映画『宇宙人ポール』あらすじネタバレ結末と感想

宇宙人ポールの概要:60年前に地球に墜落して政府に囚われていた宇宙人ポールと、彼を故郷に帰すため奮闘するオタク2人の友情を描いた2011年公開のイギリス・アメリカ合作映画。サイモン・ペッグ&ニック・フロストが脚本と主演を務める。

宇宙人ポール あらすじネタバレ

宇宙人ポール
映画『宇宙人ポール』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

宇宙人ポール あらすじ【起・承】

イギリスに住むグレアム(サイモン・ペッグ)とクライヴ(ニック・フロスト)は、コミックや映画の祭典“コミコン”に参加するためにアメリカへとやって来る。

オタクの彼らが楽しみにしていたのはコミコンだけではなく、有名なUFOスポットを巡ることだった。キャンピングカーをレンタルしてエリア51などの名所巡りを楽しんでいた2人だったが、目の前で一台の車が事故を起こして横転するのを目撃してしまう。

恐る恐る車に近づいた2人の目の前に現れたのは、なんと宇宙人だった。世間で知られるグレイマンと同じような見た目の宇宙人は自らをポール(声セス・ローゲン)と名乗る。ポールは60年前に地球に墜落して以来政府に囚われていたが、逃亡して仲間が迎えに来る場所まで向かう途中だった。

驚きながらも、政府に追われて困っているポールを見放せない2人は、彼をキャンピングカーに乗せて行先も分からないまま北へと向かう。

ジョークや映画の小ネタを交えながら流暢な英語で会話をする、アメリカ文化に染まったポールに最初こそ戸惑うものの、徐々に打ち解けるグレアムとクライヴ。だが、そんな彼らを政府のエージェント・ゾイルが追っていた。

宇宙人ポール あらすじ【転・結】

道中、キャンピングカー専用の滞在施設で一晩を過ごしたグレアムたちだったが、そこで働くルース(クリスティン・ウィグ)がポールの姿を見て気絶してしまう。動揺した彼らは政府に密告されることを恐れてルースを連れ去る。

典型的なキリスト教原理主義者のルースはポールの存在自体を否定していたが、幼いころに失明した左目をポールの治癒能力によって治してもらい、宗教的に説明できない現実を目の当たりにする。そして、宗教の概念から解き放たれた彼女は新たな人生を歩むことを決意し、グレアムと惹かれ合っていく。

ゾイル達の追跡や様々なトラブルを回避しながら目的地へ向かうグレアム一行は、ポールの要望で一軒の家に立ち寄る。そこで暮らしていたのは、かつて墜落したポールを看病してくれたタラだった。

ポールに会ったことを誰にも信じてもらえず、周りに疎まれて一人寂しく生きてきたタラ。そんなタラに第2の人生を与えるため、ポールは自分の故郷へ一緒に連れていくことを決意する。

追っ手から逃れながらポールの仲間が迎えに来る場所まで辿り着いたグレアムたちだったが、そこで待ち受けていたのは政府の人間たちだった。

全員が諦めかけたその時、ゾイルが助けに来る。実はゾイルはポールの友人で、帰郷を援助するために政府を欺いていたのだった。

迎えに来たポールの仲間の助けも借りて政府の人間たちを倒したグレアムたち。そして、ポールとの別れの時間が来る。

数年後、ポールとの話を基に作った小説が売れて人気者となったグレアムとクライヴは、かつて一般人として参加したコミコンに、スペシャルゲストとして呼ばれる。

宇宙人ポール 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:SF、コメディ
  • 監督:グレッグ・モットーラ
  • キャスト:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジェイソン・ベイトマン、クリステン・ウィグ etc

宇宙人ポール 批評・レビュー

映画『宇宙人ポール』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

王道ストーリーでは終わらせない、名コンビの遊び心

サイモン・ペッグとニック・フロストといえば、ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ゾンビ』をコメディに変換した『ショーン・オブ・ザ・デッド』が有名だ。

ホラーでありながらコメディとラブストーリーを絡めた傑作なのだが、その2人が今作では脚本と主演を務めている。

今作のベースラインは、宇宙人に出会ったオタク2人が、彼を故郷に帰すために奮闘しながら成長するというシンプルなもの。その道中に困難や出会い、葛藤を盛り込むことで王道的なストーリーに仕上がっている。

だが、それだけでは終わらせないから面白い。

アメリカ文化に染まった宇宙人が人間にマリファナを教えたり、元キリスト教原理主義者に下ネタを連発させたり、スピルバーグに映画のネタを提供していたのが実は宇宙人だったり、などなど・・・。

イギリスからアメリカに対しての皮肉が遠慮を知らない。しかも、しっかり笑えるからすごい。

こういった遊び心が、王道的なストーリーをさらに盛り上げ、観客を楽しませてくれる。

大量に仕掛けられた映画の小ネタ

今作には、とにかくたくさんの映画ネタが仕掛けられている。

エイリアン』に出演していたシガニー・ウィーバーが悪役として出てきたり、ポールの姿を消す能力が『プレデター』と同じだったり、その他にも『スター・ウォーズ』、『タイタニック』、『イージー・ライダー』など、とにかくたくさんの映画のパロディや小ネタがある。

その中でも特に多かったのが、『E.T.』や『未知との遭遇』などのスピルバーグ作品からの引用だ。いやむしろ、今作の中ではポールがスピルバーグ作品の元ネタという設定になっている。「俺があいつにアドバイスしてやったんだ」と自慢するポール。電話でポールに相談するスピルバーグ(声だけの出演だが、スピルバーグ本人も登場する!)。これはもう、映画ファンのツボを押さえまくっている。

ただひとつ気になるのが、これらの元ネタを知らないと笑えない部分が多いということ。ストーリー自体が素晴らしいので十分楽しめるのだが、元ネタを知っているのと知らないのとでは楽しみ方に差が出てしまうため少しもったいない。

宇宙人ポール 感想まとめ

友情や成長といった万国共通のものに、アメリカ文化への皮肉や映画ネタを盛り込むことで、今までにない面白いSFコメディに仕上がっていると思う。

キリスト教原理主義者だったルースがポールと出会ったことによって別の道に目覚めるというのは面白いが、あそこまで豹変して下ネタを連発するとただのヤバイやつになっている気がする。ルース役のクリスティン・ウィグが最高にキュートだったからどうでもいいが。

「初めて人間を見たとき体型が気持ち悪くて吐いちまった」といったようなことをポールが語っていたが、何気ないシーンにも人種差別への批判をにおわせるようなセリフを入れ込むあたり、さすが名コンビだと思った。

Amazon 映画『宇宙人ポール』の商品を見てみる