映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』の概要:1997年製作の日本のアニメ映画。アイドルから女優になりたい女性を軸に、謎のストーカーと彼女の周りで起こっていく殺人事件を絡ませていくミステリーサスペンス作品。
映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』の作品情報
上映時間:81分
ジャンル:アニメ、サスペンス、ホラー
監督:今敏
キャスト:岩男潤子、松本梨香、辻親八、大倉正章 etc
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映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』の登場人物(キャスト)
- 未麻(岩男潤子)
- アイドルグループチャムの元メンバーで、女優志望のタレント。頑張り屋で責任感のある性格。
- ルミ(松本梨香)
- 元アイドルで現在は未麻のマネージャーを務めている。陰で支える真面目な性格の女性。
映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』のあらすじ【起】
アイドルグループ「チャム」のメンバーである未麻は、突然脱退を宣言。
女優業を中心に活動していきたいためであった。
それは自分の意思は勿論だったが、たまたま出たドラマのうけが良く社長が強く薦めてきたのがきっかけである。
チャムの最後のイベントをこなし無事に卒業した。
しかしその時ファン同士で喧嘩が起こり未麻のファンでもある男がたまたま警備員としてバイトをしていたため、身をていして彼女達を守るという事件があった。
その後、中々簡単にはうまくいかず、脱退後もらった役では3台詞しかないみじめなものである。
だが未麻はその台詞を何度も練習するほど、やる気に満ちていた。
彼女の事務所の社長は、もっと出番を増やすよう脚本家に頼むが元アイドルというレッテルが邪魔をして話が進まない。
そこで社長は新しい未麻のイメージ戦略に出る。
それはレイプシーンがある作品やヌード写真集を出すことも想定内だった。
マネージャーのルミはその社長の案に反対である。
そんな矢先未麻に手紙が届く。
社長がその手紙を開封すると、突然爆破が起こった。
これが最初の被害者である。
映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』のあらすじ【承】
ある日、未麻が事務所に入ろうとすると、入り口付近にたむろっている出まちのファン達がいた。
そこで「未麻の部屋いつも楽しみにしているよ」と声をかけられる。
何のことかさっぱりわからない未麻だったが、その後もらったファンレターでそれがインターネット上のサイトだということを知る。
しかし見覚えが無い上、自分の公になっていない出来事まで日記で綴られているそのサイトが不気味に思い未麻はそのサイトを見て以来、人の目が恐くなる。
誰かに四六時中監視されているのではなかろうか?と疑心暗鬼に陥り始めたのだ。
そして社長が推進しているレイプシーンのある作品の撮影。
彼女は勿論いやだったが、マネージャーの大反対をよそに自分さえ我慢すれば上手くいくのならと引き受けてしまう。
これは未麻の意思だった。
未麻のNGではなく相手側のNGでレイプシーンを繰り返し撮影することで、心のストレスが増えていく。
そして人前では強がっていたものの、もう爆発寸前。
自宅に帰り大事に飼っていた魚が死んでいたことで、全てが嫌になりボロボロ泣き崩れてしまう。
その頃から未麻は自分のアイドルだった頃の姿の幻影を見るようになっていく。
突然現れては、「やっぱりアイドルが一番」と笑顔で去って行くその幻影に、未麻はどんどん心を支配されていくのだった。
映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』のあらすじ【転】
ある日、未麻の作品の脚本家と、偶然にも脱がされヌード撮影をしたカメラマンが惨殺されるという事件が発生した。
2人とも目から出血させられている死に方で、酷い物である。
未麻もショックでどうしようも無いが、平然を装うとしていた。
しかも悪い事は続き、テレビ局で帰ろうとしている未麻は1人の男に突然襲われる。
必死で逃げた彼女はスタジオの中に入ると、男は容赦なく未麻を押し倒す。
そこは未麻がレイプシーンを撮影したセットの上だった。
この男はチャムの最後のイベントで警備員をしていたあの男で、未麻のファンで内田と言った。
つまりストーカーである。
レイプされそうになった未麻は2つの殺人事件を「あなたがやったの?」と問うと「もうすぐお前もだ」という不気味な返答が返ってくることに怯えた。
しかし隙を見て彼から逃げ出した未麻は、ルミが待っている駐車場まで走り何とか助かった。
その頃社長も殺害されているのが発見される。
何とかストーカーから必死で逃げた未麻は、ルミに付き添われて帰る。
しかし途中の車で寝てしまった彼女は、帰り道を確認していなかった。
同じ頃ストーカーの内田と事務所の社長は、TV局で殺害される。
未麻は自分の部屋だと思っていたが、窓の外は違う景色。
つまり未麻の部屋を全く同じように再現していたルミの部屋だったのである。
映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』の結末・ラスト(ネタバレ)
目を覚ました未麻はぎょっとする。
部屋が同じ作りである上、魚まで飼っている。
つまりまったく同じ。
そこにルミが来て目をあげる未麻はさらに恐怖を見ることとなる。
ルミがアイドルの時に着ていたルミの衣装をそのまま着ているのだ。
ルミは元々アイドルであり、引退後マネージャー業に就いていた。
自分の夢と未麻を重ね、精神的におかしくなっていたのである。
急いで逃げる未麻だったがルミはアイスピックや傘を持ち出し、無我夢中だ。
今までのルミからは想像もつかない豹変ぶりは、未麻を震え上がらせた。
しかし未麻もまたルミの攻撃に必死で抵抗をする。
だがもうすでにまともな精神状態では無いルミが、外へ飛び出しそれを追った未麻。
この時、ルミの腹に持っていた傘が弾みで刺さってしまう。
ルミが痛みに苦しみ車道に出たところで、向こうからトラックが走ってきた。
ヘッドライトをスポットライトだと勘違いするルミに、未麻は急いで彼女を助けに行く。
2人とも救急搬送されたのだが、そこで未麻は真相を知ることになる。
そう、今までの殺人事件も未麻の部屋のサイトを運営していたのも、ルミだったのだ。
そこにアクセスしていた内田を未麻になりきり利用していたのである。
ルミは多重人格障害を患い、アイドル時代の未麻になりきっていたのである。
未麻の傷は無事に回復、ルミのお見舞いに行った未麻は看護師に「あれ未麻かな?」「来るわけ無いじゃ無い!似ている人でしょ?」と噂されているのが聞こえた。
未麻は人気者になったのである。
車に乗り込んだ未麻はバックミラー越しに「私が本物よ」と微笑んだ。
映画『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』の感想・評価・レビュー
元アイドルの女優の周りで起きる不可思議な現象、そして殺人事件を描いた作品。アイドルにまとわりつくストーカーの恐ろしさを余すところ無く表現している。また、アイドル時代と現状を比べ、葛藤する主人公というのも何とも生々しい作品である。あまり知られていないが、サスペンスとしては巧妙に作られており、真相を知った時の驚きは他の作品では味わえない鳥肌感が楽しめるだろう。華やかな世界で生きていくという事は、その分陰で何が起こるか分からないというリスクを抱えていかなければいけないという事なのだろうか。(男性 30代)
表舞台での華やかなイメージの裏にある影の部分を描いた作品。
未麻の心の葛藤の表現が狂気的に描かれていて、現実か幻想か分からなくなった。
その境界の曖昧さがより恐怖を生み、未麻が女優に転身してから感じた演じることの恐怖が、精神的に迫ってきて怖かった。
精神的にも人格的にも崩壊していく姿が狂気じみていて、トラウマになりそうだけれど最後まで目が離せなかった。
結局、アイドルの未麻として本物の未麻を追い詰めたのは、ルミだったという事実が衝撃的だった。(女性 20代)
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