映画『招かれざる客(1967)』あらすじネタバレ結末と感想

招かれざる客(1967)の概要:『招かれざる客(1967)』(原題:Guess Who’s Coming to Dinner)は、白人と黒人という、人種の違う者同士の結婚をめぐるストーリー。ハワイで出会った二人はすぐに結婚を決意するが、突然知らされた家族は驚き葛藤する。

招かれざる客(1967) あらすじネタバレ

招かれざる客(1967)
映画『招かれざる客(1967)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

招かれざる客(1967) あらすじ【起・承】

サンフランシスコ空港に、一組のカップルが降り立つ。一人は黒人の青年で、一人は白人の若い女性。青年は世界的に名の知れた医者・ジョンで、公演に行ったハワイで白人女性・ジョーイと出会い恋に落ちたのである。二人はすぐに結婚を決め、今ジョーイの両親にあいさつをするためにサンフランシスコにやってきた。

自宅で娘を迎えた母・クリスティは、結婚の話も初耳で、しかも相手が黒人男性ということで戸惑いを隠せなかった。しかし、幸せそうに二人の出会いを語るジョーイを見て、考えを変え、二人を応援しようと決める。
あからさまに嫌悪感を示したのは、メイドで黒人のティリーだった。「お嬢さんをだましてどうするつもりか」と態度に示し、ジョンを認めようとしない。帰宅した屋敷の主人・マットには真っ先に「問題が起こった」と告げた。

マットははじめ、友人としてジョンを紹介されるが、彼が娘の恋人であることはすぐわかる。新聞社をおこし、リベラリストとしてジョーイが小さいころから「差別はよくない」と教えて来た手前、表立って反対することはしないが内心戸惑っている。

招かれざる客(1967) あらすじ【転・結】

ジョンは、ジョーイに比べてこの結婚を現実的に捉えており、人種が違う者同士の結婚がどう思われるのかもよくわかっている。そのため、マットとクリスティ両方の承諾なしには結婚しないと宣言した。
しかし、二人が考える猶予はわずか数時間だった。
ジョーイは両親が結婚を認めてくれたとすっかり思い込んでおり、旅支度を始めていた。実は、ジョンは翌週からジュネーブで働くことが決まっており、ジョーイはそれについていくつもりなのだ。ジョンは今夜の飛行機でジュネーブに向かうが、ジョーイもそれに合わせて出かけるつもりなのである。
おまけに、結婚の話を聞いたジョンの両親もやってくることに。

当然、両親は相手が白人女性であることに驚く。夕食の席には両家六人と、マットの友人で神父のライアンが同席した。

両家の母二人は、同じ意見だった。この先に困難あったとしても、二人の幸せを思えば反対はできないと。
しかし、父同士も反対するという意見で考えは一致していた。
母親二人は、反対する父親二人を説得する。男は年をとって、若いころの情熱を忘れてしまう、と。
マットはそれを聞き、まだ自分だって昔の情熱を忘れたわけではないと思い出す。今の二人を見て、昔の自分の情熱と重ね合わせ、ついに二人の結婚を認めることを決意する。

両家はようやく落ち着いて夕食の席につくのだった。

招かれざる客(1967) 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1967年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
  • 監督:スタンリー・クレイマー
  • キャスト:スペンサー・トレイシー、キャサリン・ヘプバーン、シドニー・ポワチエ、キャサリン・ホートン etc

招かれざる客(1967) 批評・レビュー

映画『招かれざる客(1967)』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

人種差別問題をテーマに

白人と黒人の結婚という問題を中心に据えて、人種差別問題を扱った作品である。当時、作中のセリフによれば、州によっては白人と黒人の結婚は違法であったらしい。そういう背景からしても、たとえ合法であってもこの結婚がどういう未来をもたらすか、両親が心配するのも当然かもしれない。
リベラリストで、人種差別は恥ずべき事だと頭では思いつつも、自分の子が関わるとなれば話は別。ジョンがどれだけ高名な医師かということも知ってはいるが、認められない。こういうマットの葛藤は、潜在的に差別意識を持っているからではないだろうか。
新聞社を経営する白人の金持ちで、家のメイドは黒人女性なのである。まずここからして、人種差別意識がない人物として描いているようには思えない。
話は少々変わるが、この黒人メイドのティリーも結婚に反対しているということも興味深い。黒人自身にも、黒人に対する差別意識はあるのである。日本人の白人コンプレックスと似た感じだが、それよりもさらに根深い。

登場人物すべてがステレオタイプなのも気になる。父親は簡単に意志を変えない頑固者で、母親は理解を示して柔軟、娘は奔放、メイドは黒人……などなど。
それだけにわかりやすく、まさにアメリカ社会の縮図といった感じである。

劇的な展開はないのに感動は大きい

この作品は、ほとんどが屋敷の中の会話のみで構成されている。劇的なシーンなど一つもなく、淡々と会話が進むのみであるのに、全く飽きない。
特に両親が子供たちの結婚を認める決意をする過程は全く違和感がなくて、こういう風に運べば確かにそうなるだろうと思える展開でよかった。
母親役のキャサリン・ヘプバーンはオスカーを4度手にした女優で、娘の思いにも理解を示しつつ、夫の意志をくじくようなこともせず、成り行きをただ見守るという演技はすばらしかった。

招かれざる客(1967) 感想まとめ

映画としてはかなり地味ながらも、ウィリアム・ローズの素晴らしい脚本や、名優スペンサー・トレイシー、そしてキャサリン・ヘプバーンの演技によって感動的な作品となっている。ジョーイの両親を演じたスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンはこの作品以外にも何度も共演しており、名コンビで、夫婦として息の合った演技だった。スペンサー・トレイシーはこの映画の撮影が終わった直後に亡くなっているが、最後の作品として申し分のない作品だっただろう。

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