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映画『ミケランジェロの暗号』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ミケランジェロの暗号』の概要:『ミケランジェロの暗号』(原題:Mein bester Feind)は、ナチス・ドイツ占領下のオーストリアで、ミケランジェロのモーゼ素描をめぐるユダヤ人画商の青年と軍とのかけ引きをコメディタッチで描いた作品。

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映画『ミケランジェロの暗号』 作品情報

ミケランジェロの暗号

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:戦争、コメディ
  • 監督:ヴォルフガング・ムルンベルガー
  • キャスト:モーリッツ・ブライブトロイ、ゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウス、マルト・ケラー etc

映画『ミケランジェロの暗号』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『ミケランジェロの暗号』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ミケランジェロの暗号』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ミケランジェロの暗号』 あらすじ【起・承】

1930年代。ユダヤ人画商のカウフマン一家は、オーストリアに複数の画廊を持つ裕福な一族だった。
当主の息子ヴィクトルには、幼いころから一緒に育った家政婦の息子ルディという親友がいた。ルディは家族と同じように育てられていた。しばらくドイツに行っており、ヴィクトルの母を心配させていたが、1938年、オーストリアに戻って来る。

ある日、ヴィクトルは、一家に伝わるミケランジェロのモーゼ素描の場所をこっそりルディに教えてしまう。その絵は、元々ローマ法王が所有していたもので、数百年前に盗まれたものだった。国家レベルの宝で、ナチス・ドイツはイタリアとの同盟のためにのどから手が出るほど欲しいものだった。

昔から裕福なカウフマン家に嫉妬し、仲良くしながらもヴィクトルに劣等感を持っていたルディは、ナチス・ドイツに傾倒していた。そして、親衛隊(SS)に入るため、絵の在りかを軍に密告してしまう。

ヴィクトルの父はルディに絵の場所を教えてしまった事を聞き、事前に絵を別の場所へ移し、画家に模写を数点書かせていた。
軍が絵を没収しに来ると、当主はスイスへ渡ることを条件に贋作を渡したが、軍はスイスから絵を取り戻すために訴えられることを恐れ、一家を強制収容所へ送る。

ルディは彼らが強制収容所送りになることには困惑したが、裕福な一家と使用人の自分の立場が一瞬で逆転したことに優越感を覚える。ヴィクトルの恋人レナまで奪ってしまうのだった。

しばらくして、ミケランジェロの絵でイタリアとの条約が結ばれようとしていたが、イタリアの鑑定士によって絵が贋作であることがわかり、本物をすぐに手に入れるためにヴィクトルが呼び出される。ルディが彼をウィーンまで連れていく役目を負うが、彼らが乗った飛行機が襲撃され墜落する。三人の乗員のうち、ヴィクトルとルディは生き残るが、ルディは足を負傷していた。二人は小屋に逃げ込むが、パルチザン(ナチスに対抗する非正規軍)がやってくるかもしれないと、ヴィクトルはルディに制服を脱ぐように提案する。攻撃を恐れたルディは喜んで強制収容所のボロボロの服を纏う。しかし、やってきたのはナチスだった。小屋の裏手でそれを知ったヴィクトルは、自分が制服を着て現れる。
ナチスは制服を着たヴィクトルをルディだと思い、ボロを纏ったルディをユダヤ人だと思って暴力を加える。

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映画『ミケランジェロの暗号』 結末・ラスト(ネタバレ)

誰も気づくことなくそのまま過ごし、(偽)ルディが(偽)ヴィクトルに尋問することになった。
実はヴィクトル自身絵の在りかなど分かりはしないのだが、ハッタリをかまし、(偽)ヴィクトルに吐かせたことにし、「本物はスイスの銀行にある」と言った。これに乗じてスイスへ渡り、母がいないと金庫を開けられないと言って母も呼びだし、ナチス占領下から逃れようという策だった。
ルディが「自分がルディだ」と主張するため、確認のために婚約者であるレナが呼ばれたが、二人を前にしたレナは状況を瞬時に理解し、愛するヴィクトルを「ルディ」だと言った。
レナの助けもあって作戦は順調に進み、スイスへ飛ぶが、途中で事実がばれてしまう。
レナと母親は無事スイスに到着して逃亡に成功するが、ヴィクトルはそのまま自宅への捜索へ向かう。
しかし、なかなか絵は見つからない。その時、ヴィクトルは強制収容所で亡くなった父に伝言を託されたという男のことを思い出した。「視界から私を消すな」という謎の伝言だった。
ヴィクトルは、家に父の肖像画がないことに気付く。
ルディに尋ねると、目が嫌でレナに外させたという。しかし、これでピンときたルディは、当主がルディの荷物だといって渡したトランクを探り始める。
昔、ユダヤ人は手荷物検査が厳しかったためアーリア系であるルディの荷物に絵を紛れ込ませたことを思い出したのだ。
トランクの中からミケランジェロの絵が出て来た。ついにヴィクトルは不要の存在になってしまった。

だが、時を同じくして条約を結ぼうとしていたイタリアのムッソリーニ政権は倒れた。絵は無用になってしまった。
そしてナチス・ドイツも崩壊し、終戦を迎えた。

平穏を取り戻したヴィクトルはレナと結婚した。ルディには逃がしてもらう代わりとして画廊を譲渡し、戦争が終わって画廊はオープンの日を迎えた。ヴィクトルは父の肖像画を買い戻すために行くが、ルディはあっさりただで譲ってくれた。
その時、オープンの目玉としてミケランジェロの絵もオークションにかけられていたが、イタリア人鑑定士によって贋作であることが明らかになる。

なんと、本物は父の肖像画の裏に隠されていたのだ。ルディはすぐに気が付くが、ヴィクトルたちは画廊を後にしていた。

映画『ミケランジェロの暗号』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ミケランジェロの暗号』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

暗いだけの戦争映画ではない

ユダヤ人が主人公、ナチス・ドイツ占領下とくれば、ユダヤ人迫害の苦痛な映画なのかと思っていた。そのくせタイトルが『ミケランジェロの暗号』なので、頭の中は「???」である。絵画と暗号とくれば、『ダヴィンチ・コード』のような謎解きサスペンスを思い浮かべてしまう。それがどうにも戦争と結びつかなかったのだが、どうやら邦題のせいらしい。日本では原題とは全くちがうタイトルをつけることでかなり悩まされるが、本当にいい加減にしてほしい。原題を直訳すれば、「私の最良の敵」である。作品にふさわしいタイトルである。映画後半になって「なるほど」とその意味がわかる。
SSとユダヤ人、立場は正反対で、ルディはヴィクトルを蔑み、ヴィクトルはルディを恨んでも、どこか振り切れない。親友だった過去を忘れることはできない。
そんな思いが後半には表れている。

服を交換してからの展開は本当にコメディで、あの戦時中にこんなことがあっていいのかと思うほどだが、やりとりが上手い。
ナチス・ドイツ軍と言えば、機械のように統率がとれている印象があり、極悪非道、人間味がない、とにかく悪い印象しかない。『戦場のピアニスト』ではユダヤ人に対しても敬意を払う善良なドイツ人が描かれたが、この映画では善良さではなく滑稽さが強調されている。初対面だから気付かないにしても、ユダヤ人とSSが入れ替わっていることに気付かないとは皮肉なことである。優生思想を語り、自分たちが優れた民族、ユダヤ人を劣った民族という癖にその違いにも気づけないのである。実際、「ユダヤ人」を定義づけるのは難しいところがある。

ラスト、本物のミケランジェロの絵をかっさらう場面もいい。事実に気付いたルディは慌ててヴィクトルとレナ、母親を目で追うが、彼らは既に本物を確認した後。画廊の外を歩くヴィクトルはまさにどや顔で、ルディと目が合うとウインクする。
そんなヴィクトルに対して、ルディもくやしさを表面に出したりしない。ひねくれた小者とはいえ、親友を陥れた罪悪感はある。「しょうがないか」という顔をして、映画は終わる。
このラストシーン、簡単に予想できるのだが、今までされてきたことを思えばスッキリするし、ヴィクトルの表情もルディの反応も最高である。

映画『ミケランジェロの暗号』 まとめ

戦争映画はこうあるべき、ナチス・ドイツは「完全なる悪」として描くべき、小説にしろ映画にしろ、ほとんどの作品が同じように決まった形で第二次世界大戦を描いてきた中で、かなり挑戦した作品だと思う。ナチス・ドイツの描き方に関しては、特に西洋では神経質になる。ヒトラーに関する映画作品は最近もかなり制作され、コメディ要素のある作品もつい最近公開されたが、やはり「ナチス・ドイツ」で笑いをとろうなど、タブーである。話題に出すのもためらわれるほど。
しかし、この作品は限界まで挑んでいる。やはりナチスをどこまでコミカルに描くか、その境界線には苦労したらしい。苦労の成果は出ている。ナチス・ドイツ(SS)だって人間。失敗はするし、人間らしさはある。

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みんなの感想・レビュー

  1. 石村 八重子 より:

    本当にうれしい映画だった。おしゃれ!さすがと思った。女優さんもとてもよかった。
    こんないい映画みんなみるチャンスがあったらいいね。