映画『男はつらいよ 純情篇』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「男はつらいよ 純情篇」のネタバレあらすじ結末

男はつらいよ 純情篇の概要:男はつらいよシリーズ第6作目となる作品。マドンナの若尾文子が艶っぽい人妻を演じている。サブストーリーに登場する宮本信子の父親役に森繁久彌がキャスティングされており、少ない出番ながら強烈な印象を残す。寅さんとさくらの別れのシーンも秀悦。

男はつらいよ 純情篇の作品情報

男はつらいよ 純情篇

製作年:1971年
上映時間:90分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:山田洋次
キャスト:渥美清、倍賞千恵子、若尾文子、森川信 etc

男はつらいよ 純情篇の登場人物(キャスト)

車寅次郎(渥美清)
テキ屋稼業を生業として、全国を渡り歩いている渡世人。いつまでも腰の落ち着かないフーテンだが、東京の葛飾柴又には、いつ帰っても自分を優しく迎えてくれる妹のさくらやおいちゃん、おばちゃんたちがいる。だから自分は一人前になれないのだと思っている。
明石夕子(若尾文子)
おばちゃんの遠縁にあたる人妻。小説家の夫と別居したので、住み込みでとらやを手伝い始める。大変な美人で、寅さんに惚れられる。夫が長年スランプに陥っているため、安定した暮らしができずにいる。
さくら(倍賞千恵子)
寅さんの異母妹。兄の寅さんとは正反対の真面目な女性で、夫の博と息子の満男と慎ましい生活をしている。いつでも寅さんの味方になってくれるありがたい存在。
博(前田吟)
さくらの夫。北海道の実家を飛び出し、新宿でグレていた時にタコ社長に拾われ、一人前の印刷工にしてもらった。そろそろタコ社長の印刷工場から独立して、自分の工場を持ちたいと考えている。
梅太郎(太宰久雄)
通称タコ社長。とらやの裏手で小さな印刷工場を経営している。工場の主力であり、他の工員からも信頼されている博に独立されると、工場が潰れてしまうと焦る。いつも金策に追われている苦労人。
車竜造(森川信)
寅さんの叔父。早くに両親を亡くした寅さんとさくらを、我が子同然に育ててきた。寅さんとはよく喧嘩をするが、常に甥っ子の将来を心配している心優しいおいちゃん。
車つね(三崎千恵子)
竜造の妻。料理が得意で家庭的な寅さんのおばちゃん。いつも忙しく働いている。
絹代(宮本信子)
五島列島の小さな島が故郷の女性。ギャンブル狂いの夫と別れるつもりで、赤ん坊を連れて実家に帰る。長崎の港で寅さんと出会い、宿代を貸してもらう。幼い頃に母親を亡くし、父親に育てられた。

男はつらいよ 純情篇のネタバレあらすじ

映画『男はつらいよ 純情篇』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

男はつらいよ 純情篇のあらすじ【起】

寂れた食堂でラーメンをすすっていた寅さんは、江戸川周辺を紹介するテレビ番組を目にする。画面には、おいちゃん、おばちゃん、そして妹のさくらまで映し出され、寅さんはテレビに釘付けになる。一方、柴又のとらやの茶の間でも、みんなで集まってその番組を見ていた。そこへ、寅さんから電話が入る。寅さんは商売のため、山口県から九州に向かうところだった。久しぶりにさくらの声を聞き、寅さんは無性に故郷が懐かしくなる。

長崎の港。寅さんは五島列島行きの船に乗り遅れ、近くに座っていた絹代という女性に声をかける。絹代は赤ん坊を背負い、疲れた顔をしていた。行こうとする寅さんを絹代が呼び止め、今夜の宿代を貸して欲しいと言い出す。

寅さんは絹代を宿に連れて帰り、話を聞いてやる。絹代は夫のギャンブル狂いに耐えかねて家出し、故郷の島へ帰る途中だった。ひとしきり愚痴を言った後、絹代は何もお礼ができないからと言って、服を脱ぎ始める。寅さんは驚き、そんなことをしてはいけないと絹代をたしなめる。

翌日。3年前、駆け落ち同然で家を出ていた絹代は、家へ帰りづらいと言い出す。仕方がないので、寅さんは絹代を実家まで送ってやる。絹代の故郷は五島列島の小さな島で、実家には父親が1人で暮らしていた。寅さんは久しぶりに対面した親子に気を遣い、日が暮れるまで島をブラブラして時間を潰す。

暗くなって絹代の家に戻ると、父親が旦那の所へ帰れと娘を叱っていた。絹代は帰りたくないと泣いていたが、父親は自分が死んだ時のことを考え、娘を突き放す。2人の話を聞いていた寅さんは、「帰る所があると思うから甘えるんだ」という父親の言葉に感銘を受ける。寅さんは自分もそうなのだと深く反省するが、柴又のことを語っているうちにどうしても帰りたくなり、最終の渡し船に飛び乗る。

男はつらいよ 純情篇のあらすじ【承】

柴又のとらやでは、おばちゃんが2階の大掃除をしていた。おばちゃんの遠縁にあたる夕子が、夫と別居したので住み込みで働きたいと言ってきたのだ。ちょうどこれから忙しくなる時期なので、おいちゃんたちも夕子が店を手伝ってくれると助かる。しかも夕子はとびきりの美人だった。

夕子が来てくれるのはとらやにとってありがたい話だったが、1つだけ不安なのは寅さんのことだった。おいちゃんたちが帰ってきて欲しくない時に限って、ひょっこり帰ってくるのが寅さんなのだ。そして、悪い予感は的中し、満面の笑顔で寅さんが帰ってくる。

おいちゃんたちは遠慮しながら、2階の寅さんの部屋を下宿人に貸したのだと打ち明ける。案の定、寅さんはいじけてしまい、またすぐ旅に出ようとする。ところが、買い物から帰ってきた夕子を見た途端、寅さんの態度が一変する。予想通りの展開ではあるが、寅さんは美しい夕子に一目惚れしていた。

寅さんはさっきまで怒っていたのも忘れ、帝釈天にお参りしたいという夕子についていく。おいちゃんはこれから先のことを考え、気分が悪くなる。

夜。さくらの一家が暮らす狭いアパートで、博が田舎の父親に手紙を書いていた。博はタコ社長の印刷工場から独立することを考えており、機材を買うための資金を貸して欲しいと手紙に書く。さくらは博のことも心配だったが、それ以上に寅さんと夕子のことが気になっていた。

翌日。夕子はいろいろあって疲れていたので、ゆっくり寝かせて欲しいとおばちゃんに頼む。しかし、寅さんは病気ではないかと大騒ぎして、近所のヤブ医者を連れてくる。夕子は騒がしくて眠れなかったが、うるさいとらやにいるとなぜか心が休まるのだった。

満男を連れてとらやへ来ていたさくらは、寅さんが夕子のことでおいちゃんと喧嘩をし始めたので、怒って帰ってしまう。さくらは、寅さんが夕子のことで笑い者になっていることに胸を痛めていた。寅さんはさくらを追いかけ、素直に謝る。寅さんが夕子に惚れてしまう気持ちはさくらにもよくわかるのだが、別居中とはいえ、彼女は人妻なのだ。寅さんも頭ではわかっているのに、気持ちが抑えきれず、自分でも困っていた。

男はつらいよ 純情篇のあらすじ【転】

夕子が店に出るようになって、とらやは繁盛する。寅さんは外へ出て、商売に精を出していた。そんなある日、博が独立するという噂を聞いたタコ社長がとらやに飛び込んできて、「俺の工場はもう終わりだ」と騒ぎ出す。博はタコ社長の小さな工場を支えている大黒柱だった。

その夜、寅さんはさくらのアパートに呼ばれ、博の独立について相談を受ける。さくらは、一緒に働いている人たちのことを考え、今は我慢して工場に残るべきだと考えていた。しかし、博は「人生は賭けなんだ!」と言って、さくらに反論する。寅さんはその心意気に胸を打たれ、博の独立に賛成する。

独立賛成派となった寅さんは、タコ社長に博の独立を伝えに行く。しかし、タコ社長に泣きつかれ、ついつい「俺に任せな」と言ってしまう。

博の返事が気になっていたタコ社長は、翌朝早くに結果を聞きにくる。まだ寝ていた寅さんは、博は工場を辞めないと適当なことを言って、タコ社長を追い返す。寅さんは再び布団に潜り込むが、今度は博に起こされる。寅さんは面倒臭くなり、博には社長が独立することを許したと言ってしまう。

タコ社長と博はお互いの希望が叶ったと思い込み、真実を知らないまま和解する。その夜、タコ社長のおごりで、とらやでは大宴会が開かれる。寅さんは自分の嘘を隠すために話を誤魔化していたが、博がタコ社長に「独立を許してくれてありがとうございます」と感謝の言葉を述べ始め、寅さんの嘘がバレてしまう。タコ社長は話が違うと怒り出し、博も腹を立てて帰ろうとする。しかし、さくらに説得され、博は独立宣言を撤回してタコ社長に謝罪する。タコ社長は感極まって泣き出し、寅さんいつものように冗談を言ってみんなを笑わせる。夕子は本音をぶつけ合って生きている寅さんたちの姿に胸を打たれ、感極まって涙を流す。

男はつらいよ 純情篇のあらすじ【結】

それからしばらくして、寅さんが原因不明の体調不良で寝込んでしまう。体が丈夫なことだけが取り柄の寅さんが、3日もご飯を食べないので、おいちゃんたちは心配して医者を呼ぶ。しかし、例のヤブ医者は患者が寅さんだと知ると、診察もしないで帰ってしまう。

さくらは何か思い当たることはないのかと尋ねるが、寅さんにも原因はわからない。症状を聞いた博は、恋の病ではないかと推測する。おいちゃんたちは、まさかと思っていたが、夕子が「早く病気が治って、また寅さんに散歩へ連れて行って欲しいわ」と言うのを聞いた途端、寅さんは急に元気になり、モリモリとご飯を食べ始める。その様子を見て、夕子は寅さんの気持ちに気づいてしまう。

すっかり元気になった寅さんは、張り切って夕子と散歩に出かける。江戸川沿いを散歩しながら、夕子は遠回しに寅さんの気持ちには応えられないことを打ち明ける。しかし、寅さんは夕子に想いを寄せる男というのをあのヤブ医者のことだと勘違いして、わざわざ病院へ行き「あきらめろ」と的外れな忠告をする。寅さんは気の毒なほど鈍感だった。

それからしばらくして、夕子の夫がとらやまで夕子を迎えにくる。夫に「帰ってきてくれ」と言われ、夕子は黙って荷物をまとめ始める。夕子は今度こそ本気で別れようと思っていたが、やはり夫を見捨てることはできなかった。

夕子がおいちゃんたちに別れの挨拶をしていると、外へ出ていた寅さんが帰ってくる。寅さんは悲しみをこらえ「どうか幸せになって下さい」と言って、夫と帰っていく夕子を見送る。

その夜、寅さんも旅に出る。さくらが柴又駅のホームまで見送りに来てくれた。別れ際、「つらいことがあったらいつでも帰っておいで」とさくらに言われ、寅さんはそんなことだから自分はいつまで経っても一人前になれないのだと思う。それでも、さくらやおいちゃんたちのいてくれる故郷は、寅さんにとってかけがえのない場所だった。

お正月。絹代は寅さんにお礼が言いたくて、夫と共にとらやを訪れていた。事情を聞いたさくらは、父親に電話するよう絹代に勧める。絹代はとらやの電話を借りて、夫婦で住み込みの仕事を始めたので心配しないよう父親に伝える。独りぼっちで寂しい正月を迎えていた絹代の父親は、元気そうな娘の声を聞いて涙を流す。その頃、寅さんは浜名湖のほとりで商売に励んでいた。

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