映画『マネー・ピット』あらすじとネタバレ感想

マネー・ピットの概要:「マネー・ピット」(原題:The Money Pit)は、1986年のアメリカ映画。監督は「シティヒート」のリチャード・ベンジャミン。スティーヴン・スピルバーグの製作総指揮。主演はデビュー間もない「スプラッシュ」で人気を博し、その後本作以降、徐々に演技の幅を広げ、二度のオスカーに輝いたトム・ハンクス。共演には「おかしなおかしな石器人」、「ラブ IN ニューヨーク」などのシェリー・ロング。他にはアレクサンドル・ゴドゥノフ、ジョー・マンテーニャ、フィリップ・ボスコなど。

マネー・ピット あらすじ

マネー・ピット
映画『マネー・ピット』のあらすじを紹介します。

弁護士のウォルター(トム・ハンクス)と、オーケストラのヴィオラ奏者アンナ(シェリー・ロング)は、貧しいながらも楽しい同棲生活を送っていた。その住まいはアンナの前夫で、世界的な指揮者マックス(アレクサンダー・ゴドノフ)の超豪華なアパートだった。一年の予定でマックスが演奏旅行している間、彼の許可を得て部屋を借りていたのだが、予定を早めて突然マックスが帰国したため、二人は部屋を追い出されてしまう。貧しい二人が買える家など見つかる筈もなかったが、そんな中でウォルターの友人である不動産屋のジャック(ジョシュ・モステル)が紹介してくれた物件は、洒落た二階建の豪邸であり、調度品も素晴らしく値段も信じられないほど安かった。二人は契約を済ませ即座に新居へと移ったが、新居へ到着して間もなく玄関のドアが外れ、電気はショートし、水道の蛇口からは泥水が噴き出し、階段は崩れ落ちてしまう。見た目と裏腹なその家は、手の施しようがないほど朽ち果てていた。大修理を行う羽目になった二人は金策に奔走する。自分たちでは工事もままならず、大勢の職人による改修工事が始まったが、次から次へと修理箇所が出現し作業は一向に捗らない。二人の仲も険悪になり始め、マックスはアンナとの復縁を迫り、弾みのように一線を越えてしまう。ウォルターはその事実を知り大喧嘩へと発展する。それに拍車を掛けるように足場が次々と倒れ、工事現場は元の木阿弥と化し、二人は為す術もなく立ち尽くすしかなかった。極限の忍耐を強いられながらも工事はやがて終了し、家は奇跡的に生まれ変わった。ウォルターとアンナはそこで別れようとしたが、二人の仲もいつしか修復され、再び強い愛で結ばれるハッピーエンドを迎えた。

マネー・ピット 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1986年
  • 上映時間:92分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:リチャード・ベンジャミン
  • キャスト:トム・ハンクス、シェリー・ロング、アレクサンダー・ゴドノフ、モーリン・ステイプルトン etc

マネー・ピット ネタバレ批評

映画『マネー・ピット』について、感想批評です。※ネタバレあり

恐怖のビフォーアフター

中古物件というものの恐ろしさを過剰な演出で描いたコメディ。ロックミュージシャン専門の弁護士に、オーケストラのヴィオラ奏者というカップルが、将来の夢を抱いて家を手に入れる顛末を描く作品だが、苦労して手に入れた物件は崩壊寸前。そして修理をするのに莫大な費用が嵩む、正しく”金食い虫”の名に恥じない恐怖の物件だった。いっそのこと取り壊してこじんまりとした新居を建てた方が費用はかからないという感があるのだが、一旦意地になった人間の気持ちは、そう簡単に覆るものではない。若き日のトム・ハンクスも、その相手役であるシェリー・ロングも見事な熱演を見せる中、崩れて行く家の細かな崩壊シーンの描写も素晴らしい。

合い言葉は「二週間」

家を修復する職人たちに、後どの位で完成するかと聞けば、皆が口を揃えるように「二週間」と返事をする部分が妙にツボにはまる。工事が順調に進まずトラブルが起こる度に工期も二週間延びて行くのだが、どこかこの映画のキーワードのような響きが頭から離れなくなる。家の完成に近づくに連れ、互いの関係が崩れて行く皮肉なストーリーだが、極限状態の中での恋愛関係が長続きしないという展開が、住居の修復と反比例するように不幸なクライマックスへと向かうシナリオも秀逸である。大勢の職人に囲まれて繰り広げられる痴話喧嘩の中でも、小さな笑いを拾うように描かれる部分が切なくもある。エンディングはお約束のようなハッピーエンドだが、一体この修復費用がどれくらいかかったのかが最後まで気になる部分でもある。

マネー・ピット 感想まとめ

借金を息子に押しつけてブラジルへ逃げていたウォルターの父が最初と最後に出てくるのだが、実はその物件を巡るカラクリと同じような、新しい展開が待ち受けているという、もう一つのストーリーが他所では始まっているのである。物語のハッピーエンドの後に、そのような思わずニヤけてしまうハプニング演出が心憎い。リチャード・ベンジャミン監督に、スティーブン・スピルバーグの制作総指揮という贅沢なスタッフの作品には、今観ても色褪せない楽しさが溢れており、フレッシュなトム・ハンクスのキレキレの演技も存分に堪能できる、裏の名作という表現がピッタリのコメディである。

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