映画『リトル・マエストラ』あらすじネタバレ結末と感想

リトル・マエストラの概要:石川県の過疎化した港町のアマチュア・オーケストラの再起をかけて、オケメンバーと女子高生指揮者の交流を描いた作品。主人公の女子高生指揮者を演じるのは有村架純。

リトル・マエストラ あらすじネタバレ

リトル・マエストラ
映画『リトル・マエストラ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

リトル・マエストラ あらすじ【起・承】

石川県、志賀町福浦、江戸時代は栄えていた港町だったらしいが、今はさびれて過疎化が進み、人口は減っている。そんな福浦の人々の楽しみは、アマチュア・オーケストラだった。町民によって構成されるオケの歴史は数十年である。
だが、オケの指揮者である吉川の急死と、役所からの援助の打ち切りによってオケは存続の危機にさらされていた。そこで、オケのコンミスであるみどりは生前の吉川から聞いていた彼の孫娘・美咲に指揮者を頼むことを提案する。
吉川は若いころ、世界的有名指揮者マエストロ・オルフェンシュタインの弟子であり、将来を期待されていたが、指揮者をやっていくために必要な聴力を失ってしまった。それで世界デビューを諦めたという。そんな吉川の孫娘・美咲も天才的な才能を持っており、事故でヴァイオリン奏者の道を絶たれてからは指揮者に転向し、ジュリアードの指揮科で学ぶ天才マエストラだというのだ。冬休み中だけという条件で、承諾を得る。

しかし、現れた美咲はイメージと全く違う少女だった。髪を染めた派手なファッションという出で立ちで、口も悪い。しかも、吉川の話はほとんど嘘で、美咲は高校のブラスバンドの指揮者でしかなかった。
みどりは心配するが、美咲は制服に着替えて髪を黒染めし、お出迎えしたオケのメンバーの前では清楚に振る舞った。

天才マエストラではないが、美咲の指揮者としての耳は確かだった。しかし、技術からなにから酷いオケの面々に冷たく事実を突きつけることはせず、当たり障りのない指導をしてもてはやされる。

ところがある日、オケの練習場にしている漁協にかかってきた電話によってウソがばれてしまう。美咲は高校のブラスバンドで「楽器も演奏できないくせに偉そう」とハブられていた。同級生たちがからかうために電話してきていたのだった。
正体がばれた美咲はオケのメンバーに詰め寄られ、カッとなってオケ全体、そして一人一人のだめなところを一つ一つぶちまけ、「ここに本当の音楽なんてない」と言い放つ。
みどりには平手打ちをくらわされ、オケのメンバーからは完全に怒りを買ってしまった。

リトル・マエストラ あらすじ【転・結】

美咲の家が音楽一家だということに間違いはない。ただ、優秀な家族の中で唯一美咲だけなんの楽器も演奏できず、それでも音楽が好きでやってきたのが指揮者だった。それを同じ部活のメンバーに馬鹿にされ、傷ついてここまでやってきた。

オケのメンバーは美咲に言われたことに腹を立てつつも、本当のことだと分かっている。楽器を手放そうとする者もいた。

唯一音大出身で、オケの現状を冷静に見つつ、美咲の気持ちもわかるみどりはどうしていいかわからなかった。そんな時、ティンパニ奏者のタツ爺が助け舟を出す。
みどりは、バスに乗って帰ろうとする美咲を引き留める。

美咲がここに来たのは、傷ついた時自分を必要としてくれるオケがあることに救いを感じたからだった。もう一度オケをやり直すため、みどりと共に立ち上がる。

オケメンバーが一番好きなエルガーの「威風堂々」を勉強した美咲は、楽譜を作曲家からの手紙であると思い、メンバー一人一人にパート譜を渡す。
今まで、すべてのメンバーが同じ主旋律を奏でるというめちゃくちゃな演奏をしていたオケだったが、美咲の話を聞いてまたオケに戻る意思を固める。

練習を重ねてコンクール当日を迎えるが、その日はオケのメンバーで高校生の大野正也が出るバスケの試合日でもあった。正也は高校最後の部活のため、そして祖父の岩雄は孫の応援のため、コンクール出場を諦めていた。

出番までもうすぐという時、テレビ中継で大野のバスケ部を応援する人たちを乗せたバスが落石で立ち往生していることを知る。しかも、大野のチームは劣勢だった。
オケメンバーはコンクールよりもバスケを応援することを選び、会場を出る。

その後、バスケの試合は負けに終わるが、テレビ中継でオケを観た人々からオファーが殺到し、オケは存続の危機を免れるどころか人気者になってしまった。
役目を終えた美咲は、来た時とは違う明るい気持ちで町を出ていった。

リトル・マエストラ 評価

  • 点数:40点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★☆☆☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:2012年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:音楽、コメディ、ヒューマンドラマ
  • 監督:雑賀俊郎
  • キャスト:有村架純、釈由美子、蟹江敬三、篠井英介 etc

リトル・マエストラ 批評・レビュー

映画『リトル・マエストラ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

映画として残念

多くの人が思うことだと思うが、この作品は冒頭から説明ナレーションが長い。みどりを演じる釈由美子がナレーションで、街の現状などを長々と語る。
映画やドラマは、必要な説明を映像で伝えるものである。これが最近の邦画の甘えだと思う。
小説でもそれは言える。映像作品がない時代、文章でいかに情景を語るかが小説の良し悪しを左右したが、今や売れる小説は映像化するし、こういう時代に生きているとそういったところに力を入れず、読者に委ねて甘えてしまう。映画ではそれの逆転現象が起こってしまっているのだ。
もう冒頭数分だけで残念なことが分かる。

予想ができる展開に、豪華キャスト

この映画はどうやら町おこしも兼ねた作品らしく、なるほどストーリーも作りこまれておらずお遊戯会のようだと思ったのだが、キャストだけは豪華である。前田吟、蟹江敬三など。そのためか、オケのメンバー数人に関してはストーリーの主軸とは別にサイドストーリーがあり、それが長い。それぞれが事情を抱えていて、感動的な話ではあるが、本当に必要だったかといえばそうでもないような気がする。
下手くそオケに秘密を抱えた指揮者がやってきて、なんだかんだで団結してコンクールを目指す。もう最初の20分くらいで予想できるストーリーである。それはそれで、感動が約束されているのでまあいい。
が、細部の演出にはもう少しこだわってほしかった。

ツッコミどころが多い

問題点を挙げればきりがないが、とくに音楽シーンについては酷いと思った。元々、オケはオケとして成り立っておらず、とてもまとまりそうもない演奏だった。それがどう練習したのかは全く流れなかったが、どうにかこうにかコンクールに出られるほどにはなったらしい。
が、バスケの応援で演奏が始まった時に驚いた。ちゃんと演奏になっている(笑)これはもう練習を頑張ってどうにかなるレベルではなく、ちゃんとした演奏者が演奏したものだということがすぐわかる。演奏は石川県のオーケストラ・アンサンブルが務めているようだが、あのオケの演奏としてやるならもうちょっと考えるべきである。
オケの演奏はラストシーンにもあるが、演奏技術だけでなく、編成がおかしい。流れている音楽は明らかに大規模なオーケストラで、均整がとれている。しかし映像では少ないメンバーが演奏している。もうこれには笑ってしまった。

リトル・マエストラ 感想まとめ

良い所を挙げるよりも残念なところばかり思い付く。有村架純の演技は良かったが、みどり役については、釈由美子の他に良い役者はいなかったのかと思う。ナレーションはもう指摘したが、演技は相変わらずだし、ところどころ何のプロモーションビデオかと呆れかえるような釈由美子のシーンがあり、それがこの作品の質を下げるのに一役買ったのではないかと思う。
ストーリーは簡潔ではあったが、最後、美咲が高校に戻ってどうするかというところは触れておくべきところだったのではないかと思う。

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