映画『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』あらすじネタバレ結末と感想

マイライフ・アズ・ア・ドッグの概要:1958年のスウェーデンを舞台にした、少年のユーモア溢れる成長物語。「ショコラ」のラッセ・ハルストレム監督の児童映画。原作はレイダル・イェンソンの小説。ハルストレム監督の名を世界的に知らしめた名作。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ あらすじネタバレ

マイライフ・アズ・ア・ドッグ
映画『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

マイライフ・アズ・ア・ドッグ あらすじ【起・承】

1958年、スウェーデン。12才の少年イングマル(アントン・グランセリウス)は、愛犬シッカンと女友達のカエルちゃんと仲良し。イングマルは辛い時、宇宙へ飛び立ったライカ犬の事を想像した。

”死んだライカ犬に比べれば、僕は大丈夫だ。”と言い聞かせるのだった。イングマルの一家は、父・母・兄の4人家族。イングマルの兄エリクは、イタズラ好きでよくイングマルをいじめた。

父は仕事のため不在がち。母は元写真家だが、病気で寝込んでいた。不器用なイングマルを母は、いつも心配していたがついに入院してしまう。

その年の夏。家族と離れて、イングマルは母方の叔父グンネルの家に行くことになった。田舎に愛犬シッカンは連れてゆけないと聞き、悲しむ。叔父グンネルの家には、グンネルに妻と祖母が居て、1階には寝たきりのアンドビゾンさんとその妻が住んでいた。

アルビィドソンさんの用事を手伝うことになったが、彼はグラビア雑誌をイングマルに読ませるのだった。村では、サッカーの試合が盛んに行われ、イングマルはそこで緑色の髪をした少年と出会う。

また、イングマルは叔父グンネルが働く、ガラス工場を見学。サッカー場で出会った少年に誘われて、子供達は手作りの宇宙船に乗って地上へ降下した。その後、子供達同士でボクシングをして遊ぶが、イングマルは激しく殴られてしまう。

強烈なパンチを放ったのは、サッカー好きの少女サガ(メリンダ・キンナマン)だった。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ あらすじ【転・結】

ある日、イングマルは、ガラス工場に勤める女性ペリドットから誘われ、彼女がネード・モデルをする現場に同行した。彼女の裸が見たくて、屋根に上がったが窓ガラスが壊れて、イングマルは1階に転落してしまう。
こうして、イングマルの性への目覚めが促されてゆく。

実家に戻ったイングマルは、大好きな母に田舎での話を楽しく伝えた。しかし、母の病状が悪化し、クリスマスまで持たないかもしれないと言う。兄エリクは母の死を理解するが、イングマルは信じない。母にクリスマス・プレゼントとしてトースターを買った。

秋になり、母は亡くなった。そのためイングマルは再び、叔父グンネルの家で過ごしていた。1階に住んでいた、寝たきりのアルビィドソンさんも老衰で亡くなった。

少年の心の支えだった愛犬サッカンは処分され、悲しい気持ちになります。村での生活にも慣れ、サッカー好きな少女サガと同じクラスになった。叔父グンネルのあずまやも完成し、イングマルは叔父に犬が欲しいと話す。

しかし、犬を飼う約束を叔父グンネルは叶えてくれない。ある日、母が病気で亡くなった事も含めて、悲しみが爆発し、イングマルはあずまやに閉じこもってしまう。

一方、サッカーが好きな少女サガは、女性へと成長。イングマルに恋をしているようだ。
ヌードモデルのペリドッドの彫刻が完成するが、村の外れに置かれることに。

村には、綱渡りの名人や年中、屋根の修理をしているおじさん、冬でも川で泳ぐ人など変人ばかりだが、イングマルの成長の日々はこれからも続いてゆく。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1985年
  • 上映時間:102分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ファンタジー、コメディ
  • 監督:ラッセ・ハルストレム
  • キャスト:アントン・グランセリウス、メリンダ・キナマン、マンフレド・セルネル、アンキ・リデン etc

マイライフ・アズ・ア・ドッグ 批評・レビュー

映画『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

ユーモアと犬への愛に溢れた児童映画。同時に性への目覚めを明るく描いた傑作!

児童映画は元気で可愛らしいものというイメージがありますが、北欧映画では違います。子供たちの伸びやかな演技とユーモア、そして性への目覚めを大胆に描いています。

驚いたのは、主人公の少年イングマルがヌード・モデルのペリドットの裸を見ようとして窓ガラスを割り、落下するシーンです。こんなにまでして、男の子は見たいものなんでしょうか?

村の人々も、綱渡り名人や年中、屋根を修理している人など変人ばかり。北欧流のユーモアだと思いますが、まるで不思議の国に迷い込んだような気分になります。

またサッカー好きの少女サガも、男の子のような恰好をしていますが、年頃になり膨らんできた胸に興味深々。子供だからいいけど、大人だったらアブナイ。実は子供に置き換えて、性の悩みを映し出しているようにも思えます。

次に少年の犬への愛情。ライカ犬に託して、辛い時、自分を元気づけるなんてかわいい。子供が哲学的すぎると嫌だけど、この頃はまだ人と犬に境界線がないようです。

子供の視点から見た、世界のシンプルさを楽しめます!

人生は犬と共に廻ってる!感動ドラマの名手、ラッセ・ハルストレムの世界

犬好きとしても知られる、北欧出身のラッセ・ハルストレム監督の作品の原点が、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」(75)です。演技未経験の子供たちをキャスティングして、豊かな表現力を引き出すのが本当に上手い。

そのコツは、”即興芝居をさせて、自然な演技を作品に取り入れる”のだそう。また演技を役者に押し付けないのもポイント。もしかしたら、犬という存在も役者をリラックスさせるのに一役買っているのかもしれません。

劇中に犬を多く登場させています。例えば、代表作の「ショコラ」(00)では、犬を連れた老人がいたし、犬映画として有名な「HACHI約束の犬」(09)の秋田犬などもおすすめ。

ついに最新作「野良犬トビーの愛すべき転生」では、原作小説を基に”犬目線で描く”映画になるそうです!2017年1月27日に全米公開予定なので、日本ではまだ先ですが、期待しています。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ 感想まとめ

少年の見つめる世界は、大人が考えるよりも広大で、大人の真似をすることで成長してゆくのだと思う。フロイトが、「精神分析入門」で、”赤ちゃんにも豊かな性生活がある”と述べていたが、この映画を観るとそんな気がしてきます。

北欧映画には、優れた文学作品を基に映画されたものが多く、性をタブーとせず、少年・少女であってもしっかりと描いているのが魅力です。この映画の他にも、ラッセ・ハルストレム監督の「やかまし村の子供たち」もおすすめです!

近年では北欧デザインの家具やインテリアが好まれ、日本でも人気です。「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」は、ラッセ・ハルストレム監督の映画デビュー作であり、出世作でもあります。

彼は、一貫して家族の物語を撮り続けています。この映画と代表作「ギルバート・グレイプ」で描かれる家族像は、”近くて遠い存在”である家族が分裂と再生を繰り返して成長してゆく姿を表現しています。

ユーモアと家族を支える温かさに、何度観ても心が揺さぶられます。北欧映画のブームはこれからも緩やかに続いてゆくでしょう。

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