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映画『オン・ザ・ロード(2012)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『オン・ザ・ロード(2012)』の概要:ビート・ジェネレーションの中心人物であったジャック・ケルアックの自伝的小説をもとにした、青春ロードムービー。作家志望の青年サルは、カリスマ的な魅力を持つディーンと出会い、二人はアメリカを横断する旅を始める。

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映画『オン・ザ・ロード』の作品情報

オン・ザ・ロード

製作年:2012年
上映時間:139分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ウォルター・サレス
キャスト:サム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリステン・スチュワート、エイミー・アダムス etc

映画『オン・ザ・ロード』の登場人物(キャスト)

サル・パラダイス(サム・ライリー)
ニューヨークのクイーンズ地区に暮らす作家志望の聡明な青年。17歳。両親はカナダの裕福な家庭の出身だが、アメリカに渡ってからは質素な暮らしをしている。父親を亡くして落胆していた時期にディーンと出会い、強く惹かれて影響を受ける。
ディーン・モリアーティ(ギャレット・ヘドランド)
デンバー出身。カリスマ的な魅力を持つ、少年院育ちの青年。サルより少し年上。自由気ままに暮らす粗野な風来坊で、束縛を嫌う。現在は駐車場でのアルバイトと車泥棒で生計を立てている。少年期より文学を愛しており、時間があれば読書をしている。
メリールウ(クリステン・スチュワート)
ディーンの美形の幼妻。16 歳。デンバー出身。ディーンの魅力に夢中になって結婚したが、実は海兵隊員の婚約者がいる。純粋で感受性が豊か。サルにも惹かれている。
カミール(キルスティン・ダンスト)
ディーンの二番目の妻。知的で気の強い美女。美術大学で舞台芸術を専攻しており、舞台に関わる仕事をしたいと望んでいる。ディーンの感性に惚れ込んでいる。
オールド・ブル・リー(ヴィゴ・モーテンセン)
家族と共にニューオーリーンズで暮らしている元教師の作家。サルの恩師で、人生の師匠のような存在。ディーンを盲目的に信頼しているサルを心配している。斬新で先進的な思想の持ち主。
カーロ・マルクス(トム・スターリッジ)
サルの友人。詩人志望。ディーンに出会ったことで、自信が同性愛者であることを自覚する。厭世的で、悲観主義者。
エド・ダンケル(ダニー・モーガン)
ディーンの友人。ディーンに心酔しており、妻ギャラテアを放り出してディーンやメリールウと共に旅に出る。
ギャラテア(エリザベス・モス)
エドの妻。ディーンを優先したエドにより、旅の途中で放り出される。ブル・リーの家に滞在している。
テリー(アリシー・ブラガ)
サルが旅の途中で出会う季節労働者の女性。幼い娘を連れ、父親と共にカリフォルニアで綿花を摘む作業に従事している。

映画『オン・ザ・ロード』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『オン・ザ・ロード(2012)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『オン・ザ・ロード』のあらすじ【起】

1947年。ニューヨークで家族と共に暮らしている作家志望のサルは、5ヶ月前に父親を亡くして以降、意気消沈している。ある日、サルと友人のカーロは、知人から風来坊のディーンを紹介される。ディーンは16歳の美少女メリールウと結婚するために、故郷のデンバーからニューヨークへ来ている。

サルは、一目でディーンの強烈な個性に惹かれる。サル達はディーンと親密になり、集まっては酒を飲んで大麻を吸い、文学談義に花を咲かせ、パーティーに繰り出す。

ある日、サルはディーンを自宅に招待する。ディーンは痴話喧嘩の末に出て行ったメリールウを追ってデンバーに帰ろうと考えており、その前に文章の書き方を教えて欲しいとサルに頼む。

ディーンからの手紙に誘われ、サルもデンバーへと旅立つ。旅費が無いため、サルは何日もかけてヒッチハイクでデンバーを目指し、旅路の詳細を全て記録する。

サルは、先にデンバーに越していたカーロの部屋に滞在する。サルとカーロはディーンの自宅へ向かい、三人は再会を喜ぶ。ディーンはメリールウから知的な美女カミールに心変わりしており、メリールウと離婚してカミールと再婚しようと考えている。

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映画『オン・ザ・ロード』のあらすじ【承】

ディーンへの恋心を自覚しているカーロは、辛さを紛らわせるために単身アフリカへと旅立つ。作家としての経験を積むため、サルもデンバーを出て旅に出る。

カリフォルニアへ向かう夜行バスの中で、サルは季節労働者の女性テリーと出会い、共にカリフォルニアの綿花畑で働く。サルはテリーと恋人関係になるが、収穫期が終わると同時に二人は別れる。野宿やヒッチハイクを続けながら、サルは旅で出会った人物や出来事についての詳細をメモに綴る。

ニューヨークの自宅へ戻ったサルは、旅の記録をもとに執筆を開始する。1948年のクリスマス。サルは、母親と共に姉の家を訪れている。突如、デンバーを出たディーンとメリールウ、ディーンの友人のエドが、サルを頼ってその場にやってくる。親族の顰蹙を買いながら、サルは三人を家に招き入れる。ディーンはカミールと再婚して娘をもうけたにも関わらず、メリールウとヨリを戻している。

ディーンは、歓待の礼に、サルとサルの母親をニューヨークまで車で送り届けることを申し出る。トラブルに巻き込まれながらも、一行はヴァージニア、ニュージャージーを通過して、ニューヨークに辿り着く。

数日後、サルのもとに、ニューオーリーンズのブル・リーから、エドの妻ギャラテアが夫を探しているとの電話がかかってくる。ディーンとの旅を優先したエドは、反対するギャラテアを途中で置き去りにし、行き場をなくしたギャラテアはブル・リーの家に身を寄せている。

映画『オン・ザ・ロード』のあらすじ【転】

新年を祝うパーティーで泥酔したサルは、ディーン、メリールウと共に性行為に耽る。アフリカから帰ってきたカーロは、サル達の現実逃避が長くは続かないことを予見して警告する。

サル、ディーン、メリールウとエドは、ブル・リーに会うために、車でニューオーリーンズを目指す。途中、サルは速度違反の罰金の代わりに父親の時計を売り、一行は商店で食料を盗む。

サル達は、ルイジアナのブル・リーの家に辿り着く。再会するなり、エドとギャラテアは険悪な雰囲気になる。ブル・リーは、サルがディーンと一緒にいることを不愉快に思っており、ディーンを盲目的に信用しないようサルに忠告する。

数日間の滞在の後、サル、ディーン、メリールウは、ディーンの現在の自宅があるカリフォルニアを目指して出発する。自由気ままな旅を続ける中、メリールウは婚約者がいることをサルに告白する。メリールウは結婚願望が強く、本心では安定した生活を望んでいる。

カリフォルニアに入り、ディーンはサルやメリールウと別れ、カミールが待つ自宅へ帰っていく。サルとメリールウは安宿を借り、その夜、二人は肉体関係を持つ。翌朝、メリールウは、サルが眠っている間に故郷デンバーへと旅立つ。過酷な肉体労働で糊口を凌ぎながら、サルは取り憑かれたように執筆活動を続ける。

映画『オン・ザ・ロード』の結末・ラスト(ネタバレ)

数ヶ月後、サルはディーンの自宅を訪れる。再会を喜んだディーンは、身重のカミールを残し、サルを連れて夜遊びに出かける。ディーンとの生活に限界を感じたカミールは、朝帰りしたディーンを家から追い出す。

サルは、ニューヨークに一緒に来るようディーンを誘う。ディーンは、その前にデンバーに戻って父親を探そうと考えており、二人はある裕福な男の運転する車に同乗してデンバーを目指す。ディーンは男に体を売って金を稼ぎ、旅費に充てる。

ディーンは、デンバーの街中で父親を探し回るが、一向に手がかりを得られず、諦めてサルと共にニューヨークへ向かう。

ニューヨークに戻ったサルは、カーロや友人達と久しぶりに会い、以前と違って皆が現実的になっていることに気付く。サルは、メキシコを一人で旅する計画を立て、駐車場でアルバイトをしているディーンに話す。ニューヨークで孤独になることを恐れたディーンは、サルと共にメキシコへ行く決意をする。

メキシコシティで、サル達は薬物に溺れ、売春宿に通っては豪遊する。ある日、サルは赤痢にかかって寝込んでしまう。カミールとの離婚が成立したと報告を受けたディーンは、病身のサルを一人残し、二人の金を持ってアメリカへ帰る。

回復したサルは、ニューヨークの自宅へ戻る。ある日、サルは刊行されたカーロの詩集を読み、カーロが人生に絶望して自殺していたことを知る。

1951年。作家として脚光を浴び始めたサルは、上流階級の人々と付き合っている。ある夜、サルの前に、すっかり落ちぶれた様子のディーンが現れる。ディーンはサルに援助を請うが、ディーンとの関係は終わったと感じているサルは、ディーンをあっさりと突き放す。

数日後、サルは、ディーンとの経緯をもとにした小説を、神がかったように不眠不休で書き上げる。

映画『オン・ザ・ロード』の感想・評価・レビュー

なんだか虚しさや寂しさを抱えたような映画だ。長くは続かない幸せであることを知っていながら、現実を見ようとせず、その場しのぎの幸福を優先しているサル・ディーン達。共感は出来なかったが、自分たちの未来や居場所を探していたのだろう。自分たちは特別であると信じて。

寂しさはあれど、青春ロードムービーらしく清涼感あふれる色彩映像やエモーショナルな雰囲気がとてもお洒落な映画だ。(女性 20代)


自由気ままに生きているディーンに、影響を受ける気持ちは分からなくはないなと思った。ただ、自分の将来のことをきちんと考えている人にとっては、ディーンのような生き方は危なっかしくて受け入れられないなと思う。物語のラストが、現実の世界を的確に表しており、切なく感じた。将来のことをきちんと考えられなかったディーンは、これからも孤独から抜け出すことはできないのではないかと思う。人生について考えさせられる作品。(女性 30代)


男も女も魅了してしまうディーン。「自由」を大事にする彼の生き方は「本気」で愛した相手で無ければ魅力的に感じるかもしれません。映画として鑑賞する分には「魅力的な男」として見ていられましたが、彼を愛せるかと聞かれると危なっかしくて、「自分勝手」過ぎて難しいなと思いました。
「自由」と「自分勝手」のバランスをとても良い具合に描いていて、ラストの展開も素晴らしかったです。自由を求めすぎて、自分を見失ってしまうのはとても危険で怖いことだと感じました。(女性 30代)

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