映画『男はつらいよ 奮闘篇』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「男はつらいよ 奮闘篇」のネタバレあらすじ結末

男はつらいよ 奮闘篇の概要:『男はつらいよ』シリーズの第7作目となる作品。軽度の知的障害がある娘と出会った寅さんは、彼女の幸せを真剣に考える。マドンナの花子を演じたのは榊原るみ。寅さんの実母にはミヤコ蝶々、花子の恩師には田中邦衛がキャスティングされ、面白い芝居を見せている。

男はつらいよ 奮闘篇の作品情報

男はつらいよ 奮闘篇

製作年:1971年
上映時間:92分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:山田洋次
キャスト:渥美清、倍賞千恵子、榊原るみ、光本幸子 etc

男はつらいよ 奮闘篇の登場人物(キャスト)

車寅次郎(渥美清)
通称寅さん。テキ屋をしながら全国を旅している渡世人で、なかなか腰が落ち着かない。今回は知的障害のある花子という娘と出会い、親身になって彼女の面倒を見る。家族に迷惑ばかりかけている困り者だが、花子は寅さんの優しさを見抜く。
花子(榊原るみ)
青森県西津軽郡出身の娘。家庭の事情で静岡の紡績工場へ働きに出されるが、つらい仕事に耐えきれず逃げ出す。故郷に帰ろうとして迷子になっていたところを寅さんに救われる。軽度の知的障害があり、幼い少女のような愛嬌がある。歌がうまい。
菊(ミヤコ蝶々)
寅さんの実母。昔は柴又で貧乏芸者をしていたが、現在は京都でラブホテルを経営している。寅さんから「近いうちに嫁をもらう」という葉書が届き、30年ぶりに柴又へ帰ってくる。苦労人で、非常に気が強い。
福士先生(田中邦衛)
青森の小学校の先生で、花子の恩師。障害のある花子を自立させるため、厳しい指導を心がけてきた。花子がとらやでお世話になっていることを知り、青森から彼女を迎えにくる。
さくら(倍賞千恵子)
寅さんの腹違いの妹。寅さんの実母の菊とは面識がなく、今回初めて対面する。不出来な兄を支える賢い妹で、誰よりも寅さんの幸せを願っている。タコ社長の印刷工場で働く夫の博との間に、まだ幼い満男という息子がいる。
車竜造(森川信)
通称おいちゃん。寅さんとさくらの父親の弟。兄が早くに亡くなったので、甥と姪の父親代わりを務めてきた。寅さんとは、「喧嘩するほど仲がいい」という関係。
車つね(三崎千恵子)
通称おばちゃん。竜造の妻。子供に恵まれなかったこともあり、寅さんとさくらを自分の子供のようにして育ててきた。誰に対しても優しい。

男はつらいよ 奮闘篇のネタバレあらすじ

映画『男はつらいよ 奮闘篇』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

男はつらいよ 奮闘篇のあらすじ【起】

春が近づいてきた頃。まだ雪の残る越後広瀬駅では、集団就職で都会に旅立つ若者たちとその家族が別れを惜しんでいた。旅の途中だった寅さんは、まだあどけない顔をした若者たちに、「東京で故郷が懐かしくなったら葛飾柴又のとらやを訪ねな」と声をかけ、彼らを見送ってやる。しかし、自分も東京へ帰るつもりだったのだと気づき、慌てて汽車を追いかけるのだった。

数日後、東京は葛飾柴又の帝釈天参道にあるだんご屋の「とらや」に、寅さんの実母の菊がやってくる。昔、柴又で貧乏芸者をしていた菊は、寅さんの父親(おいちゃんの兄)と男女の仲になって寅さんを生み、赤ん坊だった寅さんを置いて、柴又を去っていた。それから30年、いかにも羽振りの良さそうな格好で、突然訪ねてきた菊を見て、おいちゃんとおばちゃんは驚く。

1年ほど前、京都でラブホテルを経営している菊のところに、寅さんから「嫁をもらうことになった」という葉書が届いた。寅さんを捨てた菊は、そんな自分にも結婚を知らせてくれた息子の心遣いに感動し、忙しい中、息子の嫁に会いにきたのだ。しかし、寅さんは振られっぱなしで、結婚などしていない。

ちょうどそこへ、幼い満男を連れたさくらがやってくる。菊は、寅さんの腹違いの妹のさくらに会うのは初めてだった。さくらやおいちゃんは、葉書の女性が誰のことか考えるが、思いあたる女性が多すぎて困ってしまう。その様子から、菊は息子の暮らしぶりを察し、がっかりする。菊は、しばらく帝国ホテルに滞在しているからと言付けし、立派なハイヤーで帰っていく。

その菊と入れ替わるようにして、寅さんが帰ってくる。おいちゃんたちは、すぐ菊に会いに行くように言うが、寅さんは興味を示さない。寅さんは、自分の親はおいちゃんとおばちゃんしかいないと思っていた。

夜、とらやの茶の間では、菊のことで言い争いが続いていた。みんなが真剣に話しているのに、寅さんが大きなオナラをしたので、ついにおいちゃんが怒り出し、2人は大喧嘩になる。

翌日、寅さんはさくらに付き添われ、嫌々ながら菊を訪ねる。しかし、寅さんはふざけてばかりで、菊の話を聞こうとしない。腹を立てた菊に口汚く罵られ、寅さんは部屋を飛び出していく。さくらは、いくらなんでもあんまりだと菊に抗議し、寅さんをかばう。菊は、兄を想うさくらの愛情に感動し、涙を流しながら礼を言う。

男はつらいよ 奮闘篇のあらすじ【承】

寅さんはそのまま旅に出て、静岡県の沼津に行き着く。夜、寂れたラーメン屋に入った寅さんは、1人でラーメンをすすっていた可愛い娘と出会う。娘が店を出た後、ラーメン屋の店主から、あの娘には軽度の知的障害があると聞かされた寅さんは、娘の行く末が心配になる。

駅へ向かった寅さんは、沼津駅前の交番で、あの娘が巡査に詰問され、泣いているのを目撃する。寅さんは巡査をなだめ、優しい口調で娘に名前と住所を聞く。すると娘は泣き止み、自分は花子という名前で青森の西津軽郡から来たと答える。花子は、働きに出された紡績工場から逃げてきたが、家までの帰り方がわからず、路頭に迷っていた。寅さんと巡査は相談し、花子を故郷へ帰してやることにする。

巡査とお金を出し合い、青森までの切符は買ってやったが、花子が汽車を乗り継いで青森まで帰れるかどうか、寅さんは心配でたまらない。改札口まで花子を送った寅さんは、「かつしかしばまたのとらや」と書いた紙を彼女に持たせ、もし東京で迷子になったら、警察にこれを見せるよう言い聞かせておく。本当は一緒に行ってやりたかったが、2枚分の切符を買う余裕がなかった。

それからしばらくして、花子が寅さんを頼り、とらやにやってくる。花子の拙い説明では、詳しい事情がよくわからず、さくらたちは困惑する。江戸川で花見中だったタコ社長や博にも帰ってもらい、花子をどうするべきか相談していると、付け髭とメガネで変装した寅さんが店の前を横切っていく。寅さんは花子のことが心配で、柴又へ帰ってきたのだ。

わざわざ公衆電話から電話をして、花子が来ていることを確かめた寅さんは、すごい勢いで店に飛び込んでくる。花子は寅さんの顔を見て、ホッとしたように泣き出す。寅さんは、そんな花子のことが、可愛くて仕方がないようだった。

男はつらいよ 奮闘篇のあらすじ【転】

寅さんはおいちゃんたちを説得し、花子をとらやに置いてもらう。さらに、タコ社長に頼んで、裏の印刷工場で花子を雇ってもらう。タコ社長は、快くそれを了承してくれたが、いざとなると、寅さんの方が不安になってくる。見た目は年頃の娘だが、心は子供のままの花子が悪い男に騙されないか、寅さんは心配でたまらなかった。

疑心暗鬼になった寅さんは、花子を人に任せることができず、自分の目の届く場所に置く。おいちゃんやおばちゃんは、寅さんの過保護ぶりを見て、このままでは花子のためにも良くないと焦り始める。さくらもそう考え、青森の役場に速達を出していたが、まだ返事はなかった。

今日も寅さんと一緒に江戸川の土手へ来て、大好きな歌を歌っていた花子は、故郷でお世話になっていた福士先生のことを思い出す。花子から福士先生の話を聞いた寅さんは、「福士先生のお嫁さんになりたいのか?」と尋ねる。しかし、福士先生は既婚者だった。話の流れで、寅さんにはお嫁さんがいないと知った花子は、「私、寅ちゃんの嫁になるかな」と何気なく口にする。寅さんは、そんな花子の気持ちが嬉しく、思わず涙ぐんでしまう。

寅さんは真剣に花子との結婚を考え始め、とらやの一同を驚かせる。常に寅さんの味方のさくらは、それもいいのではないかと考えるが、おいちゃんやおばちゃんは反対だった。おばちゃんに、それで花子が幸せになれるのか冷静に考えてみろと叱られ、さくらは黙り込む。

寅さんが商売に出かけた日。役場から連絡を受けた福士先生が、青森から花子を迎えにくる。小学校の時から花子を見てきた福士先生は、障害のある彼女の将来を真剣に考え、厳しい指導を心がけてきた。花子もそんな福士先生のことを心から信頼しており、先生が迎えにきてくれたことを喜ぶ。寅さんは怒るだろうが、花子は福士先生と故郷に帰るのが1番良いと考えたとらやの一同は、花子を快く見送ってやる。

男はつらいよ 奮闘篇のあらすじ【結】

夜、商売から帰った寅さんは、自分に断りもなく、花子を故郷へ帰したさくらたちを責める。さくらは心を鬼にして、花子は福士先生の側にいた方が幸せなのだと寅さんに告げる。寅さんは深く傷つき、そのまま旅に出てしまう。

梅雨の頃。あれ以来、連絡のなかった寅さんから、速達で葉書が届く。寅さんは青森まで花子の様子を見に行ったらしく、「花子も元気にしていたし、俺はもう用のない人間だ」と書いていた。まるで遺書のような内容に、とらやの一同は、寅さんが自殺をするのではないかと不安になる。おいちゃんとおばちゃんがあまりに心配するので、さくらは博の許しを得て、大急ぎで青森へ向かう。

何度も汽車を乗り継ぎ、ようやく花子の故郷にたどり着いたさくらは、福士先生がいる小学校を訪ねる。花子はその小学校で、雑用係のような仕事をしていた。さくらは、賑やかな小学校で元気に働く花子を見て、やはり故郷に帰してあげて良かったと安堵する。

福士先生はさくらを歓迎し、寅さんが訪ねてきた時の話をする。寅さんは、幸せそうな花子を見て安心したようで、その夜は福士先生と酒盛りをしていた。福士先生は、面白い寅さんにもっといて欲しかったが、寅さんは仕事を理由に翌日には旅立っていた。さくらは寅さんの気持ちを考え、何となく切なくなる。

これ以上はどうしようもないので、さくらは東京へ帰ることにする。しかし、内心は、寅さんのことが心配でたまらなかった。さくらはバスに揺られながら、あれこれと悪い想像をしてしまう。するとそこへ、賑やかな観光客らしき一行が乗り込んでくる。中心でみんなを笑わせていたのは、なんと寅さんだった。さくらは「この葉書は何よ!」と怒りつつも、すっかり元気になった寅さんを見て、安堵の笑みを浮かべるのだった。

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