映画『オカルト』あらすじとネタバレ感想

オカルトの概要:2008年に製作された白石晃士監督、脚本のモキュメンタリー映画。観光地で起こった通り魔事件を取材していたディレクターは、生存者の男性に密着取材を行ううち、自らも奇妙な縁に巻き込まれていく。

オカルト あらすじ

オカルト
映画『オカルト』のあらすじを紹介します。

2005年の夏、とある観光地で通り魔事件が起こり、犯人は行方不明に。
3年後、映像制作会社に勤めるディレクターの白石晃士とADの栗林忍はその事件を追い始めた。

犯人はオカルト好きの変わった男性だった。
そして生き残った被害者の男性のひとり、江野祥平の傷跡は奇妙な形になっており、犯人にも同じ形の痣があった事がわかる。
事件を”神様の導き”だという江野は、自分に不思議な力(奇跡)が宿った、UFOや幽霊を見るのも日常茶飯事だと言う。

彼はネットカフェ難民として生活しており、白石の会社で寝泊りさせて欲しいと頼み込んでくる。
そして、いつ起こるかわからない奇跡を撮影するように江野にカメラを渡すと、奇妙なものばかりが映りこんでいた。
大量殺人をほのめかす発言をした江野を不審に思い、彼の荷物を開けてみると、普通に部屋を借りることができるほどの貯金がある事が判明する。

白石と栗林は、事件の犯人と江野の体にある模様を探っていく。
漫画家の渡辺ペコの証言から、偶然にも白石が訪れ不思議な体験をした、とある山につながる。
そして、個人的に山の研究をしている映画監督の黒沢清から、興味深い説を聞く。

江野から詳しい話を聞く機会を得た白石は、渋谷の交差点で自爆テロを起こして別次元へ行くつもりだという、とんでもない計画を聞かされる。
やめるよう必死に説得する白石だったが、結局手伝いをする破目になる。
そして江野は渋谷の交差点に立った。

・・・21年後、白石の元に江野からのプレゼントが届いた。

オカルト 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2008年
  • 上映時間:110分
  • ジャンル:ホラー
  • 監督:白石晃士
  • キャスト:宇野祥平、吉行由実、近藤公園、東美伽 etc

オカルト ネタバレ批評

映画『オカルト』について、感想批評です。※ネタバレあり

監督が本人役で出演の異色の映画

リアリティのある恐怖が際立つホラー映画「ノロイ」の白石晃士監督の、とことん突き詰めたリアリティが異彩を放つ作品。
「トウキョウソナタ」などで国際的にも有名な映画監督の黒沢清、「蛇にピアス」のコミックス版でデビューした漫画家の渡辺ペコ、白石晃士監督自身も本人役で出演しているという豪華なキャスティング。
宇野祥平演じる、通り魔事件の唯一の生存者、江野祥平の低姿勢ながらもずうずうしい態度もリアリティがあり、会社に泊めてもらいながらお酒の席でAD栗林に絡んだり、貯金があるとばれているのにギャラの話に飛びつくなど、実際に存在しそうな嫌なキャラクターを演じきっている。

”神様の導き”で事件、犯罪を起こす、さらには爆弾で多くの命を奪うという反社会的な行為を記録していく、という設定は無茶苦茶だが、最後に白石ディレクターは服役し、江野くんから送られてきた別の世界の映像も「ここは地獄だ」という台詞で終わるため、悪いことはどんな理由でもやっちゃいけないという締めくくりになっていてちょうど良い。
だが、その別世界を表現した合成の映像が安っぽいのは、ツッコミどころになっている。

広げすぎたストーリーの中にリアリティのあるやりとり

通り魔事件の様子を偶然撮影してしまった映像が届いたことから始まった取材が、事件の被害者の親しかった人物に対して起こる謎の現象。
そして江野という生存者の周囲で起こる「奇跡」、日本神話のヒルコを表すものへとつながっていく展開には、やや広げすぎた感覚を覚える。

自爆テロという行為を目前にしながらも食事や映画を楽しんだり、ネットカフェの宿泊代金として借りた100円を別の世界から送ってほしいという、白石くんと江野くんの友情には少し感動させられる部分もある。
21年後に白石ディレクターが出所してからの「昔の100円」、「ルイボスティーが流行っている」という会話は笑いを誘う。

オカルト 感想まとめ

モキュメンタリー映画を中心に製作している白石晃士監督の、「ノロイ」の次に発表された本作「オカルト」。

低姿勢な図々しさを見せるネットカフェ難民、江野くんの周囲で起こるポルターガイストや、端々に映る謎の物体、事件後に身についた予知能力が”オカルト”な部分なのだが、全体的に見ると少ししか表現されていない。
それよりも、だめだとわかっていながら犯罪に加担し、映像に記録したいと願ってしまったジャーナリストの顛末や、別の世界に行けたのは良かったが、そこはただの地獄だったという江野くんの行った”儀式”が詳細に描かれている。

他の白石晃士監督の作品にも、宇野祥平が演じる”江野くん”が出演しているのは面白い。
江野くんというキャラクターは、実際にどこにでもいる嫌なやつ、をありのまま表現しており、一番リアルな存在といえるの興味深い部分もある。

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