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映画『溺れる魚』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『溺れる魚』の概要:警部補の白洲と巡査の秋吉は犯罪を犯していた。そのことが特別監察官室にバレており、罪を不問にする代わりに警部の石巻の監視を命じられる。白洲達は嫌々ながらも張り込みを続け、石巻がとあるクラブに出入りしていることを突き止めた。

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映画『溺れる魚』の作品情報

溺れる魚

製作年:2000年
上映時間:101分
ジャンル:コメディ、アクション、サスペンス
監督:堤幸彦
キャスト:椎名桔平、窪塚洋介、仲間由紀恵、渡辺謙 etc

映画『溺れる魚』の登場人物(キャスト)

白州勝彦(椎名桔平)
警部補。犯人を殺害して押収品のお金を奪ったことで、特別監察官の相川に警部の石巻の監視を命令される。
秋吉宗貴(窪塚洋介)
巡査。女装が趣味。岡部に対して淡い好意を抱く。女性警官の制服を盗んだことがバレてしまい、相川に石巻の監視を命令される。
相川真紀(仲間由紀恵)
特別監察官。御代田警視正の部下。御代田警視正のことを心から信頼しており、尊敬している。
保坂蜂太郎(勝部演之)
タイトーコミュニケーション株式会社の専務。脅迫事件が起ったため、密かに警察官の石巻に犯人の捜査を依頼する。ヤクザと繋がりがある。
渋沢泰人(成宮寛貴)
ゲイのバレエダンサー。岡部の友人。岡部のクラブで踊っている。
石巻修次(伊武雅刀)
警部。賭博に負けてしまい、闇金から650万の借金を背負っている。裏で様々な犯罪に手を染めている。
岡部哲晃(IZAM)
新進気鋭のグラフィックアーティスト。クラブを経営している。幼い頃、異常者に両親と姉を殺されている。
御代田警視正(渡辺謙)
相川の上司。泳げないので海が苦手。裏で密かに手を引き、石巻を破滅させようと画策する。

映画『溺れる魚』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『溺れる魚』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『溺れる魚』のあらすじ【起】

少年が熱帯魚を眺めていると、不審な男が部屋に突然現れた。男は魚が溺れると思うか少年に疑問を投げかけながら、薬品を水槽の中に落とした。少年は何だか男が怖くなり、部屋を出ていった。だが、階段を下りて目に入ったのは、両親と姉の死体だった。少年は悲鳴を上げた。

警部補の白州勝彦は、警部の相川真紀から尋問を受けていた。白州は現場に踏み込んで犯人を射殺し、他の警部の侵入を妨げている間に、その場にあった現金を着服していた。白州は容疑を否認していたが、現金を銀行に預けている様子が監視カメラの映像に残っていた。

巡査の秋吉宗貴は、相川から尋問を受けていた。秋吉は女装が趣味で、部屋に女子高生の制服やナース服などを隠し持っていた。その中に女性警官の制服まであったのだが、それは以前、女子更衣室から盗まれた物だった。相川はこの犯罪を不問にする代わりに、ある任務の話を秋吉に持ち掛けた。相川が所属する特別監察官室は、警察内部の犯罪を調査する部署だった。現在ある人物の内偵が行われているのだが、その調査が難航しているのだ。秋吉はこの人物の監視を行うことになった。

フィルムメーカーのタイトーコミュニケーション株式会社の部長職3人宛てに、“溺れる魚”から脅迫文が届いた。脅迫文の内容は、街中でモーニング娘。の「ハッピーサマーウェディング」を踊りながら、1枚ずつ衣装を脱いでいくこと。もしその要求を無視すれば、写真の現像液タンクに例の物を混入するという内容だった。過去にも“溺れる魚”から脅迫文が送られてきたことがあったのだが、悪戯だと思い無視していた。その結果、フィルムをダメにされ、顧客から苦情が殺到する事態になった。犯人はフィルムケースに漂白剤を入れて現像に出していた。ほぼ機械で現像が行われているため、ケースを1つずつ確認することは不可能で、未然に防ぐ手立てはなかった。

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映画『溺れる魚』のあらすじ【承】

白州は秋吉と共に、警部の石巻修次を張り込むことになった。長時間張り込んで、夜にやっと石巻が現れ、クラブに入っていった。白洲達もクラブに入って張り込みを続けるが、ふと目を離した隙に見失ってしまう。その頃、石巻はタイトーの保坂専務の車に乗っていた。保坂専務は再び脅迫文が届けられたことを石巻に教えた。何か犯人の手がかりを掴めたのか確認するが、石巻は何も掴めてはいなかった。ただ、追加経費を貰いに来ただけだった。

秋吉は相川に調査したことを報告した。クラブを経営しているのは岡部哲晃という人物で、新進気鋭のグラフィックアーティストだった。石巻は身分を偽り、クラブに出入りしていた。白洲はその時、自分達がいる部屋に監視カメラがつけられていることに気づく。相川は今回の捜査は全て御代田警視正の判断によるもので、報告内容も全て見られていることを教えた。

情報を得るため、白洲達はクラブの客達と仲良くなる必要があった。白洲達はゲイナイトの日にクラブを訪れた。白洲はクラブのトイレで盗聴器を発見する。その後、岡部やバレエダンサーの渋沢泰人から、カウンターに座っていた石巻の情報を集めた。石巻はクラブでは“ツツイ”という偽名を使い、洋服屋を経営していることになっていた。だが、岡部は石巻が警察官であることを見抜いていた。

石巻は賭博で負けて、闇金に650万円の借金があった。借金取りは北朝鮮の元兵士を連れてきて、お金を返さなければ命が危ないことを仄めかした。

映画『溺れる魚』のあらすじ【転】

秋吉は岡部に撮影スタジオに連れて行かれる。そこで、盗聴器を落として設置した。次の日、秋吉は白洲と共に、石巻の後を尾行した。石巻は「ハッピーサマーウェディング」を踊る、3人の男性の前で立ち止まった。石巻がカメラを取り出していたので、白洲はレンズの先に視線を動かした。すると、車の中から踊る姿を見ている、岡部と渋沢の姿があった。

石巻は岡部に車の中から男達を見ている写真を突きつけ、脅迫の件を警察にバラされたくなければ1000万円渡せと脅した。石巻達の会話は盗聴器で筒抜けになっており、秋吉や白洲、相川達警察官が別室で聞いていた。岡部は反対に、脅迫したことを警察にばらされたくなければ2000万円渡せと脅した。石巻は腹を立て、岡部に銃を突きつけて殺害しようとした。だが、岡部は殺されることを恐れていなかった。石巻を襲って銃を奪い、笑いながら銃を突きつけた。秋吉と白洲は急いでスタジオに向かうが、そこには既に2人の姿はなかった。

相川は岡部と石巻のことを御代田警視正に報告した。岡部は昨年ダイトーが主催したアート大会で大賞を取ったのだが、受賞した作品に本物の人骨が使われていたことが問題になった。その結果、大賞を辞退することになった。岡部は8歳の頃に、異常者に家族を殺害されており、その時の家族の遺骨を作品に使用したのだ。石巻は公安二課に在籍していた頃、ダイトー経営陣に雇われて組合達を金で切り崩した疑惑がもたれていた。保坂専務とは石巻は、その頃から付き合いがあったのだ。

白洲は秋吉が岡部に対して淡い好意を抱いていることを感じ取っていた。秋吉はそんなんじゃないと誤魔化すが、結局1人で岡部に会いに行くことを決める。秋吉は自分が警察官であることを岡部に明かし、脅迫を止めて身を隠すことを勧めた。だが、岡部はそれに対して何も答えず、秋吉の携帯ストラップに盗聴器がつけられていることを教えた。その時、秋吉の携帯が鳴り、御代田警視正から岡部と代わるよう指示される。御代田警視正もまた身を隠すことを勧めるが、岡部はどこかで死んだ方がいいのか質問した。御代田警視正はその方が楽だと岡部の意見を肯定した。岡部は電話を切ると、秋吉に別れを告げて去っていった。

映画『溺れる魚』の結末・ラスト(ネタバレ)

石巻は中国人親子を使って渋沢を拉致し、岡部を呼び出した。その頃、相川達はダイトーに再び脅迫文が届けられたとの情報を得ていた。4000万円の金銭を要求する内容が書かれていたことから、石巻の犯行だと睨んでいた。ダイトーは犯人確保のため、ヤクザを雇う恐れがあった。相川は白洲と秋吉に、銃の携帯所持と、いざというときのために身辺を整理しておくことを指示した。

保坂に雇われたヤクザ、4000万を持った保坂、岡部、女装姿に変装した秋吉、白洲、相川達警察官が取引現場に集まった。ヤクザは岡部の姿に気づき、ナイフを使って襲い掛かった。岡部は反撃し、ヤクザの指を切りつけた。その指がその場に偶々居合わせた教祖の目の前に落ちてしまう。怒った教祖は自分の銃を手に取ると、ヤクザと打ち合いを始めた。教祖は頭を撃ち抜かれて死んでしまう。

中国人は騒動の混乱に乗じて、保坂から現金を奪って逃げ出した。保坂は追いかけるが、ヤクザの乗った車に誤って轢かれてしまい、亡くなってしまう。白洲と秋吉は住民からバイクを借りて、中国人を追いかけた。だが、途中で見失ってしまう。その頃、中国人は石巻の元まで戻っていたが、お金を渡さず蹴りつけた。そして、中国人の娘が石巻を射殺した。

相川は逃げていた中国人親子を発見し、殴って気絶させた。そこに、御代田警視正が現れる。御代田警視正は相川に、お金を持って白洲達と共に石巻の死体の処理をするよう指示を出した。だが、そこにヤクザが現れ、相川は殺されそうになる。危機を察知した白洲がヤクザの運転手を射殺したことで車が急発進し、後ろに乗っていたヤクザも事故によって亡くなってしまう。

相川は白洲達を連れて逃げ出した。そして、今回の事件が御代田警視正の手によって引き起こされたことを教えた。御代田警視正は保坂に口を利いて石巻を動かすように仕向け、同時に借金取りに取り立てを厳しくさせた。追い詰められた石巻は、脅迫文を作って金を騙し取ろうとするという筋書きだった。相川は自分が殺されかけたことで、確信を深めた。そこに、銃を持った御代田警視正が現れる。

白洲達は逃げるが、相川が捕まってしまう。そこに、岡部が現れる。岡部は“溺れる魚”を作れるのか御代田警視正に問い掛けるが、自分には何も関係がないと否定される。岡部は自分を殺してくれるのか、御代田警視正に問い掛けた。御代田警視正は躊躇なく引き金を引き、岡部を撃った。白洲は瀕死の岡部を庇い、御代田警視正に銃を向けた。だが、弾切れを起こしていて、撃てなかった。御代田警視正は岡部の頭を撃ち抜いて殺害した。それが、御代田警視正が初めて殺人を犯した瞬間だった。そして、御代田警視正は白洲を撃った。相川はその隙に拘束を逃れると、秋吉に海に飛び込むよう指示を出し、自らも海に飛び込んだ。御代田警視正は泳げないため、海に飛び込むことができないのだ。

白洲は運良く生きており、御代田警視正と共に海に落ちた。御代田警視正は泳げなかったため、沈んでいったと思われた。だが、沈む前に最後の力を使い、海にあった紐に手錠をかけ、白洲の腕にハメた。御代田警視正は満足そうな顔で沈んでいった。秋吉が白洲に空気を吹き込んでいる間に相川が岡部の遺体から銃を奪い、手錠を撃ち抜いて白洲を助けた。

相川達は4000万からくすねた200万の現金を持って、帰っていった。

映画『溺れる魚』の感想・評価・レビュー

堤幸彦監督がメガホンをとり、椎名桔平、窪塚洋介、仲間由紀恵、そして渡辺謙という豪華キャストが揃ったサスペンス映画。
主役の白洲とバディーの秋吉がそれぞれ真っ当な刑事ではないという設定も魅力的で面白い。
自らが犯した罪を帳消しにするために、巨悪の内偵調査をしなければならない。毒を持って毒を制すというよりも、失敗したら切られるだけという白洲たちの立場も、サスペンスをあおる要素として◎。
映画だからこそできる内容だから余計に面白い作品である。(男性 40代)


『TRICK』や『SPEC』『21世紀少年』シリーズなどでメガホンを取る堤幸彦監督と、椎名桔平、仲間由紀恵、窪塚洋介などの豪華キャストがタッグを組んだ今作は、複雑な人間関係と個性豊かなキャラクターが絡み合い、とても見応えのある作品になっていました。
サスペンスと言っても重いものでは無く、とてもテンポの良い、見やすいストーリーでした。同監督作品で言うと、『TRICK』に似た雰囲気があると思います。サスペンスが苦手な方にもオススメ出来る作品です。(女性 30代)

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