヤクザ」らしさが高まっていたのも良かった点です。
心に残るストーリーではありませんが、とても面白かったです。(女性 30代)

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