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映画『この子の七つのお祝いに』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『この子の七つのお祝いに』の概要:“お父さんは悪い人、きっと仇をとってね”と言い続け、母親は娘の7歳の誕生日に頸動脈を切って自殺を図る。母親の血の記憶は、少女の人生を狂わせていく。優しげに微笑みながら、幼い娘に父親への復讐心を植え付けていく岸田今日子が異様に怖い。

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映画『この子の七つのお祝いに』の作品情報

この子の七つのお祝いに

製作年:1982年
上映時間:111分
ジャンル:ミステリー、サスペンス、ホラー
監督:増村保造
キャスト:根津甚八、岩下志麻、杉浦直樹、辺見マリ etc

映画『この子の七つのお祝いに』の登場人物(キャスト)

倉田ゆき子(岩下志麻)
須藤が通うスナック「往来(ゆき)」の美人ママ。本名は隠しており、過去も明かさない。母田の調べていた事件に異様な関心を示し、母田と愛し合うようになっていく。
須藤洋史(根津甚八)
新聞記者。先輩の母田に誘われ、池畑良子殺し事件の真相を一緒に調べ始める。ゆき子に惚れているが、相手にされていない。
母田耕一(杉浦直樹)
熱心に取材を重ねる一流のジャーナリスト。池畑良子殺しの犯人が青蛾ではないかと推理し、独自で取材を開始する。全身の関節が突然痛み出す持病がある。
真弓(岸田今日子)
麻矢という娘の母親で、娘が7歳を迎えた朝に手首と首をカミソリで切って自殺する。自分を捨てた夫を憎んでおり、必ず父親に仕返しをするよう麻矢に教え込む。
青蛾(辺見マリ)
次期総裁候補の第一秘書をしている秦一毅の内縁の妻。手相占いに定評のある占い師で、政財界の大物は、彼女の助言で動いている。しかし人前に姿は見せず、その正体は不明。
高橋佳哉(芦田伸介)
「世界のホテル王」と呼ばれている大物実業家。終戦直後は“高橋道夫”という偽名を使い、真弓と偽装結婚していた。真弓が恨んでいる男。

映画『この子の七つのお祝いに』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『この子の七つのお祝いに』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『この子の七つのお祝いに』のあらすじ【起】

終戦から7年ほど経過した頃の東京。もうすぐ7歳になる麻矢は、病身の母親の真弓と、薄暗い一間のアパートで貧乏暮らしをしていた。真弓は麻矢にアルバムを見せ、自分たちを捨てた父親の話をする。アルバムには、麻矢が生まれた記念に残した、親子3人の手形が押されていた。

真弓は毎日のように同じ話をして、父親を憎み、いつか必ず復讐をするよう幼い麻矢に教え込んでいく。真弓は、麻矢が父親への憎しみを忘れないために、麻矢の頰に火箸を当て、わざと火傷の跡を残す。そして麻矢が7歳の誕生日を迎えた正月元旦、カミソリで手首と首の頚動脈を切って自殺を図る。麻矢は血まみれの晴れ着姿で、“お母さん!”と泣き叫んでいた。

それから30数年後の東京。あるマンションで、池畑良子という28歳の女性の惨殺死体が発見される。彼女は鋭利な刃物で何箇所も切りつけられており、そのひどい殺し方に刑事も顔をしかめる。

新聞記者の須藤は、この事件の捜査状況を取材するため、警察署を訪れる。そこで事情聴取を受けていたのは、先輩記者の母田だった。母田は新聞社を退社してから、「月刊公論」に就職し、ジャーナリストとして活躍を続けていた。

母田は、次期総裁候補と言われている大蔵大臣の第一秘書官である秦一毅と、その内縁の妻である青蛾という女占い師の取材を進めていた。しかし秦の屋敷は厳重に警備されており、取材は行き詰まっていた。そこで、秦の屋敷でお手伝いをしていた良子と3日前に初めて会い、殺された日の翌日に、再び会う約束をしていた。

須藤は母田と、行きつけのスナック「往来(ゆき)」で待ち合わせし、詳しい話を聞かせてもらう。青蛾は手相占いの名人で、彼女の占い通りに動けば出世すると、大物政治家たちの間で評判になっていた。しかし彼女は誰とも接触せず、秦が選んだ人間の手形しか見ない。そのため、彼女の正体は謎のベールに包まれていた。

良子は、青蛾が手相占いを口実に、ある手形の男を捜しているのだと母田に話していた。良子はその手形のコピーを屋敷から盗み出しており、母田はそれも預かっていた。彼女はもっと大きな青蛾の秘密を握っており、500万円でそれを母田に話す予定だった。しかし、その前に殺されてしまった。母田は、青蛾が良子を殺したのではないかと睨んでおり、その証拠を突き止めるのを手伝って欲しいと須藤に頼む。須藤はそれを快諾する。

酔っ払った須藤を先にタクシーに乗せた母田に、ママのゆき子が声をかける。すると突然母田が苦しみ始め、ゆき子は仕方なく母田を自宅マンションまで送る。母田には突然身体中の関節が痛み出すという持病があり、自分は長くないと感じていた。ゆき子も、“私も、もうすぐ死ぬでしょう”と悲しげにつぶやく。母田はそんなゆき子に惹かれ、彼女を抱く。

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映画『この子の七つのお祝いに』のあらすじ【承】

警察は、現場に残された状況証拠などから、犯人は女性であると断定する。須藤からその話を聞いた母田は、青蛾が犯人だと確信し、この事件の記事を書きたいと編集長に申し出る。編集長は、それが事実なら大スクープだからと取材を許可してくれるが、母田も良子のように殺されるのではないかと心配する。

秦が以前に勤めていた食品会社で、彼が通っていた「ヌーボー」というバーの麗子というママが、手相占いに長けていたという情報を仕入れ、母田はその麗子が青蛾に違いないと推測する。母田は同時に、青蛾が捜している手形の男の正体を知りたいと考え、そちらの調査も進めていた。母田は、その謎を解く鍵が会津にあることまで突き止めており、会津に向かう。ゆき子や須藤は、母田が殺されるのではないかと不安だった。

会津から東京へ戻った母田は、また持病の発作が出て、這うようにして自宅まで帰る。目を覚ますと、ゆき子が枕元に座っていた。ゆき子は母田のことが心配で、夕方から来てくれていたらしい。

母田は、青蛾のことも手形の男の正体も全て突き止めており、ゆき子と祝杯をあげたがる。母田はゆき子を本気で愛するようになっており、それはゆき子も同じだった。その晩、ゆき子は母田のマンションに泊まり、彼と愛し合う。

翌日、母田のマンションを訪ねた須藤は、ベッドの中で血まみれになって死んでいる母田を発見する。須藤は警察に通報する前に、母田の取材ノートをカバンから抜いておく。

母田の遺体からは大量の睡眠薬が検出され、警察は、彼が睡眠薬を飲んでから手首を切って自殺したと断定する。しかし須藤は、母田が会津で青蛾の秘密をつかんだため、青蛾に殺されたのだと思っていた。母田の取材ノートは、会津の取材に関する部分だけなくなっていた。須藤は母田の意志を受け継ぎ、新聞社を退社して、月刊公論に雇ってもらう。

映画『この子の七つのお祝いに』のあらすじ【転】

須藤は、「ヌーボー」のオーナーだった古屋という男に会い、麗子のことを聞く。生前の母田も古屋を訪ねていた。麗子は古屋の妾の娘で、7年前に結婚してから行方知れずになっていた。須藤はそこで、手相占いがうまかったのは麗子ではなく、麻矢というホステスだったという事実を知る。

麻矢が会津の漆塗り工場で育てられた孤児だと聞き、須藤は会津へ行くことにする。その前に、須藤は母田の墓参りに訪れ、ゆき子が墓の前で号泣しているのを目撃する。ゆき子に惚れていた須藤は、黙ってその場を去る。

会津の漆塗り工場の奥さんは、母田に話したことを須藤にも話してくれる。奥さんは、昭和30年頃、麻矢母娘の隣の部屋に住んでいた。奥さんは普段から母娘のことを気にかけており、特に幼い麻矢に同情していた。そして麻矢が7歳になった正月元旦の朝、麻矢の叫び声を聞いて、部屋に駆けつける。部屋には“麻矢を頼む”という真弓の手紙と、20万円もの現金が残されていた。奥さんは、麻矢を連れて故郷の会津へ帰り、結婚後も娘のようにして麻矢を育てた。しかし麻矢は高校卒業後、父親を捜すために東京へ出てしまった。

奥さんは、真弓が毎晩のように父親へ復讐するよう麻矢に教え込んでいたのも知っており、麻矢より先に父親を捜し出し、麻矢の復讐を止めて欲しいと須藤に懇願する。父親は“高橋道夫”という名前だった。奥さんから東京へ出る直前の麻矢の写真を見せてもらった須藤は、自分の目を疑う。その写真に写っていたのは、間違いなくゆき子だった。須藤はそこで、かんな棒と呼ばれる、この地方独特の道具を目にする。それは良子殺しに使われた凶器と一致する形状をしていた。

秦の主催するパーティーに、ホテル王の高橋佳哉が顔を出し、カナダに建設予定のホテルについて青蛾に占って欲しいと申し出る。高橋の手形を受け取った青蛾は、すぐに車でどこかへ出かけていく。

青蛾の向かった先は、ゆき子の自宅だった。青蛾は高橋の手形をゆき子に見せ、それが父親の手形であることを確認してもらう。ゆき子(麻矢)と青蛾(麗子)は、ヌーボーで知り合って以来、協力してゆき子の父親を捜してきた。中学時代から手相の研究をしてきたゆき子は、父親がかなりの成功者になっていると予測し、青蛾に頼んで政財界の大物の手形を集めてもらっていた。政治家たちの手相占いをしていたのも、全てゆき子だった。ゆき子は、高橋をどうするか、一晩考えることにする。

須藤は、高橋道夫について調べていく中で、彼の本名が高橋佳哉であることを突き止める。

映画『この子の七つのお祝いに』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌日、青蛾はゆき子の自宅で、これ以上罪を重ねないよう説得を始める。しかしゆき子は、“麻矢、お父さんは悪い人、きっと仇をとってね”と毎日のように言い続け、血まみれになって死んでいった母親の言葉が頭から離れず、高橋を殺すしかないと考える。青蛾は警察に訴えると言い出し、ゆき子にかんな棒で惨殺される。

須藤は高橋の自宅を訪ね、真弓母娘の話をする。高橋は自分がゆき子の父親であることを認め、すでに彼女と会う約束をしていた。須藤は、彼女がすでに2人も殺している(この時点で青蛾の殺害は知らない)ことを伝え、高橋を止めようとするが、高橋はどうしても彼女に会って話しておきたいことがあるらしかった。須藤は高橋に付き添うことにする。

待ち合わせ場所は、真弓と麻矢が暮らしていたボロアパートだった。麻矢は真弓が死んだ部屋で、かんな棒を握りしめ、高橋を待っていた。高橋は部屋の外から、ゆき子に真実を話し始める。

上海で終戦を迎えた高橋は、捕まれば銃殺刑にされるという立場にあり、高橋道夫という偽名を使って、北京まで逃げる。そこで真弓と知り合い、偽装結婚をして夫婦になりすまし、引き揚げ船で九州まで帰ってくる。高橋には、日本にみやこという正式な妻がいた。

みやこの行方はわからず、高橋は真弓と引揚者の寮で暮らし始め、2人の間に麻矢という赤ん坊が生まれる。それは高橋にとって、人生で1番幸せな時だった。しかし、麻矢は生まれて2ヶ月で、ネズミに喉を噛み切られて死んでしまう。当時の日本は、それほどひどい状況だった。

麻矢を亡くしてから真弓は心を病み始め、高橋は酒浸りになる。そんな時、高橋はみやこと偶然再会し、真弓に内緒で会い始める。それを知った真弓は完全に狂ってしまい、恐ろしくなった高橋はみやこの家へ逃げ込む。夫婦の間には、きえという赤ん坊が生まれ、高橋は手切れ金の50万円を渡して、真弓と正式に別れる。真弓はそれを受け入れてくれた。

ところが真弓は、みやこがちょっと目を離した隙にきえを誘拐し、そのまま行方をくらましてしまう。2人の居場所は一向にわからず、みやこは心労で倒れ、1年後にこの世を去る。そして高橋は、全てを忘れるために仕事に没頭し、今の地位を築き上げたのだった。

自分が麻矢ではなくきえだったと知り、ゆき子は激しく動揺する。言われてみれば、自分の手形と真弓の手形は全く似ていなかった。さらに高橋は、自分の薬指の根元のホクロのことまで知っており、ゆき子がきえであることは間違いなかった。

ゆき子は、手相を占っているのがゆき子だという秘密を知った良子を殺し、本気で愛していた母田を殺し、親友の青蛾まで殺してしまったことを悔やむ。会津で真実を知った母田は、ゆき子に心から同情し、自分から睡眠薬を飲んで、彼女にわざと殺されていた。

自分が真弓の復讐に利用された操り人形だったと知り、ゆき子は正気を失う。そして、幼い頃に真弓がよく歌ってくれた「通りゃんせ」を歌い、その場に崩れ落ちる。ゆき子には、真弓の物悲しい歌声が、今も聞こえ続けていた。

映画『この子の七つのお祝いに』の感想・評価・レビュー

岩下志麻さん演じるゆき子は、加害者でもあり被害者でもあると感じました。母だと思っていた女性が母ではなく、自分が騙されていたことを知ってしまい、ショック状態に陥るゆき子の姿には同情を覚えますし、悲しい結末だと思いました。
『この子の七つのお祝いに』は、ラストまで全く予想がつかない映画で、映画のオチを観た際は、やるせなく切ない気持ちにさせられました。
主人公・須藤の先輩である母田はとても良い人で、彼には死んでほしくありませんでした。ゆき子と母田で幸せな未来を造れていたら、ゆき子も幸せになっていたと思います。(女性 20代)


全く先の読めない展開で、終始ハラハラドキドキしながら見ることが出来ました。作品全体が重く、暗い雰囲気なので岩下志麻演じるゆき子の、妖艶さや美しさが物凄く引き立っていました。事件の真相を知った者たちが次々と殺されていきますが、真弓の呪いなのではないかと思うほど、真弓の印象が強烈で、母の呪縛から逃れられなかったゆき子の気持ちが物凄くよく分かりました。
ラストまで集中して見てほしい作品です。(女性 30代)

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