『弟切草』あらすじ感想とネタバレ映画批評・評価

弟切草の概要:サウンドノベルゲームを元にした2001年公開のホラー映画。監督は下山天、主演は奥菜恵で一人二役をこなしている。突然相続する事になった屋敷を訪れた奈美が、ゲーム会社に務める元彼と共に知る真実とは。

弟切草 あらすじ

弟切草
映画『弟切草』のあらすじを紹介します。

美大に通う奈美は、両親が実は養父母であり、実の父は有名な画家である階沢蒼一だったと知る。
だが階沢蒼一は亡くなっており、奈美は大きな屋敷を相続する事になる。
小さなゲーム会社を立ち上げた元彼の公平と共に相続した屋敷を訪れると、弟切草という花が庭一面に生えていた。
”復讐”という花言葉だと知り、不吉な予感に襲われる奈美。

2人で屋敷の中を見て回るうちに、奈美の昔の写真が見つかり、彼女には直美という双子の片割れがいた事が発覚する。
しかし子供のミイラを見つけ、急いで帰ろうとする2人だったが、土砂崩れの影響で屋敷で一晩過ごすことになってしまう。
屋敷の中で突然何者かに襲われる奈美だが、それがきっかけで自分の出生の秘密を探ることを決意する。

一方、会社に残っていた真一と透子は、公平のビデオカメラの映像を受け取っており、屋敷の地図を作っていたが、隠し部屋を見つけ公平に連絡する。
そこには屋敷中にセットされた監視カメラのモニターがあり、真一と透子も一緒に奈美を襲った犯人を探し出す。
だが、犯人と思っていた管理人の遺体と共に、6体の子供のミイラも発見される。
真一と透子の調べで、子供のミイラが生前に辿った真実が明らかになっていく。

しかし、直美とおぼしき人物にボウガンで襲われる公平。
その人物に奈美も出会い、最後の隠し部屋に導かれる。

そこで明らかになる双子の姉弟の真実と直美の目的は、目を背けたくなるほどおぞましいものだった。

弟切草 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2000年
  • 上映時間:85分
  • ジャンル:ホラー、ミステリー
  • 監督:下山天
  • キャスト:奥菜恵、斉藤陽一郎、大倉孝二、松尾れい子 etc

弟切草 批評 ※ネタバレ

映画『弟切草』について、感想批評です。※ネタバレあり

デジタルビデオ撮影と加工の残念さ

サウンドノベルゲームがヒットし、小説やコミックスにも展開していった弟切草シリーズの映画化作品。
独特のムードを出すために、全編デジタルビデオ撮影された後、デジタル加工がほどこされているのだが、暗くて見えにくいシーンが多く、伝えたいことが伝わらない場面が多い。
特に、管理人が奈美を襲った犯人だと断定できるのは公平の証言だけになっており、その後の遺体をさりげなく映したシーンも見えにくいため、ミスリードの意味が全く無い。
しかし、直美が鎖につながれてモデルになっているシーンや、ミイラのシーンが程よく見えにくいので、どこか安心して見る事ができる部分もある。
一部を除けば、幻想的な雰囲気を出すのに役立っている撮影方法だ。

弟切草の花言葉は”復讐”だと意味深に語っているものの、花言葉には全く意味が無く、奈美が残された絵を見て弟切草があると理解する手伝いしかなされていない。

ゲームと使った少人数のスリム型の映画

公平に怪我をさせ、奈美を襲った双子の妹直美は、実は双子の弟だったというオチは、双子を使うミステリーの掟破りの中でも男女の違いというだけで、どこか不安定さを感じさせる不気味な設定。
弟の命と父の執念に突き動かされた奈美が、”両眼を炎に染める女”を完成させるシーンは、鬼気迫るものがある。

登場人物が極端に少なく、ゲーム会社でサポートする真一と透子、実際に動く公平と主人公奈美、そして双子の直美。
男女の双子を一人二役で演じた奥菜恵を考えれば、4人のキャストでもここまで作れるのかと感心する。

足りない部分はゲームの場面で補ったり、2人とも救われないエンディングと思わせておいて、もうひとつ奈美が作成した別エンディングが見せられる。
それまでが現実をベースにしたゲームの世界であった、という設定やストーリーは面白い。
作った覚えのないものがあるという終わり方は斬新だ。

だが、行方不明になった後に屋敷でミイラになっていた少年たちはなぜそうなったのか、直美の行方不明記事の意味はなんだったのか、あやふやなまま終わってしまうので、消化不良で終わるストーリー。

弟切草 感想まとめ

有名なサウンドノベルゲーム”かまいたちの夜”を作った会社から発売された”弟切草”をモデルに製作されたホラー映画。
幸せに育った双子の姉と不幸な生い立ちを背負った弟が再会した時の恐怖を描いたもので、ゲームとは違った設定もあるために楽しむことが出来る。

鍵が見つかったり、隠し部屋を探すなど、脱出ゲームに近い展開もあってわくわくしながら見ることができる。
主要人物意外はゲーム画面での登場になるので、それもゲームから作られた映画、というイメージを強調させている。
2001年当時は斬新だったかもしれないが、近年では無料ゲームアプリなどでよく見かける、デジタル加工された映像はもったいない印象を与える。

ホラーテイストの脱出ゲームが好きで、元になったゲームをプレイしたことがなければ楽しめるだろう。

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