映画『もうひとりのシェイクスピア』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

映画『もうひとりのシェイクスピア』のネタバレあらすじ結末

もうひとりのシェイクスピアの概要:無学の手袋商人の息子でありながら、史上最高の劇作家として名高いウィリアム・シェイクスピア。その正体をオックスフォード伯とした説に基づき、史実とフィクションを巧みに織り混ぜた、息もつかせぬストーリー展開は見事。

もうひとりのシェイクスピアの作品概要

もうひとりのシェイクスピア

公開日:2011年
上映時間:129分
ジャンル:サスペンス、歴史
監督:ローランド・エメリッヒ
キャスト:リス・エヴァンス、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジョエリー・リチャードソン、デヴィッド・シューリス etc

もうひとりのシェイクスピアの登場人物(キャスト)

エドワード(中年:リス・エヴァンス / 青年:ジェイミー・キャンベル・バウアー)
オックスフォード伯。先代の父を亡くし、女王の命により宰相セシル家で育つ。幼い頃から文才を発揮し、詩や劇作を書き続ける。養父の策略でアン・セシルと結婚するが、文学を嫌うセシル家への愛情は無い。
ベンジャミン・ジョンソン(セバスチャン・アルメスト)
ロンドンで人気の劇作家。エドワードから名を貸すよう頼まれるが、拒否する。自分の文才に自信があり、プライドは高いが、エドワードの才能には負けを認めている。
ウィリアム・シェイクスピア(レイフ・スポール)
ロンドンのしがない役者。匿名で発表されたエドワードの舞台が人気を博し、その作者であると名乗り出る。以降はベンジャミンの指示で、エドワードに名を貸し続ける。顕示欲が強く、金と女に汚い男。
ウィリアム・セシル(デヴィッド・シューリス)
エリザベス1世に仕えた宰相。清教徒。演劇や詩は罪と考え、民衆からの支持は低い。エリザベスが権力を持つ前から彼女を支え、平民でありながら女王の信頼は厚い。エドワードの後見人で、後に娘を嫁がせ義父となる。
ロバート・セシル(エドワード・ホッグ)
ウィリアム・セシルの息子。背中が大きく曲がっている。卑屈で狡猾だが、父の政治手腕を引き継ぎ、エリザベスの信頼を得、王が代わっても宰相として起用され続ける。エドワードと彼の作品を激しく憎んでいる。
エリザベス1世(老年:ヴァネッサ・レッドグレイヴ / 中年:ジョエリー・リチャードソン)
イギリス女王。私生児を複数産むが、生涯独身を貫く。文学を好み、若いエドワードの才能には特に惚れ込んだ。政治においては、何度も命を救ってくれたセシル父子の言いなり。

もうひとりのシェイクスピアのネタバレあらすじ

映画『もうひとりのシェイクスピア』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

もうひとりのシェイクスピアのあらすじ【起】

ジェームズ1世が君臨したばかりの、17世紀初頭イギリス・ロンドン。劇作家のベンジャミン・ジョンソンが、宰相ロバート・セシルに捕らえられた。劇場を燃やしてまでの逮捕劇を繰り広げたのは、ベンジャミンが持つとされる原稿が原因だ。その作者の名は、エドワード・ド・ヴィア。今は亡きオックスフォード伯だ。

ベンジャミンとエドワードの出会いは、5年前、エリザベス女王の御代に遡る。かねてより詩を愛し、執筆を得意としていたエドワードは、人気の劇作家ベンジャミンの舞台が、多くの民衆の心を掴んでいる様子に胸を打たれた。しかし、芝居は危険な娯楽。少しでも体制に批判的、扇動的と見なされれば、関係者の首が飛ぶ。領民を抱えるエドワードには、自らの名での出版は許されない。

その頃、イギリス王室はエリザベス女王の後継者問題で揺れていた。時の宰相、ウィリアム・セシルはスコットランド王ジェームズを推し、密かに手配を進めている。これに反発したのが、エリザベスの隠し子と噂されるエセックス伯だ。彼はチューダー朝の血を絶やさぬ為、王位争奪戦に乗り出す決意をした。友人の若きサウサンプトン伯も共に立ち上がる。しかし、ウィリアム・セシルは手ぬかりなく、彼らをアイルランド討伐に送り出してしまう。エセックス伯の後任として、息子のロバートを枢密院入りさせる事も忘れない。サウサンプトン伯の後見を務めるエドワードは、ペンの力でエセックス伯らを助けられないかと考えた。

一方、ウィリアム・セシルを揶揄したベンジャミンの舞台は役人から目を付けられ、彼は逮捕されていた。ウィリアムの婿であり、その息子ロバートと共に育てられたエドワードは、義父の名を騙りベンジャミンを救い出す。その目的は、自分の書き溜めてきた戯曲を彼の名で上演させる為だった。

もうひとりのシェイクスピアのあらすじ【承】

ベンジャミンは「ヘンリー5世」の台本と金を渡されるが、突然現れた貴族の道楽に名を貸すのはプライドが許さない。しかし、エドワードの才能は、女王エリザベスさえも認めるほどのものだった。40年前、まだ女王も若く、エドワードも少年だった頃、宮廷で彼の戯曲を演じた事がある。彼はすぐに女王のお気に入りとなり、成長したエドワードは女王のダンスの相手から、閨を共にする事まで許される仲になった。

厳格なピューリタンであるセシル父子は、芝居を心底嫌っていた。詩作が趣味のエドワードが父を失い、後見としてその身柄を引き取った時も、領主としての教育は存分に受けさせる反面、芸術活動は許さなかった。エドワードはこれに反発するが、殺人を犯してしまい、それを隠してもらう為、セシル家の娘アンと結婚する。はた目には恋愛結婚だったが、ウィリアム・セシルの策略にはまったも同然だった。

その後エドワードはウィリアムの期待に背いて散財し、政治からも遠ざかり、アンではなくエリザベスに心を捧げた。その結果エリザベスは子を身ごもるが、またしてもウィリアムの計略で彼女はひっそりと出産し、子を養子に出してしまう。そうとは知らず、エリザベスから捨てられたと吹き込まれたエドワードは、別の女官に子を産ませてしまう。これが女王の不興を買い、彼は宮廷からも執筆活動からも遠ざけられた。失脚の代償として、女王との間にできた子がサウサンプトン伯になったと知り、父と名乗らず後見となるエドワード。その後は、時の流れるまま今に至っていた。

エドワードにそんな過去があるとも知らず、しぶしぶヘンリー5世を上演させるベンジャミン。台本の作者は、匿名にしておいた。すると、彼の予想に反して観客は大いに盛り上がり、作者の登壇を求め始める。芝居を見に来ていたエドワードが、ベンジャミンを見つめた。ベンジャミンが迷い、戸惑っているうちに、一人の役者が台本を手に舞台中央に躍り出た。酒浸りの役者、ウィリアム・シェイクスピアだ。こうして、劇作家シェイクスピアが世に生まれた。

シェイクスピアの名は、瞬く間に広まっていく。ベンジャミンが橋渡し役となり、「十二夜」、「ジュリアスシーザー」、「マクベス」、「ハムレット」と、エドワードの作品が次々に上演された。シェイクスピアは今や金持ちの人気者だ。しかし、彼は元々読み書きができなかった。これを疑った男が、ベンジャミンに探りを入れる。ベンジャミンは、エドワードの名を誰にも明かさないと約束させられていた。男を追い払うが、後日、その男は変死体となって発見された。

エセックス伯もまた、アイルランドの陣営で何者かに命を狙われていた。エドワードも、フェンシングの教師に襲われる。これらは、セシル父子の手の者だった。エリザベスが父を失い、弱気になり、寵臣だったエセックス伯を呼び戻そうとし始めたのだ。これを危険視したロバート・セシルは、父に倣って政敵を罠にはめ、帰国したエセックス伯とサウサンプトン伯を反逆者に仕立て上げてしまう。

もうひとりのシェイクスピアのあらすじ【転】

今や女王の側近中の側近となったロバート・セシルと戦うには、正攻法では危険すぎた。エドワードは、エセックス伯達の疑惑を払い、ロバートを失脚させる策を練る。自分がシェイクスピアの名で詩集を出版すれば、必ずやそれは女王の目に留まる。そして彼女は、その詩がエドワードによって編まれたものだと気づき、呼び出すはずだ。そうして自分は女王に直談判し、同時に民衆をたきつける。元々人気のないセシルの失脚を叫ぶ民衆を引き連れ、入城するのはエセックス伯とサウサンプトン伯だ。エドワードは、自らシェイクスピアの元を訪れ、「リチャード3世」の台本をその手に託した。

少し前から、シェイクスピアは直接エドワードから年給を貰うようになっていた。作品の人気上昇と共に欲を出したこの男は、紳士の階級を買い、いくら金があっても足りなくなっていたのだ。そして、真実を知り、自分の身を危うくするベンジャミンを、劇作家として活動できなくしてしまう。かつて人気者だったベンジャミンは、人々から忘れられ、酒に溺れるようになっていた。彼はシェイクスピアの新作リチャード3世が宰相ロバート・セシルを揶揄した作品だと知り、その事実を、役人に密告した。

リチャード3世の上演日。計画通り、エドワードは詩集を読んだエリザベスから呼び出され、謁見の時を待っていた。老いた女王もまた、乙女のように胸を躍らせて彼を待つ。エセックス伯とサウサンプトン伯は、武装してエセックス伯の館に待機している。舞台の観客に紛れ込んだ部下が、そこまで民衆を導く手筈となっていた。

幕は上がり、背中の曲がったリチャード3世が壇上に現れる。その姿は、異形のロバート・セシルそのものだった。市民のほとんどが劇場に詰めかけ、人は場外まであふれ出し、その熱気はどんどんと高まっていく。頃合いを見計らって、一人の男がセシルの失脚とエセックス伯の王位継承を叫んだ。民衆は舞台に背を向け、雪崩のようにエセックス伯の屋敷を目指す。状況を理解したベンジャミンが密告を後悔し、人々を止めにかかるが、その声はエセックス伯の名を呼ぶ民衆の叫びにかき消された。

ベンジャミンが恐れたとおり、密告を受けたロバート・セシルは、エドワードを泳がせているだけだった。彼はロンドン橋を封鎖し、役人達はエセックス伯邸に向かう民衆に向けて発砲した。そして、約束の時間になっても人々が現れず、わずかな部隊を引き連れて入城したエセックス伯とサウサンプトン伯をも縄にかける。そして女王の不安を煽り、エドワードとの謁見は中止となった。

もうひとりのシェイクスピアのあらすじ【結】

計画が失敗し呆然とするエドワードに、亡き父から聞いた真実を告げるロバート。エドワードは、エリザベスが最初に産んだ私生児だった。ウィリアム・セシルは、それを知ってエドワードを養子に、そして婿にしたのだ。何も知らないエリザベスが彼に惹かれたのは誤算だったが、上手くいけば、エドワード自身が王にも、王の父にもなれるはずだった。父の期待を一身に受け、そして裏切ったエドワードを、ロバートは憎んでいた。

エセックス伯は処刑された。エドワードはサウサンプトン伯の助命を願い、彼が自分の子だと既に知っていた女王により、その願いは聞き入れられた。エドワードが課された代償は、息子にその出自を明かさない事、そして今後いかなる作品にも自分の名を残さない事だった。

エリザベスは死に、ジェームズ1世が王位に就いた。ロバートの誤算は、新しい王が演劇好きな事だった。シェイクスピアの作品は宮廷で演じられ、彼自身も宮廷への出入りを許される程になる。これに怒り狂ったベンジャミンを、死の床にあるエドワードが呼び出した。シェイクスピアの秘密を守り、自身の作品をロバートの手から守るよう懇願するエドワード。頼める相手は、ベンジャミンただ一人だった。シェイクスピアの名を借り、称賛を受けたエドワードだったが、彼が感想を聞きたいと願った相手はベンジャミンだけだったのだ。ベンジャミンはエドワードの残りの原稿を胸に抱き、彼の元を去った。

そして今、エドワードが生前恐れたように、ロバート・セシルが彼の原稿を血眼で探している。原稿は劇場と一緒に燃やされてしまったと訴え、なんとか解放されるベンジャミン。しかし、大切に隠されていた原稿はそのほとんどが燃え残り、その後もシェイクスピアの名で舞台や詩集が発表される事となる。ベンジャミン自身も執筆活動を再開し、演劇史に名を残し、シェイクスピアの死後編纂された全集には献辞を添えた。こうして「シェイクスピア」の作品は王に愛され、民に愛され、今なお英文学の最高峰として君臨し続けている。

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