映画『俺俺』あらすじとネタバレ感想

俺俺の概要:出来心でオレオレ詐欺をしたのをきっかけに、自分が増殖していく奇妙な世界を描いた作品。2013年に公開された、三木聡監督の脱力系日常サスペンス映画。主演の亀梨和也は1人で33役を演じた。

俺俺 あらすじ

俺俺
映画『俺俺』のあらすじを紹介します。

カメラメンへの道を諦め、家電量販店のカメラ部門で働く永野均。
ファーストフード店で隣に座った男性の携帯電話を偶然手に入れ、出来心でオレオレ詐欺をしてしまう。

数日後、アパートに戻ると知らない中年女性が自分の母親だといって部屋でくつろいでいた。
しかも均のことを”大樹”だという。
その女性はオレオレ詐欺をした相手で、均は大樹になりすまして電話をしたのだ。
女性が住む家に行くと、均と同じ顔の”大樹”の写真まで置いてある。
慌ててその家を飛び出し均は実家へ向かうが、実の母からは知らない人だと追い返され、自分と瓜二つの”息子”まで出てきた。
彼からもう一人、”俺”が存在していることを聞かされる均。

やがて”俺”が3人揃うことに。
区別をつけるため、大学生だという俺は”ナオ”、均の実家にいた俺は”大樹”、そして”均”と呼び合う。
”俺”はどんどん増え続け、”削除”と呼ばれる殺人事件が起こるようになる。

カメラを万引きしようとしたのを止めたことから親しくなり、チンピラのような夫と離婚寸前のサヤカだけが均と他の”俺”の区別がつく。
しかし均の部屋で削除された”俺”の写真がナオから均に送られ、均が助けを求めたサヤカも命を落としてしまう。

大樹と均は、ナオとその他大勢の”俺”からの削除から逃れる生活を送るのだが、均にはひとつの考えがあった。

俺俺 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2012年
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:三木聡
  • キャスト:亀梨和也、内田有紀、加瀬亮、キムラ緑子 etc

俺俺 ネタバレ批評

映画『俺俺』について、感想批評です。※ネタバレあり

亀梨和也の意外な1人33役

コメディ作品を中心に作ってきた三木聡監督の、異彩を放つサスペンス映画。
小ネタの露出を押さえながらも、オレオレ詐欺をしようとする均の後ろに「見ています」という文字と目が書かれた看板を張ったり、他の映画にも登場したウサギのゴンザブロウを登場させるなど、オリジナリティのある世界観になっている。
無機質な給水塔を中心にした街並みなど、どこか非現実的な印象があり、「世にも奇妙な物語」を連想させるストーリー展開になっている。

主演の亀梨和也の1人33役には女性も含まれていて、どこにいるのかわからないものから、加瀬亮が演じていた職場の先輩タジマが亀梨和也の顔になるなど、びっくりさせられるものも多い。
33役とはいうものの、物語の中心になるのは主人公の永野均、大樹、ナオの3人になっている。
しかしあまりにも多く同じ顔が出てくるため、特にクライマックスの逃走シーンではほとんどが亀梨和也の顔になるために、飽きてしまう部分もある。

スピード感の少ないサスペンスムービー

気を使わずにすむ”オレ”の楽園を作るはずが、集まりすぎた”オレ”の中には当然気の合わない”オレ”もいて、やがて削除に発展していくというストーリー。
早いテンポで進むのではなくゆっくりとした展開になっているが、前半は特に進みが遅いのと伏線が多くいために、展開に入り込みにくい。
均の代わりにナオが家電量販店に向かう際に、色違いの時計を交換して入れ替わるなど、生活の一部のようなシーンが、ナオはすでに削除されていると判明するきっかけになるという、細かい設定部分が多い。

ミステリアスな人妻サヤカ役を演じた内田有紀の存在感も光っていて、チンピラのような夫をふりまわして均に迷惑をかけたり、怪しげな仕事を持ってくる反面、均に”最初に戻れ”という的確なアドバイスをするなど、ストーリー上でも重要な役割を担っている。
三木聡監督の作品の常連となっているふせえり、岩松了、松重豊らのコミカルな演技も安定したものがある。

俺俺 感想まとめ

三木聡監督といえば脱力系コメディという印象があり、過去の作品を見ても今作が異彩を放っていることがよくわかる。
原作の星野智幸の小説は、2011年の大江健三郎賞を受賞した作品でもあり、映像化不可能とまで言われた作品。

「世にも奇妙な物語」に似た雰囲気の作品で、まるで”映画版・世にも奇妙な物語”といった印象を強く受ける。
三木聡が監督した他の作品よりも小ネタやギャグは最小限に抑えて作られているが、選挙のポスターの文字や看板に書かれた目、内田有紀の的を得ない説明のシーンなどが笑いを誘う。

2009年に三木聡監督、脚本、麻生久美子主演で加瀬亮も出演した「インスタント沼」に登場した主人公のペット、”ウサギのゴンザブロー”が再登場しているのには笑ってしまう。

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