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映画『ペイ・フォワード 可能の王国』あらすじ&ネタバレ感想

“この世の中を良くするためには何をしたら良い?”社会科のシモネット先生からの問いに、トレヴァー少年は「人から受けた好意を別の人に回す」ペイ・フォワードを提案し、実行に移すのだが…。

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映画『ペイ・フォワード 可能の王国』 作品情報

  • 製作年:2000年
  • 上映時間:123分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ミミ・レダー
  • キャスト:ケビン・スペイシー、ヘレン・ハント、ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジム・カビーゼル、ショーン・パイフロム etc…

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』のあらすじを紹介します。

ある雨の日、新聞記者のクリスは立てこもり事件の現場に向かうが、なんと逃走する犯人に車を壊されてしまう。途方にくれるクリス、すると見知らぬ男性が「この車をあげるよ」と言って新車のジャガーを差し出してきた。信じられず動転するクリスに対し男性は一言、「3人につなげ!」そう言って立ち去るのだった。クリスはこの奇妙な出来事を取材しようと決意する。するとこの件の発端は、一人の少年が思いついた「ペイ・フォワード(次につなぐ)」であることが判明していく…。

4ヶ月前、7年生(日本の中学1年生)になった少年、トレヴァー。父親のリッキーは重度のアルコール中毒に加え放浪生活でろくに家におらず、たまに帰ってきた時は母親のアーリーンに暴力を振るう。またそのアーリーンもアルコール中毒なのだが、トレヴァーのために断酒を心がけている。しかしあまりうまくいかない上に夜通しカジノやクラブで必死に働いているため、トレヴァーは寂しい日々を過ごしていた。
新学期を迎えた日、担任であり社会科担当であるシモネット先生はクラスのみんなに1年を通じて考える課題を出す。それは「世界をより良くする方法とは?そして自分にできることとは?」というものであった。皆思い思いの考えを述べる中、トレヴァーの答えは「ペイ・フォワード」という親切の連鎖。「3人に親切をする。その3人は別の人に親切を渡す。そうすれば世界に親切の連鎖が広がるはずだ」というものだった。トレヴァー自身もこれを実行しようと、最初の3人をホームレスのジュリー、いじめられっ子、シモネット先生に決めるのだが…。

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映画『ペイ・フォワード 可能の王国』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

「ペイ・フォワード」の意味とは?

この映画のタイトルでありトレヴァーの考えの総称でもある「ペイ・フォワード」。正しい原題は「Pay it forward」です。これは「Pay back」から連想したもので親切を貰った人に親切を返す、悪いことをされたら復讐し返す、といった意味があります。「forward」には転送する、といった意味があるので親切を返すばかりでなく、他の人に転送しようという考えからトレヴァーはこの言葉を思いつきました。

なぜトレヴァーは死んでしまったのか?

誰もが予想していない展開だったと思います。「ペイ・フォワード」を提唱していながら今までいじめられっ子を助けられなかったトレヴァー。勇気を出して助けに行っただけなのに、逆にナイフでお腹を刺されてしまいました。刑務所に入っていた黒人の青年のように、例え前科のある者でも親切を受け、与える権利が有ると描写していたはずなのに、なぜトレヴァーは死ななければならなかったのか。因果応報といったわけでもなければ、「ペイ・フォワード」に落ち度があったわけでもありません。それは最後にトレヴァーの死を惜しむ人の数からして分かります。考えられるのは、親切をしたいという考えだけでは現実だと痛い目を見る場合もある、現実は甘くない、と伝えたかった場合。そしてもしくは、実は「ペイ・フォワード」は世界中に広がっていたということを効果的に表現する演出のために死んでしまった。どちらにしても子どもが子どもの命を奪うというあまりに酷な展開ではなく、もっと穏やかなエンディングは無かったものかと感じてしまいます。


ハーレイ・ジョエル・オスメント好きなら見て損のない作品。彼の演技は言うまでもなくケビン・スペイシーも侮りがたい。

今や近所の子供の声をかけるだけで事案になる時代。親切を次に回すという考えは素晴らしいと思うし、その精神でいれば世の中はもう少しましになるだろう。とはいえ、ラストがある意味衝撃だったのでリピートはしたくない。ちょっと最後が涙の押し売り的な感じがしたので残念。残酷な方が確かにリアルではあるが。(男性 30代)


恋愛要素は必要なのかな?と思いましたが、内容は深くてとても良い映画でした。泣けます。こんな世界が実現できたら本当にすごいと世界平和について考えさせる、メッセージ性のある映画でした。
ただ、ラストは無理矢理感動に持って行った気がしてなりません。ラストのどこにそうなる必要が?と思いますし、ラストまでの良い流れを急にリアルに引き戻しました。アル中の母親だったり、火傷した先生だったりよりもリアルですね。その親切は自己満足なのかとも考えさせる映画です。(女性 30代)

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』 まとめ

私がこの映画を見たのはトレヴァー少年と同じ中学生の時でした。映画の中とはいえ、同じ年頃の子がこのような考えを思いつくなんて凄いと思いましたし、素晴らしい考えだから是非成功して欲しいと鑑賞しながら願っていました。それは、現実では非常に難しい試みであることを感じていたからかもしれません。実際トレヴァー少年も幾度も壁にぶち当たり、時には親切の輪が止まってしまったりとなかなか思い通りにはいきませんでした。しかし先生と母親の仲もうまい具合に進展し、ペイ・フォワードもなんとかトレヴァーなりに納得できる結果を納めハッピーエンドに繋がると思った瞬間です。トレヴァーはいじめっ子から友達を助けるため仲裁に入り、誤ってナイフで刺されてそのまま亡くなりました。衝撃すぎて呆然としてしまったのを覚えています。自宅で号泣する母と先生のもとに大勢の人々が現れます。それらは全員、「ペイ・フォワード」のおかげで救われたという人々で、トレヴァーの弔いにやって来たのです。一人の少年の考えが、数え切れない人々を幸せにしたという感動のラストなのですが、やはり死んだことに対する衝撃が抑えきれず、最後にきて置いていかれた感じがしました。それ以外の俳優たちの素晴らしい演技、親切の渡し方なども非常にテンポ良くコミカル、時にシリアスに描かれていて印象深い作品です。

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みんなの感想・レビュー

  1. 小学生 より:

    すごく最後に驚かされました!

  2. 小学生 より:

    最後にハッピーエンドで終わるとお母さんと想像していたのですが、トレバーが死んでしまうなんて思いつきもしませんでした。
    ですが、確かにトレバーが考えた事からあんな大勢の人々が幸せになった、というのは、すごいと思います!

  3. みや より:

    全く同感です。
    善意を次に繋げる。それでいいじゃないですか。
    あとどんなメッセージが必要なんですか。
    人生は短い。わかってますよ!
    トレバーのお母さんのために生きていて欲しかった。