映画『マイ・ファニー・レディ』あらすじネタバレ結末と感想

マイ・ファニー・レディの概要:「ペーパー・ムーン」のピーター・ボグダノヴィッチ監督がウェス・アンダーソン(「グランド・ブダペスト・ホテル」)とノア・パームバック(「フランシス・ハ」)のプロデュースを受け作成した今作、彼のオリジナル脚本に二人のアイデアが融合した、ロマンチックなラブコメディです。

マイ・ファニー・レディ あらすじネタバレ

マイ・ファニー・レディ
映画『マイ・ファニー・レディ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

マイ・ファニー・レディ あらすじ【起・承】

冒頭、とあるインタビューを受ける若い女優が映ります。
彼女はキャリアの前、コールガールをしていた過去をインタビュアーにつつかれますが、笑って答えます。
「奇跡のような出会いって本当にあるものよ。」

主人公・イジーは、女優を夢見ながらもなかなかチャンスに恵まれず、コールガール業で生活を支えていました。しかしある日、客として彼女を呼んだ男に夢を話すと「君の夢のために3万ドル渡す」と申し出られます。夢のようなその申し出を受けたイジーはコールガールからドロップし、夢のために上京しました。

一方、そんなイジーに融資した男・アーノルドは、実は有名演出家。妻は女優であり、彼女が主演する舞台の演出をひかえていました。何の因果か、そんな舞台のオーディションにやってきたイジー。妻との衝突を回避しようとなんとか落とそうとするアーノルドでしたが、妻・デルタや脚本家ジョシュ、デルタの相手役のセスはイジーの演技を絶賛。
見事役を射止めたイジーは、何とかお礼をしようとアーノルドに接近しますが、妻の手前、他人のふりを貫きたいアーノルドにことごとく無視されてしまいます。

マイ・ファニー・レディ あらすじ【転・結】

さらに、デルタの相手役でプレイボーイの俳優セスは、なんとかデルタを口説き落とそうと躍起になります。脚本家のジョシュは、ヒステリックなセラピストの恋人ジェーンにうんざりしており、可愛らしく優しいイジーに一目で恋してしまいます。

ところが、イジーは女優業を目指す際、セラピストを訪ねていました。そのセラピストは、実はジョシュの恋人ジェーンだったのです。そうとは知らず、セラピストと患者として信頼関係を深めるふたり。

デルタに接近するセスは、浮気者のアーノルドへの不安を煽り、なんとかディナーに漕ぎつけます。
ジョシュも、意を決してイジーを誘い、何も知らないイジーはその誘いを快諾します。
さらに偶然、その店にアーノルドとジェーンもやってきてしまいます。
さらには、コールガール時代のイジーの大ファンの老人二人組も入り乱れ、同じ店で鉢合わせた一同は当然てんやわんや。すぐにも舞台をひかえた一同は、それぞれ複雑な思いを抱えながら、初日を迎えます。

しかし、舞台はその複雑な思いが功を奏したのか、大成功。イジーは華々しい女優デビューを飾り、アーノルドにやっとのことでお礼をしますが、見知らぬ女性に彼は話しかけられます。
「ありがとう!あなたのくれた二万ドルのおかげで今のわたしがあるのよ!」
それを見たデルタは「またやったのね!」とアーノルドに怒りをぶつけます。

インタビューが終わり、新しい恋人に連れられ店を後にする笑顔のイジー。
「彼には今でも感謝してるわ。わたしの恩人だもの。」

マイ・ファニー・レディ 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:93分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
  • キャスト:オーウェン・ウィルソン、イモージェン・プーツ、キャスリン・ハーン、ウィル・フォーテ etc

マイ・ファニー・レディ 批評・レビュー

映画『マイ・ファニー・レディ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

師匠と息子

ピーター・ボグダノヴィッチといえば、往年の大ベテラン監督。キャリアの中にはもちろんブランク機関もありましたが、各方面にたくさんのファンを持つ、映画界の生き字引です。そんな彼を慕う現代のビッグ・ネームにウェス・アンダーソンとノア・パームバックがいます。彼らはボグダノヴィッチに「息子」と呼ばれる、いわば愛弟子。彼らの作風もまた、笑いまじりの群像劇が多く、師匠への確かなリスペクトを感じます。

そんな二人がプロデュースに参加した今作は、彼らの作風の原点をそのまま形にしたような、愛と間抜けな笑いに溢れたラブコメディです。

凡庸さ

とは言っても、この映画、そんなユーモアだけなのもまた事実。ストーリーにほとんど中身はありませんし、キャストと設定の笑いだけでもたせたような印象はぬぐえません。ボグダノヴィッチといえば「ペーパー・ムーン」、あの映画に見えたような、実は父娘である二人が犯罪に手を染めながらも幸せを模索していく、ともすれば悲劇になりそうな題材に、だからこそ笑える脚本という絶秒のハーモニーを見せた上質なコメディの質感は、残念ながら今作では感じられませんでした。

正直言って、映画だからこのくらいの「夢」は許されるだろう、という目算が甘すぎて、テレビ映画の枠を出ません。この映画ならば、ボグダノヴィッチでなくても撮れただろうなという凡庸さが悲しい。

ヒロイン

しかし、今作で最も褒めたいのは、ほかならぬキャスト、それも主演です。イモージェン・プーツ。元コールガールという、現代劇なら暗くしか捉えられないであろう設定をいとも簡単にポジティブに変えた彼女の天性の愛らしさは、とくに現代では稀有なものに思えます。暗いヒロイン、シリアスな映画が良いとされがちな時代に、彼女のような底抜けに明るい女優は重宝するのではないでしょうか。

マイ・ファニー・レディ 感想まとめ

もともと「ペーパー・ムーン」が大好きなだけに、がっかりの大きかった今作。しかも、ウェス・アンダーソンにノア・パームバックという、これまた大好きな監督二人が参加すると聞いて、勝手に作品の完成度への期待値は高まっていたようです。

「もっとできただろう」という感想が正直なところですが、今作のような、毒にも薬にもならないようなコメディ作品が嬉しい日があるのもまた事実。疲れた夜に、観ながら眠ってしまうのが良いかもしれません。

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