映画『パリ3区の遺産相続人』あらすじネタバレ結末と感想

パリ3区の遺産相続人の概要:家族と疎遠のバツ3のニューヨーカーが、父から貰ったアパートは、ワケあり物件だった。売ろうにも売れない物件から男が学んだものとは。フランス独特の不動産事情が垣間見えるヒューマンドラマ。

パリ3区の遺産相続人 あらすじネタバレ

パリ3区の遺産相続人
映画『パリ3区の遺産相続人』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

パリ3区の遺産相続人 あらすじ【起・承】

NY在住のマチアス(ケヴィン・クライン)は58歳独身、アル中バツ3、身寄りなし、人生黒歴史に塗りたくられ惨敗記録更新中。
唯一の身内である父と音信不通になった理由も、父親が不倫し、母がそれを苦にして自殺した事だった。

ある日、マチアスの父が亡くなったと代理人から知らされ、マチアスは旅費を工面する為、身辺整理をした後でパリへ向かった。
が、父のアパートにはマティルド(マギー・スミス)という名の老女が居た。

マティルドが主張するには、マチアスの父と『ヴィアシン(終身)』契約を結んでいるので、ここに住んでもいいけど、私が生きてる間は、
私に毎月2400ユーロ年金として払ってと、のたまうのだ。
父親が遺産で残した絶景のアパートに、売主が住み着いているとは思わなかったマチアスは怒り、毎月2400ユーロも払えるかと、
家財用具を売り払って毎月彼女に支払う金を工面しようとする。

しかもこのアパートには、マティルドの娘クロエ(クリスティン・スコット・トーマス)まで出入りしていた。

パリ3区の遺産相続人 あらすじ【転・結】

自分の遺産のはずなのに、他人に乗っ取られている感覚に憤慨したマチアスは、所有権そのものを売り飛ばそうとする。
しかし不動産会社は、契約そのものが解約する事が難しいと難色をしめす。
マチアスは荒れ、クロエが語学教師で、妻子持ちの男性の生徒と不倫しているのを知り、バラすぞと脅す。

そんなある日、マチアスは、マティルドの机の引き出しから、若かりし頃の父と若い頃のマティルドが映っている写真を見つけショックを受ける。
彼女は父親の不倫相手で、母親を自殺に追い込んだ女性だったのだ。

今までの人生にこだわるマチアスにマティルドは
『貴方には、まだ人生が残っている、それが何よりの財産だわ』という。

クロエもまた、母親の不倫は10歳頃に知っていた。
クロエもマチアスも、お互いの親の異性に対するだらしなさに辟易とし、マチアスは離婚をくりかえし、クロエは不倫に走った。

マチアスとクロエが惹かれ合っている事を喜んだマティルドは、2人が兄妹でない事をDNA鑑定した後、
アパートの所有権をクロエに移し、売却する事にする。

パリ3区の遺産相続人 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:イスラエル・ホロヴィッツ
  • キャスト:ケヴィン・クライン、クリスティン・スコット・トーマス、マギー・スミス、ステファーヌ・フレス etc

パリ3区の遺産相続人 批評・レビュー

映画『パリ3区の遺産相続人』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

フランス独特の不動産事情が生み出した物語

ヴィアジェは、フランスの法律で、70歳以上の身寄りのない1人暮らしのお年寄りを救済する為に、
作られた不動産の法律なのだそうだ。

アパート代を払わなくてもいい代わりに、アポートに住んでいるお年寄りの年金を毎月負担するというシステムである。
国は一戸建てで1人で住んでいる高齢者に年金を払わなくていいし、住んでいる人が家賃代わりに年金を支払うのだから、
国と家主からすれば一石二鳥である。

だが、強いていえば、この映画の様に困るのは借り手だろう。
もしも家主が思ったよりも長生きすれば、その持ち家もしくは、アパートを買った事は損になるのだ。
逆もまた真なりで、購入した途端、家主がお亡くなりになったのであれば、不吉ではあるが、儲け話ではある。

父親の遺産がわけありだった

マチアスは父親の身勝手が許せず、自分のバツ3は棚の上に上げ、父親と音信不通にしていた。
こんな彼のことなので、父親は、自分に申し訳ないと思い素晴らしいアパートを残しておいてくれたのだ、と勝手な期待を胸にいざパリへ行く。

すると住むのなら年金を毎月払えという老婆しかも父親の不倫相手が居るではないか。
そんな事情冗談じゃない。
マチアス、マティルド、クロエが持つ、三者三様の怒り、哀しみの感情が、ここでいかにして昇華されていくか。
ここも見所である。

果たして日本でもこの制度導入は可能か

映画の舞台は、パリ3区。
美しい街並みは、そのまま絵にしたくなる様でもある。

ヴィアジェの様な制度は、一等地の不動産価値が上がり、簡単に買主が見つからないからこそ
成立っているいえる。

映画を観終わった後、果たして日本でこれが成立つかを考えた。
一階もしくは上の階をライブハウスやカフェ、などにしても怒らないような高齢者でなければ
この手のヴィアジェは無理だろうと、考えてしまったのである。

パリ3区の遺産相続人 感想まとめ

映画を観て思ったのが、終の棲家の存在だ。
私の母親の知り合いにも、この映画のマティルドの様に、こじんまりした一軒家を綺麗にして住んでいる老婦人が居た。

頻繁にフランスに行き、向こうの店員ともフランス語でやりあうほどの気丈さだった。
しかし彼女は、娘さんと同居して僅か3年で癌で亡くなってしまった、ストレスが原因である。

こじんまりとしていても、身の回りに気を使い、なれた住まいに住みつづける事も、1つの選択肢だが、
その為には、ヴィアジェを日本風にアレンジしたシステムが必要なのでは、と思った映画だった。

不動産活用や、インテリアに興味ある方には是非お薦めしたい映画である。

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