映画『リプリー』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

映画『リプリー』あらすじとネタバレ感想

リプリーの概要:御曹司への愛憎から殺人を犯し、彼のふりをして生きるようになっていく貧しい青年リプリーの、孤独と狂気を描く。アラン・ドロンの名作映画『太陽がいっぱい』を、マット・デイモン主演・豪華キャストでリメイク。

リプリーの作品概要

リプリー

公開日:1999年
上映時間:140分
ジャンル:サスペンス
監督:アンソニー・ミンゲラ
キャスト:マット・デイモン、グウィネス・パルトロー、ジュード・ロウ、ケイト・ブランシェット etc

リプリーの登場人物(キャスト)

トム・リプリー(マット・デイモン)
劇場でボーイとして働くおとなしい青年。ピアノが好きだが暮らしは貧しい。御曹司で遊び人のディッキーに憧れ、恋愛感情を抱いていく。人のまねをするのが得意。
ディッキー・グリーンリーフ(ジュード・ロウ)
有名な造船会社を経営するグリーンリーフ家の御曹司。ジャズ好きで、仕事もせずサックスとヨットに夢中なプレイボーイ。婚約者のマージとイタリアで自由を満喫中。移り気な性格。
メレディス・ローグ(ケイト・ブランシェット)
繊維産業を牛耳るローグ家の令嬢。船で出会ったトムを、「ディッキー・グリーンリーフ」だと信じ、恋をする。
マージ(グウィネス・パルトロウ)
ディッキーの婚約者で、物書きをしている。ディッキーが突然いなくなったことに疑念を感じ、次第にトムを疑い始める。
フレディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)
ディッキーの悪友。ローマでディッキーと再会し、またたく間に彼の関心をトムから奪ってしまう。プレイボーイで、トムに対しばかにしたような態度をとる。
ピーター・S・キングズリー
有名な御曹司。ヴェネチアに住んでおり、マージの紹介でトムと知りあう。同性愛者という一面を隠し持っており、次第にトムと惹かれ合う。
グリーンリーフ氏(ジェームズ・レブホーン)
ディッキーの父親で造船会社社長の大富豪。トムをディッキーの大学の同窓生だと信じ込み、息子をイタリアから連れ戻すよう依頼する。遊び人で気性の荒い息子を理解できない。

リプリーのネタバレあらすじ

映画『リプリー』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

リプリーのあらすじ【起】

オペラ座でボーイとして働く青年・トム・リプリーは、ピアニストの代理で出演した昼食会で、造船会社社長のグリーンリーフ氏と知りあう。ピアニストから借りた上着を見て、グリーンリーフ氏はディッキーと大学の元同級生だと勘違いする。トムは同級生のふりをして、グリーンリーフ氏からイタリアで遊び暮らす息子を連れ戻すという依頼を受けた。トムはディッキーの事や彼の趣味であるジャズを研究しつくす。

イタリアに向かう船で、トムはメレディスという社長令嬢と知り合い、「ディッキー・グリーンリーフ」と名乗る。

ディッキーはイタリアの海沿いの田舎町・モンジにいた。トムは元同級生のふりをしてディッキーに近づく。ディッキーは婚約者のマージと、ジャズと贅沢ざんまいの暮らしをしていた。現地女性と浮気もしているようだ。トムは研究のかいもあって、ディッキーのお気に入りとなり一緒に過ごすようになる。ディッキーの暮らしにあこがれるトムは、彼の留守の隙に彼の私物を触り、口真似をするのだった。

リプリーのあらすじ【承】

ディッキーはトムをローマに連れて行き、悪友のフレディと落ち合う。ディッキーはフレディと過ごす時間を楽しみ、次第にトムから離れていく。トムはフレディやマージに嫉妬を覚えていた。そんな折、ディッキーの浮気相手だった現地女性が、彼との関係を思い悩み自殺する。ディッキーはサンレモへトムと2人旅し、トムともその旅を最後に別れると言い出す。トムの秘めたるディッキーへの想いに、ディッキーは気付き始めていた。

トムと2人で船に乗ったディッキーは、マージと結婚すると言い、トムとはもう離れたいと告げる。ディッキーへの想いを理解してもらえず激昂したトムは、彼を船のオールで殴り殺してしまった。トムは遺体を船ごと沈め、ホテルに帰る。ホテルの受付にディッキーだと勘違いされたトムは、「ディッキー・グリーンリーフ」の名をかたり、二重生活をし始める。

トムはディッキーの名でマージへの別れの手紙を書き、彼女に手渡す。マージは悲嘆にくれた。トムはマージと別れ、ローマで生活を始める。

「ディッキー」として生活するトムは、メレディスと再会する。2人はつきあい始め、オペラ鑑賞をする。しかし、オペラでマージと再会してしまう。彼女はピーターという男性とオペラに来ていたが、ディッキーの突然の別れに疑いを持っていた。真実がばれるのを恐れたトムは、トムはマージとメレディスが出合うように仕向け、事を丸く収める。メレディスはトムのもとを去り、マージはモンジの町に戻った。

リプリーのあらすじ【転】

トムはディッキーのふりをして優雅な生活を送る。そこへフレディがディッキーの下宿先を調べて訪ねて来た。フレディはディッキーの姿を見かけないことに疑問を感じていた。部屋がディッキーの趣味とは違うことやディッキーがピアノを弾くという大家の証言から、フレディはトムの嘘に気づく。トムは部屋に戻ってきたフレディを撲殺した。

フレディの死体が見つかり、イタリア警察はディッキーを疑っているようだ。警部はサンレモでトムがディッキーを殺したボートまで探し出していた。焦るトムのもとに、事件を聞きつけたマージがやってくる。すんでのところでトムは、警部の前でマージに会い正体がばれる危険を避けることができた。部屋の中にディッキーがいると信じ込んだマージは深く傷ついていた。トムはディッキーからトム宛の置き手紙を偽造する。それは「ディッキー」が殺人を認め、トムに全てを譲る、という自殺をほのめかす内容だった。トムは警察の手を逃れ、ヴェネチアへ向かう。

トムは「トム・リプリー」としてヴェネチアに住むピーターを訪ねる。トムとしてローマ警察と話をすることになるが、事件の担当者が変わっており、自分がディッキーのふりをしていたことはばれずに切り抜ける。トムは全ての嘘をさらけ出して過去を消すことができたらと願う。しかしそれはできない事だった。ピーターは孤独を抱えるトムにやさしく寄り添い、トムも彼に愛情を抱きはじめていた。

リプリーのあらすじ【結】

マージがピーターを訪ね、トムとも再会する。マージはディッキーが自殺したとは信じていなかった。ヴェネチアにはグリーンリーフ氏も来ていた。グリーンリーフ氏はディッキーに深く失望していた。

マージがトムの部屋でディッキーの指輪を発見する。マージはトムがディッキーを殺したのだと勘付いてしまった。

トムがグリーンリーフ氏を訪ねると、すでにマージが来ていた。グリーンリーフ氏はリプリーと私立探偵のマッキャモ氏に話をさせる。トムは絶体絶命を覚悟する。しかしマッキャモ氏の話は、ディッキーの不名誉な過去を、グリーンリーフ氏が闇に葬りたがっているというものだった。証拠をもみ消したグリーンリーフ氏は、口止め料として息子の財産をすべてトムに譲る。

トムはピーターと2人で船旅に出る。しかしその船上で、トムは家族で旅行中のメレディスに再会してしまう。トムは「ディッキー」として彼女と話し、彼女をだまし続けるためキスをする。しかしその様子をピーターに見られていた。嘘を抱えた自分は孤独でいるしかないと気付いたトム。彼は涙ながらに、愛するピーターを絞め殺すのだった……。

リプリーの解説・レビュー

緊迫感の演出の上手さ

本作品の見どころは、頭から最後まであらゆるところに散りばめられた緊迫感である。
前編では嘘がばれない緊迫感。
元々は知り合いに借りた学校のブレザーを来て伴奏のアルバイトにいったところ、息子の制服と同じだとグリーンリーフ夫妻の目に留まる。
このあたりの小さい嘘から始まっている。
そして船の上で自分がディッキーだとつく嘘。

後半からは殺人の嘘だ。
徐々に麻痺していく人間の裏側の怖さが見事に描かれている作品である。
リプリーの平凡な外見が、暗い心の闇をうまく表現し吸い込まれてしまう。
主人公たちの心の麻痺と同時に、見ている側も小さな嘘に慣らされ、やがてくる大きな嘘の波には手に汗にぎってしまう見事な演出。
脚本の出来はもちろんだが、演出の仕方が非常に上手かった。

マッド・ディモンの良さ

この映画は「太陽がいっぱい」とは別物だと思って鑑賞したほうが良い。
そうでないとアラン・ドロンの魅力にマッド・ディモンは絶対に勝つことが出来ず物語を楽しめないからである。

しかしマッドの魅力は意外なところにあった。
二枚目というより個性的な俳優としての印象が強い彼は、やはり演技が上手い。
そしてボーっとしているような、どこか計算高いような何を考えているのかわからないような役どころがマッチしているのだ。

ジュード・ロウの存在感

この映画の成功の秘訣はディッキー役のジュード・ロウにある。
彼の存在感は半端ない。
お金持ちで苦労知らずの色白坊ちゃん、何もしらないのに自分の道やポリシーは持ち生き抜くわがまま街道まっしぐらの御曹司の姿は彼だから良かった。
殺されてからは出てこないが映画の厚みにかなり貢献しているだろう。

リプリーの感想まとめ

「太陽がいっぱい」を観た人は、当時衝撃を受けたのではないだろうか。
アラン・ドロンの俳優としてのスター気質に誰もが魅了されたと言っても過言ではない。
本作品はリメイクというよりも、より原作の小説に近づけた映画である。
そのため、実は小説のファンにはこちらの方が人気があったりもする。

主役にマッド・ディモンを抜擢したことはとても良い。
顔だけ格好良くて演技がまるで駄目だという俳優にやらせたら、ただの長いしらけた映画になっていたことだろう。
この映画に必要なのは何より演技力。
名作といわれる脚本であることは間違いないからだ。
その点、本作品の俳優陣は誰もがみな演技は俳優で、全員がはまり役。
小説の世界観を崩さず、なおかつオリジナリティー溢れる作品に仕上がっている。

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