映画『リザとキツネと恋する死者たち』あらすじネタバレ結末と感想

リザとキツネと恋する死者たちの概要:日本人歌手の幽霊に愛され不幸になっていく、冴えないアラサー女性が、愛を手にするまでを描いた。日本文化が随所に登場している。監督は、本作で長編映画デビューしたウッイー・メーサーロシュ・カーロイ。

リザとキツネと恋する死者たち あらすじネタバレ

リザとキツネと恋する死者たち
映画『リザとキツネと恋する死者たち』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

リザとキツネと恋する死者たち あらすじ【起・承】

ブタベストのマンションの一室で、夫に先立たれた元日本大使夫人マルタ田中の専属看護師として働くリザ。
2人はひと昔前の日本人歌手、トミー谷の歌を好んで聞き、マルタはリザに日本語を教えた。
そして6年前から、リザの前にトミー谷の幽霊が現れるようになった。

リザの30歳の誕生日、外出許可をもらったリザはメックバーガーへ。
だがその間、トミー谷の策略でマルタは死んでしまった。
リザが無給で働いていたと知らないマルタの親族は、リザが遺産相続すると知って怒り心頭。

マンションの下の階に住むインゲは、妻を亡くしてから何も食べなくなった息子カーロイのために料理を作ってほしいと、レシピを渡される。
偶然それを知ってしまったリザは、ゴミ捨て場でレシピを見つけ料理を作ってみることに。
美味しいとは思えない料理に夢中になり、リザに結婚を申し込むカーロイだったが、彼もトミー谷の策略で死んでしまう。
その容疑はリザにふりかかった。

地方から転勤してきたばかりのゾルタン巡査は、リザの監視も兼ねて、アパートの部屋を間借りすることに。
リザは鍵が必要になり、マルタの親族で遊び人のヘンリクから鍵を返してもらおうとするが、インゲとバッタリ会って2人は去っていった。

一方、家じゅうの壊れたものを修理するゾルタンを殺そうとするトミー谷だったが、彼は怪我を負うだけでうまくいかない。

リザとキツネと恋する死者たち あらすじ【転・結】

イメチェンし、出会いを求めて雑誌に広告を出したリザは、ルドヴィクという変わり者の男性と出会う。
しかし、再びトミー谷が邪魔をしてルドヴィクを殺害。

やがてリザは那須の妖怪キツネを知り、自分は妖怪キツネの呪いにかかったと思うようになる。
図書館で日本の妖怪キツネについて調べようとするが、彼女についてきたトミー谷の策略で、3人もの男性が命を落としてしまった。
落ち込むリザに、ゾルタンは見方を変えるべきだとアドバイスする。
マルタの残した絵から、無償の愛が呪いを解くと知るリザ。

勝手にリザの部屋に入ったヘンリクは、美しく変わったリザに驚く。
リザはヘンリクが家じゅうの壊れたものを修理したと勘違いし、彼なら無償の愛を与えてくれると考える。
だがヘンリクは人妻との関係が夫にばれ、リザの部屋の呼び鈴を押した状態で雇われた殺し屋に命を奪われる。
呼び鈴の修理中だったゾルタンも感電して倒れる。

警察で取り調べを受けるリザだったが、奇跡的に生きていたゾルタンが集めた証拠によって無実が証明された。
しかしアパートに戻ったリザは自殺してしまう。

気が付くと、トミー谷と一緒にメックバーガーにいた。
トミー谷は死神だったが、自分の姿が見えるリザに恋をしてしまったのだ。
2人が一緒にいるためには、リザが自殺するしかないという。

間一髪のところで、大怪我を負ったゾルタンに助けられたリザ。
マルタの残した絵の中からは、呪いを解くには愛を示すことも必要だと書かれた切り抜きが落ちた。

やがて2人は結婚し、娘を連れて那須へ旅行に。
しかし未だにトミー谷につきまとわれているせいか、ゾルタンは怪我が絶えない。

リザとキツネと恋する死者たち 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:98分
  • ジャンル:ラブストーリー、コメディ、ホラー
  • 監督:ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ
  • キャスト:モーニカ・バルシャイ、デヴィッド・サクライ、ゾルターン・シュミエド、ガーボル・レヴィツキ etc

リザとキツネと恋する死者たち 批評・レビュー

映画『リザとキツネと恋する死者たち』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

昭和の日本とハンガリー映画の融合

日本文化をこよなく愛し、日本の三文小説を心の拠り所にしている、友達のひとりもいない30歳のリザの変人っぷりと、イメチェン後の美しさに圧倒される作品。
また、いかにも昭和の雰囲気が漂う歌手トミー谷の外見や、歌謡曲とキレのいいダンスなどが、一見ミスマッチに思えるハンガリーの映画に溶け込んでいるのに驚かされる。

リザの夢の中に登場するカタコトの日本語を話す侍や、白塗りの顔で着物を着た舞妓のようなリザなど、中途半端な日本文化の演出はツッコミどころ。
また、デンマーク在住で日本人の父を持つハーフの俳優デヴィッド・サクライの、下手過ぎて何を言っているのかよくわからない日本語のセリフにはガッカリ。
日本語を話しているために字幕も出てこないので、何度も見直さなければならない。

日本語で「那須」という言葉などを出してくる部分も、ミスマッチなようでしっくりくるのが面白い。
漢字を間違っていないのにも、適当に日本をモチーフにしただけではないとわかって好感が持てる。

珍しいラブコメのハッピーエンド

妖怪キツネや、死神であるトミー谷といったホラー要素は出てくるし、死神に愛されたリザの不幸な様子も描かれているが、コメディとして進んでいくストーリー。
魚の骨がのどに刺さって死んだカーロイの味オンチっぷりや、警察所に初出勤するゾルタンがなぜか半裸だという、笑えるシーンが多い。

トミー谷が魚などに変身しても、メガネはそのままというのもユニーク。

他の被害者はどんどんトミー谷に命を奪われていくのに、ゾルタンだけはかろうじて生き残り、リザと結婚した後も散々な目にあっているという設定は、ただのハッピーエンドで終わるよりも味がある。

リザとキツネと恋する死者たち 感想まとめ

ハリウッド映画の場合は、日本人役でも中国や韓国の血筋が入った東洋人を起用することが多いが、本作ではデンマーク人の母と日本人の父を持つ、ハーフの俳優デヴィッド・サクライを起用している。
かなり日本語が下手なことに驚かされるが、演じているトミー谷の歌う歌謡曲は独特でクセになる。
ハンガリーのCMディレクター、ウッイー・メーサーロシュ・カーロイが初めてメガホンを取った長編映画で、ポップなCMのようなシーンの連続に引き込まれていく。

字幕なしの、聞き取りにくい日本語には疲れるが、ハンガリーから見た昭和の日本文化という新鮮な設定は面白い。

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