映画『ルルドの泉で』あらすじネタバレ結末と感想

ルルドの泉での概要:フランス、ルルドの泉を舞台にした奇跡の物語。出演はシルヴィー・テステュー、レア・セドゥ、ブリューノ・トデスキーニ。ジェシカ・ハウスナー監督の2009年オーストラリア、フランス、ドイツ映画。

ルルドの泉で あらすじネタバレ

ルルドの泉で
映画『ルルドの泉で』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ルルドの泉で あらすじ【起・承】

フランスの南西部、ルルド。この地では、聖母マリアへの信仰が厚く、ルルドの泉では難病が治ったという奇跡が伝えられていた。現在でも、その奇跡にあやかるべく多くの人々の巡礼地になっています。

ある日、全身マヒの難病に苦しむ女性クリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)が、巡礼に来ました。その介助人として、マリア(レア・セドゥ)が付き添います。
1日目を終え、修道院の食堂に集まった巡礼客たちは、食事を楽しみながら和やかに過ごしていた。

介助人のマリアは、何か人生の意義を見つけたいとボランティアで参加していたが、だんだんとクリスティーヌの世話にも飽きてしまっているようだ。
“楽しんでる?”と尋ねると、クリスティーヌは、“巡礼というよりも観光に来たみたい。”だと答えた。

巡礼の目的は、ルルドの聖水に身を浸し、奇跡が起こることを願うのだ。翌日の予定は、マリア様が出現したというマッサビルの洞窟へ向かう。

クリスティーヌは、以前、パリで出会ったクノ(ブリュノ・トデスキーニ)がボランティアとして参加しているのを知った。2人はそれをきっかけによく話すように。

巡礼者の1人が神父に問う。“ルルドで、怪我や病気が治ると聞きました!どうすればよいのですか?”と。すると、神父は、“まずは自分の魂を癒すのです”と答えた。

クリスティーヌの介助に退屈さを感じるマリアは、クリスティーヌがおもらししてしまった時、代わりに介助スタッフのセシル(エリナ・レーヴェンソン)に任せてしまう。

そして、介助の合間にボランティアで参加している若い男と仲良くなってゆく。
“彼は既婚者かな?”と隣に座る、同じく介助人をしている女の子と喋ることに夢中だった。

ルルドの泉で あらすじ【転・結】

たくさんの巡礼者が訪れる、ロザリオ大聖堂とその奥にある、無原罪の御宿り大聖堂。
お城のように見える大聖堂だが、ここで巡礼者たちは記念撮影をした。

巡礼ツアーでは、見学だけでなく、ミサや告解、沐浴などを行う。
クリスティーヌは、告解で“みんなが羨ましい!”と信仰心が薄いことを話してしまう。

すると神父は、“自由に動けるのが幸せだとは限らない”と諭すのだった。
また度々、巡礼者たちは奇跡体験を伝えるビデオを鑑賞していた。

ようやく、クリスティーヌにルルドの水をかける“沐浴”の儀式が始まった。ルルドの泉からくみ上げた聖水をかけるのだが、わずか5分ほどだった。

最終日の前日。健常者のみが、ジュール山に登るという。
その夜、介助スタッフのセシルが、お別れ会の準備中に倒れてしまった。
病院に運ばれていったセシルは、意識が戻らないまま入院となった。

一方、クリスティーヌは、全身マヒで首から下は動かない体だったが、ゆっくりとベットから立ち上がった。そして、洗面所へ行き、髪をとくのだった。
同室の巡礼者はその様子に驚いた!奇跡の瞬間だった。

翌朝、マリアや他の巡礼者の前で、クリスティーヌは、車いすを必要とすることなく歩いて見せた。また自分の手で、食事をとることも出来た。

巡礼者の1人が、“医療局に行った?選定をもらえるわよ!”と奇跡の選定には診察が必要だと言うのだ。

医療局の診断では、“多発性硬化症”で、歩けるようになったのはおそらく一時的なものだろうと言われます。だが、このままよい状態が続けば、奇跡の選定を検討させてもらうともいい、クリスティーヌは期待を持つ。

しかし、巡礼者たちの反応は冷たかった。なぜ、信仰心の浅いクリスティーヌが?とか、良くなったのは一時的なものだと考える人が多かった。

クリスティーヌ自身にも分からなかったが、“沐浴の後、手に何かを感じた!”と話した。加えて、夜に不思議な声がして、“立ちなさい!”と言われたようにも感じたらしい。

巡礼最終日。クリスティーヌは、みんなと一緒にジュール山へ登った。
行きのバスの中で、“すぐに働きたいわ!”と希望に燃えていた。

そんな彼女を、巡礼者たちは冷ややかに見ていた。神父に、“なぜ、彼女が良くなったんですか?”と問う人もいた。
クリスティーヌは、ボランティアで参加しているクノと2人で森に消えた。

夜。お別れ会が開かれ、奇跡が起こったとされるクリスティーヌは、ベスト巡礼者の表彰をもらった。

食事の後、音楽がかかり、みんなは楽しく踊り始めた。クリスティーヌも、クノに誘われてダンスの輪に入った。

ところが、突然、クリスティーヌはがくんと倒れてしまう。幸い、すぐに立ち上がったが、
その様子を見て、恋人だったクノは波が引くように彼女から去っていった。
周囲からは、“もし、(体が)戻ったら残酷よね!”といった声が聞こえてくるのだった。

壇上では、歌手の男と共に、マリアも一緒に陽気な歌を歌っていた。
クリスティーヌは恋人が戻ってくるのを待っていたが、彼にその気はないようだ。
しばらくして、車いすに乗り、自分の席へ戻っていった。

ルルドの泉で 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:99分
  • ジャンル:ミステリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:ジェシカ・ハウスナー
  • キャスト:シルヴィー・テステュー、レア・セドゥ、ブリュノ・トデスキーニ、エリナ・レーヴェンソン etc

ルルドの泉で 批評・レビュー

映画『ルルドの泉で』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

ルルドの泉で始まるミステリー!奇跡とは?

スペインなどを中心にマリア信仰が深く根付いていて、舞台となったルルドの泉はその信仰の中でも一番有名な聖地だという。この映画では、信仰と科学の狭間に中立で、奇跡の瞬間を冷静な視点で観ることが出来ます。

多くの宗教映画が、宗教を礼賛したり、奇跡を大げさに見せるのに対して、本作では観客に奇跡か一時的なものなのか判断を委ねています。

主人公クリスティーヌを演じた、シルビィー・テステューの演技が自然で、最後までどうなるのだろうと引き込まれてゆきます。また、ボランティア活動を通して自分探しをしている介助人役のレア・セドゥも、奇跡なんかおかまいなく欲望のまま行動する魅力的な人物です。

個人的には、奇跡なんてものはなく、何らかの科学的な根拠があるはずなのではと考えています。このルルドの泉については、研究も進んでいて、水あるいは土地に治癒の力があるのではと考える研究者もいます。

他人の身に奇跡が起きた時、本当に信仰心が強ければ、祝福するのではないでしょうか。
ところがクリスティーヌの奇跡に対して、巡礼者たちは、“なぜ、彼女なの?”と神父に問うのです!

そんな、人間の飽くなき欲や冷たさがリアルで面白い。このリアルさは、女性監督ならではの感性だと思います。

女優という人生を遊ぶ~シルヴィー・テステューの魅力

平凡な人物をいかにリアルに演じるか。シルヴィー・テステューを観ていると、その演技があまりにも自然体なのに驚きます。

彼女の代表作として、「ビヨンドサイレンス」や「悲しみよこんにちは」のサガン役があります。女優業に加えて、2012年には、「マリー、もう1つの人生」で監督デビューしています。

本作では、全身マヒを患い、車イス生活を送る地味な女性クリスティーヌ役です。
主人公は深い信仰心があるわけではなく、周りに勧められてなんとなくルルドの泉を訪れたという設定。もし、信仰心の厚い人物像だったら、この作品の印象も変わっていたでしょうね。

全体的に脱力感や冷静さが漂うこの作品は、キリスト教を信仰している人もそうでない人にもおすすめです。

シルヴィー・テステューの魅力は、演じる役柄によって変幻自在だということ。
特に、奇跡の起こる前後、恋人クノとの関係性の変化に注意して観るととても切ない。

ルルドの泉で 感想まとめ

“ルルドの泉の奇跡”について、私はほとんど知らなかったが、実は日本の五島列島の教会にも、“ルルドの泉”を模した聖域があるらしい。
奇跡とは?信仰心とは何なのか。と改めて考えさせられる作品です。

個人的には、奇跡とは、“自分がいま、生かされている”ことだと思うし、日々感謝して生きるのが大切だという気持ちは変わらない。

この作品が、信仰を絶対的なものとして描くのではなく、冷静さを保ち、観客に委ねている姿勢に好感を持ちました。

主人公クリスティーヌを演じる、シルヴィー・テステューの自然体の演技や、自分探しと欲望に忠実な女性マリア役のレア・セドゥがスパイスのように効いています。

いつか、“ルルドの泉の奇跡”が科学的に解明できる日を楽しみに待ちたい。

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