映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』あらすじネタバレ結末と感想

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカの概要:禁酒時代のニューヨークでギャングとして生きた2人の男の友情と裏切りの歴史を描く。229分の完全版は高く評価され、マカロニ・ウェスタンで有名なセルジオ・レオーネ監督の代表作となった。1984年公開。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ あらすじネタバレ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ あらすじ【起・承】

禁酒法時代のニューヨーク。ユダヤ系移民の子であるヌードルスは貧困層の仲間・パッツィー、コックアイ、ドミニクとつるむ不良少年だった。彼らの居住区にある大衆レストラン「ファット・モーの店」の息子・モーとは友人であり、その妹のデボラにヌードルスは恋心を抱いていた。

ブロンクスから越してきたマックスも彼らの仲間に入り、ヌードルたちはこの辺を仕切っているボスのバグジーを出し抜き、酒の密売の手伝いをして儲け始める。彼らは一人前のギャングになり始め、稼ぎの半分は共同基金として駅のコインロッカーに貯金していく。しかし、バグジーの報復によりドミニクが射殺され、激昂したヌードルスはバグジーを刺し殺す。この罪でヌードルスは刑務所に送られる。

6年後。出所してきたヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)をマックス(ジェームズ・ウッズ)が出迎える。マックスたちは、表向きは葬儀社、裏では酒の密売で稼いでいた。ファット・モーの店の裏に違法酒場と彼らの事務所があり、ヌードルスはそこでパッツィーやコックアイやモー、そして美しい女性に成長したデボラ(エリザベス・マクラガヴァン)とも再会する。

マックスは大物マフィア・フランキー(ジョー・ペシ)から仕事を請け負うようになっていた。ヌードルスは仲間を簡単に裏切るフランキーのやり方を警戒し、マックスとぶつかる。しかし2人は喧嘩をしてもすぐに仲直りできる親友だった。

時代は変わり、禁酒法は廃止の方向へと進んでいた。この状況に危機を感じたマックスは、政治家からの裏仕事を請け負うようになり、再びヌードルスと対立し始める。

ヌードルスとデボラは互いに愛し合っていたが、デボラには女優になりたいという夢があった。翌日ハリウッドへ旅立つという彼女をヌードルスは無理矢理犯してしまい、2人はそのまま別れてしまう。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ あらすじ【転・結】

いよいよ禁酒法が廃止されることになり、マックスはでかく稼ぐため厳重な警備の連邦準備銀行を襲うと言い出す。マックスの愛人・キャロルはヌードルスに、この無謀な計画を止めるため警察に情報を流して欲しいと依頼する。実行したら確実に射殺されるが、未遂の状態なら短期間だけ刑務所に入れば済むというのだ。

禁酒法が廃止された夜。ヌードルスは仲間の命を救うためだと決意し、警察へ電話をする。しかし、マックスたち3人は現場に向かう車の中で警察に射殺されてしまう。炎上した車から運び出されたマックスの遺体は損傷が激しく、人相の識別ができないほどだった。

ヌードルスは仲間を売ったことで命を狙われ、ニューヨークを離れる。逃亡資金としてコインロッカーに貯めてきた共同基金を当てにしていたが、トランクの中に金はなかった。誰が盗んだのかわからないまま、ヌードルスはニューヨークを出る。

それから35年後。ヌードルスがモーの店に姿を現す。誰かからニューヨークに呼び戻されたというのだ。ヌードルスはこの謎を解くため、まずは新しく建立されたマックスたちの墓へ行く。

立派な墓には身に覚えのない「建立ヌードルス1967年」というプレートがあり、そこにコインロッカーの鍵が吊るされていた。ヌードルスがそのロッカーを開けると大金の入ったトランクと“次の仕事の前金だ”というメッセージがあった。

次にヌードルスはベイリー長官の立ち上げた「ベイリー財団」で働くキャロルに会う。そこに飾られた写真にはデボラの姿があり、不審に思ったヌードルスはデボラを訪ねる。予想通りデボラはベイリー長官の愛人であり、その息子は若い頃のマックスに瓜二つだった。

ベイリー長官のパーティーに出向いたヌードルスは、ベイリー長官として生きているマックスと再会する。35年前の一連の出来事はすべてマックスや組織の仕組んだ罠で、あの焼死体も替え玉だった。そして今、汚職事件により窮地に立たされているマックスは、ヌードルスに自分を殺してくれと頼む。しかしヌードルスはその申し出を断り、マックスのもとを去る。

外へ出たヌードルスを追ってきたマックスは、動き出したゴミ収集車とともに姿を消す。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1984年
  • 上映時間:205分
  • ジャンル:フィルムノワール、ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:セルジオ・レオーネ
  • キャスト:ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジェニファー・コネリー etc

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 批評・レビュー

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

3時間49分の上映時間では終われない

この作品では主人公ヌードルスが17歳の頃、23〜25歳頃、それから70歳前後の現在という3つの時代が描かれている。そのため完全版の上映時間は3時間49分という、かなりの長さになっており、本腰を入れて見る必要がある。

マイケル・コルレオーネの現在とその父・ビトー・コルレオーネの過去を描いたマフィア映画の超名作「ゴッドファーザー パート2」でも3時間20分の上映時間だったので、さすがに長すぎるのではと思ったが、見終わると意外にも長かったとは感じない。それは35年もの時を経て、ヌードルが誰にどんな理由でニューヨークに呼び戻されたのかが気になるからであり、過去と現在が交錯する構成にメリハリがあるからだ。

しかしながら、最後まで見た後、何が何だか分からないまま見た冒頭部分の記憶が曖昧になっており、もう一度最初から見直したくなる。20代のヌードルスが命を狙われニューヨークを離れる過去から、35年後、ニューヨークに帰ってきてモーと話をする約35分。ここをもう一度見てやっといろいろ理解ができるという人は多いと思う。上映時間の長いマフィア映画はいくつかあるが、これほど難解なマフィア映画は珍しい。

ヌードルスとマックス

この物語を複雑にしている大きな原因はヌードルスとマックスの関係が複雑だからに他ならない。この2人の関係は深読みしようと思えば、様々な解釈ができる。

単純に考えると、マックスが友情よりも自分だけ組織で生き残る道を選んだということになる。おそらくマックスはヌードルスの知らないところでジョー・ペシの演じるマフィアの大物フランキーと繋がり続け、服従しないヌードルスを消すように命令されていた。または古い仲間が邪魔になった。そこで、警察や組織とグルになって35年前の事件を仕組み、ヌードルス、パッツィー、コックアイの3人を一度に始末してしまおうと考えた。それも「ヌードルスが仲間を裏切った」という正当な理由をでっち上げてだ。

マックスがベイリー長官と名を変え、大物政治家にのし上がっていることから考えても、大きな組織が裏で動いていたことがわかる。ヌードルスは最初から“組織と関わるといつかはお前も殺られるぞ”と警告しており、35年の時を経てその予言が現実となった。袋小路に追いつめられたマックスは、せめてヌードルスにすべてを打ち明け、彼の手で殺してもらいたいと望む。ベイリー長官ではなく、マックスとして死にたかったのだろう。しかしヌードルスは最後までマックスに服従しない。それはヌードルスの意地とも取れるし、彼特有のロマンティシズムとも取れる。

古き良き時代と変わらぬ友情を愛し続けたヌードルスと、時代の流れに順応し友情を捨てたマックス。対照的な2人だが、どちらにとっても生涯の宝物は、共に過ごしたあの頃の思い出だったはず。そう思いたい。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 感想まとめ

マフィア映画であることは確かだが、友情を主軸に置いているところがこの作品の個性だ。そもそもマフィアの世界に友情などという生ぬるいものはないに等しい。だから友情を重んじ組織を嫌うヌードルスは厳密に言うとマフィアではない。それが本物のマフィアになっていくマックスとの対立を生んでいる。貧しい少年時代から徐々に変化していく2人の友情と時代背景を丁寧に見せることで、裕福さと引き換えに失っていくものがあるとセルジオ・レオーネ監督は言いたいのだろう。

複雑な構成になっているので話がわかりにくいことやすっきりしない結末など、気になる点もいくつかあったが、かなりの力作であることは確か。ヒューマンドラマの要素が強い上、サスペンスのような謎が残るのでじっくり考えてみたくなる魅力もある。

ラストに阿片窟でデ・ニーロがニヤリと笑う本当の意味がわかるまで、あと何回か見ることになるだろう。手強い。

Amazon 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の商品を見てみる