映画『西鶴一代女』のネタバレあらすじ結末

西鶴一代女の概要:かつて御所に勤めていたお春は、身分の違いを超えた勝之助との愛に身を委ね、洛外追放となってしまう。そのことをきっかけにしたように、お春の一生を通じた不幸の連鎖が始まった。

西鶴一代女の作品概要

西鶴一代女

公開日:1952年
上映時間:137分
ジャンル:ヒューマンドラマ、時代劇
監督:溝口健二
キャスト:田中絹代、山根寿子、三船敏郎、宇野重吉 etc

西鶴一代女の登場人物(キャスト)

お春(田中絹代)
十代の頃は御所で勤めていた女。世情に翻弄され娼婦へと身をおとしてしまう。
勝之介(三船敏郎)
菊小路のところに勤めている男。お春に恋をする。

西鶴一代女のネタバレあらすじ

映画『西鶴一代女』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

西鶴一代女のあらすじ【起】

顔の皺を隠すように歩くお春の横を、男女が通り過ぎて行く。声をかけられないよう身を潜めるお春。男女が建物の中に消えるのを見ると、再び歩き出した。そうして、お春が向かった小屋には彼女の仕事仲間が集まっていた。そこは遊女の溜まり場だった。仕事仲間はお春に、御所にまで上った女が随分落ちぶれたもんだと同情する。「昔のことは聞かないで」とはぐらかすお春。女たちが世間話しているところに仕切り役の男がやってきて、仕事をしろと叱りつけるが、女たちはそれを一蹴する。女たちの輪を離れ、読経が聞こえる方へと行くお春。そこには寺があって、沢山の仏像が並んでいた。興味深く眺めるお春。すると、その中から一体の像が目に留まった。お春はその仏像に、記憶の中の男の姿を重ねる。思わず笑みを浮かべたお春だが、我に返ると再び悲しみにくれた。

お春が御所にいた頃のこと。その日、お春は殿の命を受け、化粧と着物を整え、初圃場を届けに下五条のところまで向かおうとしていた。そこに菊小路が現れて、お春を呼び止める。菊小路は、自分の従者である勝之介が唄の返しを待ちわびていることを伝える。勝之介は厚かましい唄を送ったのだろうと思った菊小路は、からかい混じりにどんな唄だったかとお春に聞く。しかし、お春は答えず、話をはぐらかして彼と別れた。菊小路の従者としてその場に居合わせた勝之介は彼の眼を盗み、お春の後を追い、呼び止める。殿が呼んでいるから屋敷に来て欲しい。そう頼む勝之介だが、お春はこれから用があると断る。勝之介は重ねて頼んだ。

勝之介の頼みに応えたお春は、指示された宿にやって来た。しかし、お春の元に現れたのは勝之助だった。彼はお春に先日送った手紙は読んでくれたかと聞く。お春は読まずに焚いてしまったと彼を冷たくあしらう。勝之介は改めて熱意を伝えるが、お春は身分が違うと断る。身分や金を得ることよりも、真実の愛と共にあることが幸せなのだと 勝之介はお春を説得する。菊小路を待っているから帰れと勝之介を追い返そうとする。しかし、菊小路は来ないと勝之介は言う。菊小路が呼んでいるというのは、お春に会いたい勝之介の方便だった。帰ろうとするお春。勝之介は、自分の気持ちを分かって欲しいとすがる。すると、お春は彼に実は手紙を読んだと本当のことを打ち明けた。嘘を吐いてまで勝之介を拒んだのは、叶わぬ恋だから。例え相思相愛でも御所の人間が許さない。駆け落ちを提案するお春。彼の言葉を聞いて自分の思いを堪え切れなくなったお春は勝之介に抱きつき、倒れ込んでしまう。勝之介がお春を介抱していると、騒ぎを聞きつけた奉行が現れる。二人は役所に連行され、勝之介は処刑を宣告され、お春は卑しい身分の者と付き合った罰として、親子共々御所を追放されてしまう。

西鶴一代女のあらすじ【承】

田舎での暮らしを始めたお春たち。父はお春を親不孝者と罵る。お春は真実の愛に生きることがどうして罪なのかと問う。父はそれに答えず、彼女に恨み言を言い続けた。

処刑の直前。最期の言葉を聞き取ろうとする役人に、勝之介はお春の幸せと身分というものがなくなって、誰でも自由に恋ができる世の中になることを願った。直後、勝之介は首を切り落とされてしまう。

母がお春に役所から届けられた手紙を渡す。それは勝之介の遺言状だった。それを受け取ったお春は自殺を図るが、母に止められてしまう。

松平家には未だ跡継ぎがいなかった。このまま殿が誰とも恋せず家名を取り潰してしまうのではと危惧した家臣は、嫁探しに奔走していた。宿場を訪ね、持参した掛け軸を開き、ここに描かれているような女を探してほしいと仕切り役の男に依頼する。仕切り役の男は、そこら中から手当たり次第に女を集めてくるが、家臣の目にかなう者はいなかった。仕切り役は家臣にとっておきの女がいるという噂を聞いたことがあると話す。噂の女に合わせると、家臣はとても満足した。しかし、その女は、お春だった。大金を積まれたお春の両親は喜ぶ。だが、お春は浮かない顔だった。断ろうとするお春を、父は無理矢理連れ出した。

西鶴一代女のあらすじ【転】

屋敷に連れて来られたお春は、作法を叩き込まれ、奥方に挨拶をさせられる。まだ勝之介への想いが残るお春の気は浮かない。

殿や他の妾と共に人形芝居を見物するお春。殿に気に入られたお春は可愛がられるが、奥方はそれが気に入らなかった。

ある日、お春は殿の子を産む。連れて来られたときは悲しみばかりだったが、子を産んでやっとここが我が家のように思えるようになったと、産婆に語る。しかし、それも束の間。産まれた子は奥方に取り上げられてしまった。産後の疲れが溜まっていたお春には、取り返す気力もなかった。

子が産まれた後、実家に返されてしまったお春。だが、家に帰ると父親は多額の借金を抱えていた。お春が出世すると見込んで沢山の呉服を買い込んでいたのだ。父親はお春にまた町に行って金を稼いでくるよう頼む。母は悲しい思いをして帰ってきたばかりの子になんてことを言うのかと彼を非難するが、お春は生活のため、従わざるを得なかった。

花魁になったお春。彼女はそこで、金をばら撒いて威張る客と、金に群がる仕事仲間に囲まれていた。金に目が眩む人たちに呆れるお春。仕事を辞めると、母親が迎えにきた。もうこんな苦労はさせないから戻ってきてほしいと頼む母親。しかし、お春は無視を貫き通した。

新しい職場を探していたお春は、扇子屋の妻になる。真面目で優しい夫と暮らせて、やっと落ち着いた暮らしができると思った矢先、夫は夜道で物盗りに殺されてしまった。独りになったお春は店を知人に譲り、尼を志す。

お春の実家に、借金取りがやってきた。金を支払えないお春の父は支払いを待ってくれるよう頼むが応じてもらえず、代わりにお春から取り立てるよう、彼女の居場所を教える。お春が居候する尼の家にやってきた借金取りは、お春に借金が支払えないと知ると、彼女を襲う。借金取りと交わっているところを尼に見られてしまうお春。襲われたのだと釈明するが信じてもらえず、お春は寺を追い出されてしまう。

行く当てのないお春は、路上で三味線の弾き語りをして暮らす。歌う彼女の前に武士の子を乗せた行列が通る。菓子を食う子を見て羨むお春。寒さが一層身に染みた。最早、三味線を引く気力もなく、お春は泣き崩れてしまった。そこに二人の女が通りがかる。泣いているお春を家に上げる女たち。彼女たちはお春に食事を分け与え、自分たちと一緒に仕事をしないかと誘った。渋るお春だったが、女たちは明るく励ます。

女たちと共に遊女の仕事を始めたお春。顔に刻まれた皺を隠すため、夜道で男に声をかけるが、それでも歳のせいで中々稼げない。挙句、やっと客を捕まえたと思ったら、晒し者にされてしまう。そんな目にあっても、お春は懸命に働いた。

西鶴一代女のあらすじ【結】

昔のことを思い返していたお春を探しに仕事仲間がやってきた。何をしているんだと聞く仲間に、お春は「羅漢様を見ていた」と言い、それから仲間たちにも見るよう勧めた。きっと見知った男の顔がある。言う通りにしたお春の仲間は、羅漢像を見て「本当だ」と笑う。直後、お春は疲労で倒れてしまった。

お春が目を覚ますと、母の姿があった。母は噂を頼りにお春を探しにきたと言う。母は父が亡くなったことと、これからお春には幸せな暮らしが待っていることを伝える。かつて妾として仕えていた殿が死に、お春が産んだ若殿が後を継いだのだ。子供と一緒に暮らせるのかと母に聞くお春。彼女は母に抱きついて、息子が成人したことを喜んだ。

屋敷に連れて来られたお春。しかし、お春は若殿の母の身でありながら遊女売女に身を落としたと家臣に責められる。彼女に与えられたのは、別れの機会だけだった。またしても、お春は身分によって、最愛の人と引き裂かれてしまったのだった。

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