映画『臨場 劇場版』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「臨場 劇場版」のネタバレあらすじ結末

臨場 劇場版の概要:2009年から2010年にかけて、テレビ朝日系列で放送された人気テレビドラマの『臨場』を、2012年に劇場版として長編映画化した作品。原作は横山秀夫の同名小説。法医学を学んだ鑑識課の検視官が主人公で、変死体の検視結果が事件を解決する鍵になっていく。

臨場 劇場版の作品概要

臨場 劇場版

製作年:2012年
上映時間:129分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
監督:橋本一
キャスト:内野聖陽、松下由樹、渡辺大、平山浩行 etc

臨場 劇場版の登場人物(キャスト)

倉石義男(内野聖陽)
警視庁刑事部鑑識課の検視官。検視官としての腕は確かだが、我が道を往くタイプなので、組織内でははみだし者。通り魔事件で亡くなった妻が植物好きだったため、自宅や職場で多くの植物を育てている。最近体調が悪いが、周囲には隠している。
小坂留美(松下由樹)
警視庁刑事部鑑識課の検視官心得。仕事に厳しい倉石にも信頼されている。倉石のことを尊敬しており、彼に追いつけるよう努力している。
永島武文(平山浩行)
警視庁刑事部鑑識課の検視補助官。倉石と小坂の補助をしながら、検視官の仕事を学んでいる。
安永泰三(長塚京三)
横浜医科大学で法医学の教授をしており、神奈川県警管轄の事件の司法解剖を担当している。倉石の恩師であり、「物言わぬ死者の声を聞くのが私たちの仕事だ」という安永の教えが、今の倉石を支えている。
波多野進(柄本祐)
都内某所で起きた無差別通り魔殺人事件の犯人。無差別に4人の尊い命を奪ったが、心神喪失と診断され、無罪になった。現在は横浜聖域会病院に措置入院中。
関本直子(若村麻由美)
波多野が起こした通り魔事件の被害者遺族。ひとり娘の好美が殺され、心の傷が癒えないまま日々を過ごしている。
立原真澄(高嶋政伸)
警視庁捜査一課の管理官。倉石とはよく対立するが、内心は倉石のことを認めている。
仲根達郎(段田安則)
神奈川県警捜査一課の管理官。警視庁捜査一課との合同捜査で、神奈川県警側の責任者を務める。合同捜査にも関わらず、神奈川県警のメンツを重視し、倉石や立原と対立する。強引な取り調べで浦部の息子に自白を強要した。
浦部謙作(平田満)
かつては神奈川県警の刑事だったが、現在は派出所勤務の警察官になっている。無実の罪で殺人犯にされてしまった息子が、拘置所内で自殺した過去がある。
高村則夫(菅原大吉)
波多野の弁護を担当した弁護士。波多野の無罪が確定したのち、何者かによって殺害される。
加古川有三(デビット伊東)
波多野の精神鑑定をした医師。神奈川でメンタルクリニックを開業している。高村とほぼ同時期に、何者かによって殺害される。

臨場 劇場版のネタバレあらすじ

映画『臨場 劇場版』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

臨場 劇場版のあらすじ【起】

多くの人で賑わう都内某所の駅前広場に、突然バスが突っ込んでくる。停車した車内からは、逃げ惑う乗客と共に、ナイフを持った血まみれの男が出てくる。男は手当たり次第に人々を斬りつけ、逃げ遅れた赤ちゃん連れの母親に向かって行く。母親はベビーカーに覆いかぶさって我が子を守り、背中を滅多刺しにされる。「やめて!」と叫んだ高校生くらいの少女も、男に何度も腹を刺され、血だまりの中に倒れる。その後、男は駆けつけた警察によって身柄を拘束される。

警視庁刑事部鑑識課の検視官である倉石は、部下の小坂と永島と共に、被害者の遺体を調べ、状況捜査を行う。バスの中と広場で合計4名が鋭利な刃物で滅多刺しにされおり、現場は凄惨を極めた。我が子を守った母親の両手には、ベビーカーを握りしめた時にできた圧迫痕があり、倉石たちはやり切れない気持ちになる。

遺体安置所で遺体と対面した遺族たちは、みんな一様に泣き崩れる。まだ10代のひとり娘を亡くした関本直子は、娘の遺体を揺さぶり、「好美!起きなさい!」と叫び続ける。直子の慟哭の声を聞きながら、倉石は厳しい表情で、遺体安置所を後にする。倉石もまた、愛する妻を通り魔事件で亡くした被害者遺族だった。

容疑者は24歳の波多野進で、取り調べ室でも「神のお告げで殺せと言われた」と意味不明な発言を繰り返していた。警視庁捜査一課管理官の立原は、波多野が刑法39条(心神喪失者の行為は罰しない、心神耗弱者の行為はその刑を減軽する)に当たるかもしれないと危惧する。その予想は的中し、波多野は心神喪失者と診断され、最終的に無罪となる。

臨場 劇場版のあらすじ【承】

それから2年後。都内にある高村法律事務所で、弁護士の高村則夫の変死体が発見される。現場へ到着した倉石は、小坂に検視を任せる。高村は4箇所の動脈を切断され、出血多量で死亡していた。動脈を切断されたため、遺体には死斑が出ておらず、死亡推定時刻は直腸内温度で計測される。その値により、小坂は死亡推定時刻を昨夜の6時から8時までの間と鑑定する。

倉石は、高村のズボンのシミに注目する。現場の状況から、小坂はそのシミを湯呑みのお茶が溢れてできたものだと判断し、あまり気にしていなかった。倉石は小坂と検視を代わり、遺体をすぐに司法解剖へ回すよう指示を出す。小坂は倉石の意図がつかめず、困惑していた。

司法解剖を担当した医師も、直腸内温度から死亡推定時刻を昨夜の6時から8時と鑑定する。解剖に同席した倉石は、遺体の肝臓内部の温度を計測してみる。すると、直腸内温度よりも高い数値が出る。この数値なら、死亡推定時刻は昨夜の8時から10時となる。1人の人間から2つの異なる数値が出たということは、犯人が死亡推定時刻を狂わせるため、死体に何かしらの細工をした可能性がある。

それから数日後、神奈川県にあるメンタルクリニックで、院長の加古川有三の変死体が発見される。加古川も動脈4箇所を切断され、出血多量により死亡していた。高村と加古川の事件には類似点が多く、倉石は同一犯の犯行ではないかと考える。

加古川の司法解剖を担当したのは、横浜医大で法医学の教授をしている安永泰三だった。安永は、「物言わぬ死者の声を聞くのが私たちの仕事だ」と倉石に教えてくれた恩師だ。倉石は安永を訪ね、加古川の解剖結果について尋ねる。安永は快く質問に答えてくれる。

高村と加古川には、もうひとつ大きな共通点があった。それは、波多野の裁判の関係者だったことだ。加古川は弁護側の精神鑑定人として、事件当時の波多野は心神喪失状態だったと鑑定し、高村はその鑑定に基づいて波多野の無罪を主張した。高村の強引な弁護のおかげで波多野は無罪となり、現在は横浜の病院に措置入院している。被害者遺族が波多野と加古川に恨みを抱き、犯行に及んだとしても不思議ではない。

倉石の助言もあり、2つの事件は同一犯による犯行と判断され、警視庁捜査一課と神奈川県警との合同捜査本部が設置される。立原は合同捜査本部の立ち上げ会議で、捜査情報は全て共有するよう念を押しておく。警察内部には、管轄外の組織に情報を隠蔽しようとする体質があるからだ。

神奈川県警の鑑識課から解剖後の加古川の遺体写真を見せてもらった倉石は、胸部の縫合跡が気になる。しかし、小坂たちにはその意味がわからない。

そんな中、通り魔事件の被害者たちの3回忌合同法要が行われる。法要に出席した倉石は、直子に声をかけられ、彼女の話を聞く。直子は、娘がなぜ縁も所縁もないあの場所にいたのか、どうして殺されなければならなかったのかと、自問自答を続けていた。そして、波多野に対する強い憎しみを口にする。

合同捜査本部では、高村と加古川の死亡推定時刻に基づき、被害者遺族のアリバイを調べていた。合同捜査会議に顔を出した倉石は、細工された死亡推定時刻は信用できないし、死体に細工をするような人間は被害者遺族ではないと発言する。神奈川県警管理官の仲根は、検視官の分際で捜査に口出しする倉石に反感を持つ。

臨場 劇場版のあらすじ【転】

波多野への憎しみを抑えきれなくなった直子は、包丁を隠し持って波多野が入院中の病院へ侵入し、警察に捕まる。仲根は2つの事件への関与を疑い、直子をしつこく取り調べる。しかし、直子は容疑を否認する。

独自の捜査を続けていた倉石は、高村が8年前に弁護を担当した女子大生殺害事件に注目する。容疑者とされたのは、当時神奈川県警の刑事だった浦部謙作の息子の翔太で、当初は容疑を否認していたが、仲根に自白を強要され、犯行を認めてしまう。弁護を担当した高村は、心神耗弱で刑の減軽を求める方針で、加古川に精神鑑定を依頼していた。しかし、公判中に翔太は無実を訴え、拘置所内で自殺する。その後、別件で逮捕された男が女子大生殺害を自供し、翔太の無実が確定する。

仲根はこの事実を合同捜査本部に隠していた。立原は警視庁で浦部を調べる許可をもらい、浦部が駐在する派出所を訪ねる。息子のことがあり、刑事だった浦部は神奈川県警から暗に辞職を促されたが、警察官を続けていた。浦部は、「刑の減軽しか望めない」という高村の言葉を信じ、翔太の精神鑑定に同意した。翔太は自殺する前、拘置所の壁に「お父さん助けて」と書き遺していた。浦部は息子を救えなかった自分への罰として、警察官を続けていた。しかし、高村と加古川を殺したのは自分ではないと主張する。

小坂は、倉石が注目していたズボンのシミを調べていた。小坂は、最近体調の悪そうな倉石が安心して休めるよう、早く一人前になろうと必死だった。

倉石は加古川のクリニックに許可なく侵入し、冷蔵庫の中を調べる。冷蔵庫には、食べかけのお惣菜が保存されていた。賞味期限を考えると、加古川が事件当夜にそれを食べた可能性が高い。しかし、安永の解剖所見では加古川の胃に食物残渣はなく、その結果と直腸内温度の数値により、死亡推定時刻は夜の8時から10時と鑑定されていた。

倉石はお惣菜を買って安永の家を訪ね、2人で酒盛りする。将来を嘱望される外科医だった安永が、なぜ地味な法医学の道に入ったのか、倉石はずっと聞いてみたかった。倉石の質問に対して、安永は亡くなった妻の話を始める。看護師だった妻は、安永が外科医になった後、仕事を辞めて家庭に入った。安永は寝食を忘れて仕事に没頭し、妻は孤独を深めていく。安永は妻の異変に気づきながら、「大丈夫だから」という妻の言葉に甘えた。その結果、心を病んでしまった妻は自殺する。妻の死後、安永は彼女が妊娠していたことを知った。安永は妻子の死に責任を感じ、その罪滅ぼしのために法医学の道に入った。そして、理不尽に命を奪われた人の最後の声を聞こうと努めてきた。

倉石は加古川の胃の内容物についても尋ねる。しかし、安永が「胃の中は空だった」と言い張るため、深く追求することは避ける。その後、台所へ氷を取りに行った倉石は、ゴミ箱で薬の包装ゴミを発見する。それは、倉石も使っているかなり強力な痛み止めだった。

臨場 劇場版のあらすじ【結】

措置入院中の波多野は、別人のように落ち着き、被害者とその遺族に対して謝罪をしたがっていた。波多野は好美の墓参りを希望しており、直子の夫はそれを許可する。直子は夫に激怒し、波多野への憎しみをさらに募らせる。

倉石は道端で倒れ、救急病院に運ばれる。連絡を受けた小坂と永島は、すぐ病院に駆けつけ、倉石を見舞う。小坂はそこで、犯人の細工を解明したことを報告する。犯人は高村の死体の直腸内に氷を入れ、内部の温度を狂わせた。ズボンにわざとお茶を溢したのは、氷の氷解による濡れをごまかすためだった。加古川の直腸内温度は、消毒用アルコールを使って狂わせていた。このようなことができるのは法医学に精通した人物であり、犯人は安永ではないかと小坂は推理する。もちろん倉石もそう考えており、事件当日に高村が昼食に訪れた鰻屋界隈の防犯カメラを調べていた。

もし安永が犯人なら、死亡推定時刻を狂わせるため、高村がいつ何を食べたかを知る必要がある。神奈川県警の管轄内で殺された加古川は、安永自身が司法解剖するので「胃の中は空だった」と嘘がつけるが、高村の場合はそれができない。そのため、高村が訪れた鰻屋に安永もいたことがわかれば、大きな証拠となる。しかし、防犯カメラの映像では、人物の特定が難しい。小坂は指紋採取の許可を出してもらい、鰻屋内に残された指紋を徹底的に調べ始める。

波多野が墓参りをする日。倉石は病院を抜け出し、行方をくらます。浦部は派出所に「私はこれから波多野を殺す」という手紙を残し、姿を消す。鰻屋では、安永の指紋が発見される。この日、安永は波多野と面会することになっていた。

波多野と彼の主治医たちは、好美の墓を訪れるが、駆けつけた直子に追い返される。仲根は墓地に張り込み、直子が波多野に危害を加えるのを待っていたが、直子は手を出さなかった。

病院へ戻った波多野は、駐車場で浦部に銃撃される。肩を負傷した浦部は病院内に逃げ込み、安永に助けられる。安永は病院内の教会に波多野を連れて行き、彼の腕に薬物を注射して、「2年前の事件の償いの手助けをしてあげる」と言ってナイフを取り出す。そこへ倉石がやってくる。

一方、浦部は病院の屋上で、自分を追ってきた仲根に銃口を向けていた。あの手紙は仲根を呼び出すための罠で、浦部の本当の目的は息子の仇を取ることだった。しかし、駆けつけた立原に説得され、浦部は仲根への復讐を思いとどまる。そして、自分の頭部を撃ち抜いて自殺する。

その頃、倉石も安永と対峙していた。通り魔事件の日、安永は偶然事件現場に居合わせ、赤ちゃんを守って殺された母親に助けを求められた。しかし、安永は逃げてしまった。安永は罪の意識を感じ、波多野の裁判の傍聴を続ける。波多野に無罪判決が出た時、傍聴席にいた直子は取り乱し、係員に取り押さえられる。その時、安永は波多野が微かに笑ったのを見る。安永は波多野の心神喪失は詐病ではないかという疑問を持ち、高村と加古川に直接この疑問をぶつけてみる。驚いたことに、高村も加古川も波多野が詐病であることを知っていた。彼らは法と医学の倫理を無視して、自分たちの利益のためだけに動いていた。そして、昨年の夏に余命宣告を受けた安永は、被害者の無念を晴らすため、高村、加古川、波多野の殺害を決意したのだった。

倉石は自分も安永と同じ病気であることを打ち明け、安永のやり方は間違えていると訴える。倉石の話を聞き、安永は波多野を殺すのを躊躇する。その時、薬物で朦朧としていた波多野が目を覚まし、そこにあったハサミで安永の腹を刺す。安永は「これでいい、お前は生きろ」と倉石に言い残し、その場で絶命する。

波多野は倉石も刺そうとするが、倉石の気迫に押され、ハサミを奪われる。「僕はおかしいままなんだ」と演技し始めた波多野を、倉石は思い切り殴り飛ばし、気絶させる。倉石は、亡くなった妻とあの世で再会した時、精一杯生きたと言える自分でありたいと思っていた。

後日、通り魔事件のあった町を訪れた直子は、偶然倉石と出会い、「この町のどこかに娘さんの最後の声が残されているかもしれない」と声をかけられる。そのまま町を歩いていた直子は、絵の道を志していた好美が、商店のシャッターに描いた絵を見つける。好美は、この絵を描くためにここを訪れ、事件に巻き込まれたのだ。好美は、幸せそうな両親と自分の姿を描いていた。倉石は、この絵に救われた直子の姿を見届け、優しい笑みを浮かべる。

ある雨の日。小坂は倉石の携帯に電話をかけるが、倉石は出ない。倉石の携帯は、綺麗に片付けられた部屋のテーブルに置きっ放しになっていた。倉石は雨に打たれながら路上に倒れ、天に向かって両手を上げる。倉石には、愛する妻の姿が見えていたのだろう。

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