映画『おろち』あらすじネタバレ結末と感想

おろちの概要:楳図かずおの漫画を原作にしたホラーサスペンス映画。美人だけの家系に隠された恐ろしい運命を、謎の少女おろちが見続ける様子を描いた。監督はホラー映画を多く手掛ける鶴田法男。

おろち あらすじネタバレ

おろち
映画『おろち』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

おろち あらすじ【起・承】

昭和25年。
嵐を避けるため、門前家の屋敷に入り込んだおろち。
彼女は不思議な力を持ち、長い時間を生きて人を見続けている少女だった。

銀幕の大スターと呼ばれる女優の門前葵と、一草、理沙の美しい姉妹の様子が気になり、お手伝いと思い込ませて屋敷で暮らし始めるおろち。
妹の理沙が歌で初舞台を踏むと、比較するように厳しい歌のレッスンを受けるようになる一草。
やがて一草は、歌よりも芝居に興味を持つように。
立入禁止の上の階の部屋に閉じ込められた門前葵の母と、代々受け継がれる門前家の女の醜くなる運命を知ると、おろちは家を出る。

その後、門前葵の引退を知ったおろちは、不思議な力で屋敷を盗み見る。
車を暴走させ、自殺しようとした葵を助けたものの、彼女の体には醜いアザができていた。

そして怪我を負ったおろちには、100年に一度だけ訪れる長い眠りの時間が、いつもよりも早くやってくる。

気が付いたおろちは、不思議な力を失い、良子として生活していた。
そして、姉を手伝う理沙に引き取られ、門前葵と瓜二つに成長し女優になった一草に会い、門前家のお手伝いとして暮らすことになる。

おろち あらすじ【転・結】

一草の恋人の大西は、理沙と二股をかけ、伝説となった門前葵の行方を探っていた。
その門前葵は、変わり果てた醜い姿で屋敷の上の部屋にいて、理沙に秘密を打ち明けると命を落とした。
一草は理沙だけが美しいままで、自分だけが醜くなる運命に耐えられず、理沙をひどくいじめるように。
理沙は一草を説得し、門前家の主治医でもある執事の西条の手術で、一草と良子の血をすべて入れ替えようとする。
そして良子は命を落とした。

目覚めたおろちは、良子として過ごしていたことが夢ではなく現実だとわかり、門前家に急ぐ。

血を入れ替える手術が失敗し、自暴自棄になった一草は自らの顔を傷つける。
そして西条を殺害し、大西や理沙もその手にかけようとするが、そこに現れた良子と瓜二つのおろちに衝撃を受ける。
おろちは良子の最後の思いを読み取り、門前家を去っていった。

その後、アザができ始めた理沙は、血がつながっていないのは一草だと教える。
血のつながりだけの理沙は、母に愛され、美しいままでいられる一草に嫉妬してだましていたのだった。
真実を知った一草は命を絶ち、醜い姿と化した理沙が残された。

おろち 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2008年
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 監督:鶴田法男
  • キャスト:木村佳乃、中越典子、谷村美月、山本太郎 etc

おろち 批評・レビュー

映画『おろち』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

女性の美に対する怖さを描いた異質なホラー

幽霊や怪奇現象が起こるホラー映画ではなく、あくまでも人間の怖さ、美しさに執着する女性の心の怖さを描いた作品。
木村佳乃と中越典子が、美人姉妹の一草(かずさ)と理沙を演じているが、美しさの中に潜む狂気や執念を見事に演じきっている。

自分だけが醜くなると知らされた一草が理沙に当たり散らすシーンは、やりすぎで演技臭い部分もあるが、自分で食事に異物を入れて理沙のせいにするという部分にリアリティを増している。
終盤で、変化が始まった理沙が、血がつながっていないのは一草だと静かに告げるシーンも、姉妹の静と動を演出するのに役立っている。
衣装の色が緑で統一された一草と、青に統一された理沙との対比も見事。

木村佳乃が、母の葵と一草の2役を演じているのも、理沙の嘘に真実味を増している上手い演出。

狂言回しの役割でもあるおろち役の谷村美月も神秘的な雰囲気が出ていて、見事な演技を発揮している。
タイトルでもある、おろちの存在感が薄いのが気になるが、影からひっそりと見ているという役回りとしてはベストだろう。

モノローグが多すぎる

時代設定が昭和で、現代では耳にしない「親子流し」や「銀幕」という言葉が使われているが、わからなくても支障が無い程度にしか出てこないので安心して見ることができる。
体中の血を入れ替えるなど、現代では荒唐無稽でしかないものも、昭和を舞台にしたことで説得力を出している。

モノローグの多さが目につき、おろちが何者なのかという序盤のセリフ以外はやり過ぎという印象が強い。
ラストの一草と理沙がどうなったかの説明や、あなたの近くにもおろちはいる、というような部分には取ってつけたようなイメージが残る。

おろち 感想まとめ

王道のホラー映画ではなく、サイコサスペンスに近い作品だが、美しさに執着する美人姉妹の怖さを丁寧に描いた作品。
楳図かずおの漫画を原作とした作品には、失敗作と呼ばれるものが多く、自伝的ホラー映画「マザー」も面白味に欠ける作品だったが、本作は高い完成度を誇っている。

日本を代表するホラー映画「リング」の脚本も手掛けた高橋洋、「リング0」をはじめとするホラー映画監督の鶴田法男のタッグの作った世界観は見事。
原作を知らなくても十分に楽しめる作品で、木村佳乃の中越典子の演技には度肝を抜かれる。

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