映画『マイネーム・イズ・ハーン』あらすじとネタバレ感想

マイネーム・イズ・ハーンの概要:カラン・ジョーハル監督のイスラム教を信仰するインド人への差別を題材にした人間ドラマ。出演は、シャー・ルク・カーン、カージョル。映画公開初日にヒンズー教徒からの妨害予告があったが、作品は大ヒット。2010年のインド映画。

マイネーム・イズ・ハーン あらすじ

マイネーム・イズ・ハーン
映画『マイネーム・イズ・ハーン』のあらすじを紹介します。

リズワン・ハーン(シャー・ルク・カーン)は、アスペルガー症候群を持つイスラム教徒。弟ザキールを頼って、サンフランシスコへ来た。化粧品の営業で、美容室を訪れた時、シングルマザーのマンディラ(カージョル)と出会う。マンディラはヒンドゥー教徒だが、2人は宗教を超えて結婚します。
ところが、アメリカ同時多発テロが起きてしまう。その後、イスラム教徒に対する差別や偏見が広がり、その影響はマンディラの連れ子・サミールにまで及ぶ。サミールは、イスラム姓に変わったことで白人の少年達に暴行され、命を落としてしまう。

サミールの死にショックを受けたマンディラは、サミールが死んだのはリズワンのせいだと激しく責めてしまう。そして、リズワンに「大統領に、”私の名前はハーン。テロリストではない”と伝えて。息子・サミールがテロリストの子ではないと知らせてほしい。それができないなら戻ってこないで!」と無理難題を言うのです。
リズワンは妻の一言に”大統領に会って、君の愛を取り戻す!”と決意。アメリカ横断の旅に出ます。修理工をしながら旅を続けるが、なかなか大統領に会うことはできない。ある日、ジョージア州ウィルミナで黒人の少年ジョエルを助けます。ジョエルとその母ママジョニーは、リズワンに親切にしてくれた。

サミールの死から半年が経ち、暴行した犯人が見つからないまま、捜査が打ち切りになってしまう。リズワンは、モスクでイスラム教徒がテロを計画している事を知ってしまう。すぐにFBIに通報するが、相手にされない。後にイスラム教徒の集団に襲われ、重傷を負う。
リズワンは、アメリカ大統領に会い、「私はハーン。テロリストではない。」と伝えることができるのか?正しいイスラム教徒の在り方と宗教差別を問う感動作。

マイネーム・イズ・ハーン 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:162分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:カラン・ジョーハル
  • キャスト:シャー・ルク・カーン、カジョール、ジェニファー・エコルズ、クリストファー・B・ダンカン etc

マイネーム・イズ・ハーン ネタバレ批評

映画『マイネーム・イズ・ハーン』について、感想批評です。※ネタバレあり

インド発社会派映画!2人の演技が世界を変えた

アメリカ同時多発テロ事件を境にして、世界は宗教観の違いによる争いを拡大させています。しかし、大部分のイスラム教徒は静かに節度を持って暮らしているのです。イスラム教徒という大きなくくりの中へ、差別や偏見がこれほど増大していることを悲しく思います。

もし、主人公を健常者にしていたら、もっと反発があったでしょう。アスペルガー症候群を患う設定のおかげで、自由に動けるようになり欲のない視点を得られました。主人公を演じる2人の演技が素晴らしい。1人は少年時代を演じていて、とても自然に感情が伝わってきます。

アスペルガー症候群の特徴でもある、音や周囲の様子に敏感に反応する様など繊細に演じています。シャー・ルク・カーンの演じる主人公も、自分に誇りを持ち、素直に感情を表現しています。人物造形も素晴らしいが、自らの家族と重ねている面もあるのではないでしょうか。

シャー・ルク・カーンは、自身がイスラム教徒で、妻はヒンドゥー教徒です。愛と相互理解こそが、平和への近道だと考えています。

インド映画を通して異文化を知ろう!

マサラ・ムービーに代表されるなんでもありのインドも楽しいけれど、アメリカ社会を通してみたインド文化にも興味があります。本作は、イスラム教徒を取り巻く世界を知るのに良い作品です。
インド以外の国から描くインド映画を紹介します。まず1本目は、ダニー・ボイル監督の「スラムドッグ$ミリオネア」(08)。大ヒットしましたが、イギリス人から見たインドなんて、貧困を大きく取り上げすぎだと一部では批判もされています。

2本目は、ニキル・アドヴァーニー監督の「たとえ明日が来なくても」(08)。シャー・ルク・カーン主演のニューヨークを舞台にしたひねりの効いたラブストーリー。どんな音楽でもインド流になってしまうところがインド文化の厚さだと感じました。

3本目は、「マダム・イン・ニューヨーク」(12)。英語が苦手の主婦シャシが、ニューヨークで英語学習に励み、同時に自分の価値観を取り戻すという物語。ぜひ、この3作もご覧下さい。

マイネーム・イズ・ハーン 感想まとめ

”大切なものは目に見えない”。星の王子様が、1輪のバラを前にして呟く。本作「マイネーム・イズ・ハーン」が、差別や偏見に苦しむ人への理解につながる作品になればと思います。本作の冒頭で、主人公リズワン・ハーンが空港で尋問されるシーンがあります。

テロへの警戒が強まるなか、一般人もテロに加担しているんじゃないかと疑われる現実に背筋が凍る思いがします。スリリングな出だしにサスペンスかと思わせる描き方やアスペルガー症候群の青年を演じるシャー・ルク・カーンの繊細な演技に引き込まれます。

少年時代を演じた子役の演技も素晴らしい。重いテーマを扱っているが、見終えた後の爽快感がたまらない!マサラ・ムービーだけじゃないインド映画の魅力が堪能できる作品です。

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