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映画『嘆きのピエタ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『嘆きのピエタ』の概要:幼い頃に母親に捨てられたガンドは、債務者に下りた保険金を回収していく残忍な借金取り立て屋になっていた。突然やってきた母親を名乗る女性と一緒に暮らすうちに、ガンドは愛情を受け入れ始める。

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映画『嘆きのピエタ』の作品情報

嘆きのピエタ

製作年:2012年
上映時間:104分
ジャンル:サスペンス
監督:キム・ギドク
キャスト:チョ・ミンス、イ・ジョンジン、ウ・ギホン、カン・ウンジン etc

映画『嘆きのピエタ』の登場人物(キャスト)

イ・ガンド(イ・ジョンジン)
消費者金融の借金取り立て屋。最初は疑っていたが、徐々にミソンを母親だと信じるようになる。
チャン・ミソン(チョ・ミンス)
ガンドの母親を名乗る女性。生まれたばかりのガンドを捨てたことを謝りに来た。
フンチョル(ウ・ギホン)
ガンドに取り立てられている債務者の一人。町工場を営んでいる。
ミョンジャ(カン・ウンジン)
フンチョルの妻。献身的にフンチョルを支えている。

映画『嘆きのピエタ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『嘆きのピエタ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『嘆きのピエタ』のあらすじ【起】

消費者金融から借金をしたフンチョルは、取り立て屋が債務者に怪我を負わせ、その保険金を回収していくことを知っていた。取り立てに来たガンドに返済を待ってくれないかと頼むミョンジャだったが、ガンドはフンチョルの腕を切り落としてしまう。

ガンドが家で食事をしていると、突然やってきたミソンが無理矢理部屋に入ってくる。無言で部屋を片付け始めるミソン。ガンドはミソンを追い出したが、その日から付きまとわれるようになる。

ガンドの取り立てについてきたミソンは、ガンドを捨てたことを許してほしいと謝る。ミソンは自分が生まれたばかりのガンドを捨てたせいで、ガンドが非道な大人になってしまったと泣く。

ミソンが買ってきた生きた鰻には、ミソンの連絡先が書かれたタグが付いていた。酔っぱらったガンドがミソンに電話を掛けると、ミソンは子守唄を歌い始める。その歌声が部屋の外から聞こえてくることに気が付いたガンドは、ミソンを部屋に上げる。

ミソンに抱きしめられたガンドだったが、ミソンが母親だと信じられずに突き飛ばしてしまう。

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映画『嘆きのピエタ』のあらすじ【承】

朝。ミソンが作った朝食を一口も食べずに取り立てに向かったガンド。そこで若い父親から追加で借金をしたいと言われる。子供を育てるために両手を切断して借金をすると言う男の気持ちを羨ましく思ったガンドは、何もせずに保険金請求書を置いてその場を立ち去る。

ミソンのために服を買ったガンドが帰宅すると、ミソンは編み物をしていた。ガンドが買ってきた服を着て嬉しそうにするミソン。今まで何をしていたのかと尋ねるガンドだったが、ミソンは何も答えずに泣くだけだった。

取り立てから帰ってきたガンドは、ミソンが1人の時に知らない人が部屋に来たらドアを開けないように伝える。それを聞いたミソンは、一緒に出掛けないかとガンドを誘う。2人は食事や買い物を楽しんでいたが、ガンドに足の骨を折られた債務者の男が2人を見つけてしまう。

ガンドの家を突き止めた男は部屋に帰ろうとするミソンを人質に取り、ガンドに油を被れと脅し始める。ガンドを焼き殺すと脅迫をする男だったが、ガンドが投げたナイフが胸に刺さりそのまま逃げていく。

映画『嘆きのピエタ』のあらすじ【転】

ガンドが出掛けようとすると、ミソンから今日がガンドの誕生日だと言われる。ミソンは一緒にお祝いをしようとガンドに言う。ミソンが編んでいたセーターを自分へのプレゼントにしては小さいと言うガンドから、ミソンはセーターを奪い取る。

ミソンと誕生日を過ごすことを楽しみにしていたガンドは、ケーキを買って帰宅する。ミソンは部屋におらず、携帯を置いたままどこかに行っていた。借金の取り立てをやめたガンドは消費者金融の社長がミソンを連れ去ったと思い、謝りに行く。しかし、それはガンドの勘違いだった。

ミソンを心配していたガンドは、部屋に帰ってきたミソンに怒る。ミソンは謝り、ガンドの誕生日を祝い始める。ロウソクの火を吹き消したガンドに、ミソンは木を植えてほしいとお願いをする。松の木を植えたガンドに、ミソンは自分が死んだらここに埋めてほしいと頼む。

ある日、ミソンは自分でドアを叩きながら誰かが部屋に来たとガンドに電話を掛ける。ミソンは自分で部屋を荒らしながら叫び、ガンドに助けを求める。ガンドは急いで部屋に帰るが、ミソンはもういなかった。

映画『嘆きのピエタ』の結末・ラスト(ネタバレ)

自分に恨みを持つ債務者がミソンを連れ去ったと思ったガンドは、名簿に載っている住所に赴きミソンを探し始める。

ガンドは閉鎖されたはずの工場のシャッターが開いていることに気が付く。作業スペースに置かれていた日記に目を通したガンドは、債務者が母に向けた言葉を読んで自分の行いを悔やみ始める。債務者が使っていた車いすに座ったガンドは、泣きながら眠ってしまう。

母親に成りすましたミソンは、目の前で家族が死ぬ辛さをガンドに思い知らせようとしていた。呼び出されたガンドがビルの下に現れると、ミソンは後ろから誰かに脅されているふりをする。ガンドはミソンの代わりに死ぬと言い命乞いをするが、ミソンはそのまま飛び降りる。

ミソンが死んだことを悲しむガンドは、ミソンの言葉を思い出し松の木の下を掘り始める。すると、ミソンが編んだセーターを着た男性の遺体があった。ミソンの復讐に気が付いたガンドは、2人を埋めた後にそのセーターを着てフンチョルとミョンジャのもとへ向かう。

ミョンジャは何も知らずに運転し始めるが、車の下にはガンドの体が括りつけられていた。ガンドはそのまま、車に引きずられていく。

映画『嘆きのピエタ』の感想・評価・レビュー

本作は、孤独に生きてきた非道な取り立て屋の男の前に、突然母親を名乗る人物が現れ、初めて母の愛に触れた男の運命を描いた韓国サスペンス作品。
序盤の主人公の奇行から衝撃の最後まで一時も目が離せず、特にキリスト教的な意味合いやカニバリズムといった過激な描写も印象的だった。
生々しく、目を覆いたくなるようなバイオレンスシーンが多いが、内容自体も非常に重みのあるものだった。
そして、ラストは救いようがなく、ただただ悲しくて見るのも苦しかった。(女性 20代)


ガンドの行いは非道だし、彼の行いを罰しようとしたミソンの気持ちは分からなくはない。ただ、作品としてこの結末は悲し過ぎて、見終わった後に暗い気持ちになってしまった。映画としてはミソンが本当の母親で、過去を悔いたガンドが心を入れ替える物語であって欲しかったなと思う。今まで見てきた作品の中でも、一番と言って良いほど悲痛なラストだった。誰も救われないし、誰も報われない。ミョンジャが車を降りた後、傷だらけのガンドを見つけてどんな思いを抱くのか想像すると、さらに苦しい気持ちになった。(女性 30代)

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