『陰陽師』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

2001年の日本映画、平安の都で巻き起こる権力闘争と人の心の闇、そして安倍清明と源博雅の出会いが描かれた作品。監督は「おくりびと」の滝田洋二郎、出演は野村萬斎、伊藤英明。

あらすじ

陰陽師』のあらすじを紹介します。

時は延暦、桓武天皇の時代に長岡京は早良親王の怨霊による度重なる祟りによってわずか10年で封鎖され都を平安京へと移した。早良親王の怨霊を鎮めるため墓の前で人々が儀式を行っている、祝詞を唱える男は“早良の荒御魂(あらみたま)を沈め奉る”と言い終えると帝の前に座る女性に一切れの肉を渡した。その肉を口にしたのを見終えると帝は“これをもって新しき都の守りとなさん”と宣言する。

それから150年後、陰陽頭の道尊は帝に建物の修繕に適した日を進言していた。その時恐れながらといいつつ“ある星が現れた、それはまもなく都の守り人が現れるということだ”と告げる。それはこれから生まれる御子のことかと左大臣に尋ねられた道尊は曖昧にうなずいた。それを苦々しく見つめる右大臣は杓をわなわなさせていた。

廊下を歩く安倍清明は他の陰陽師たちに見つかりどうして出席しなかったのかとなじられるが綾子様にどうしても来てほしいと言われたのでと全く気にした様子もなく涼しい顔をしていた。そこへ3人の殿上人がやってきて“ぜひ清明の力が見たい、あの蝶を手を使わずに殺してみてくれ”と言いだした。しかしそれを3人のうちのひとりの殿上人が諌めた、彼の名前は源博雅。蝶が可哀想だから止めてくれと言うのだがしつこく頼みこむ他の殿上人と陰陽師達の好奇の視線を浴びて清明は仕方なく葉っぱを飛ばして蝶を真っ二つにしてしまう。その後松の木にうりが生える事件で親しくなった博雅と清明は道尊の陰謀に巻き込まれていくのだった。

評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2001年10月6日
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:ファンタジー
  • 監督:滝田洋二郎
  • キャスト:野村萬斎、伊藤英明、今井絵理子、夏川結衣、宝生舞 etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『陰陽師』について、2つ考察・解説します。※ネタバレあり

陰陽師とは

中国の陰陽五行思想を元に日本で独自に発展したものなのだそうです。安倍清明がとても有名なので不思議な力で鬼や式神を操るというイメージがありますが本来は天文学や易学など学問のスペシャリストで、祈祷の他に人々の日常に不可欠な暦を作成したり時間の測定などをしていたようです。

人は心ひとつで鬼にも仏にもなる

ラストで源博雅が安倍清明に言った言葉です。この言葉を心の片隅において物語を見るともっと理解できる事がたくさんあると思います。権力闘争に敗れ道尊に操られた右大臣の藤原元方と生成りになってしまった娘の祐姫はその典型的なとして描かれています。一時は帝の寵愛を受けていた祐姫は離れてしまった帝の愛を取り戻したかったのですがそれも叶わず博雅の笛で心を何とか平静に保っていました。ですが博雅の真っ直ぐな心に触れてもっと早く会いたかったと泣きながら去ってしまいます。その後道尊に操られ生きながら鬼になる“生成り”となるのですが博雅の心に触れ人として死んでいくのです。そしてその恨みの心から都をも滅ぼした早良親王も愛する女性の言葉に従って去っていきます。

人の心を縛る事はできないのだと語る安倍清明と人間は心の持ちようで良い方にも悪い方にもなるという源博雅の言葉はどちらも人というものを的確に表現しているなと思います。

まとめ

安倍清明役の野村萬斎さんが本当にぴったりで思わず見とれてしまいます。ピンと伸びた背筋は付け焼刃では絶対できないものだと思います。能楽師として幼いころから鍛錬してきたからこそできる身のこなしと穏やかで威厳のある立ち居振る舞いが映画に深みを与えてくれています。柱に寄りかかって博雅と共に酒を飲むシーンは原作「陰陽師」(文芸春秋刊)の安倍清明が抜け出て来たようです。

密虫が天真爛漫な女の子として描かれていたために作品が軽く見えてしまうのが残念でした。物語の中でどうしても密虫の存在が浮いてしまって気が散ってしまいます。あくまでも式神は主の命令に黙って従う影の存在というイメージなのでできればそれを忠実に表現してほしかったです。

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