映画『さまよう刃(2009)』あらすじネタバレ結末と感想

さまよう刃(2009)の概要:2004年に出版された、東野圭吾の同名小説が原作。150万部を超えるベストセラーとなっている小説である。監督は、益子昌一、主演は寺尾聡。近年韓国でもリメイクされて話題となった。

さまよう刃 あらすじネタバレ

さまよう刃
映画『さまよう刃(2009)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

さまよう刃 あらすじ【起・承】

長峰重樹の娘、絵摩が、東京のとある川べりで、変わり果てた姿となって発見された。死体には、薬物注射の跡と強姦の痕跡が残っていた。妻を失ってから、男手一つで大切に育ててきた娘を失い、絶望のどん底にいた長峰のもとに、留守番電話のメッセージが一件入る。そこに、娘をレイプして殺したのは菅野快児と伴崎敦也という男であり、伴崎の家の住所とスペアキーのある場所、ビデオが残っていることが吹き込まれていた。

半信半疑ながらも、長峰はその伴崎の家へ向かい、留守だったため不法侵入した。そしてビデオテープを発見し、娘のレイプの映像を目にしてしまう。咆哮をあげて怒り狂い、茫然自失とする長峰は、そのまま伴崎の帰宅を待ち、包丁で刺して菅野の居所を聞き出した。

菅野にも罰を与えるために家を飛び出す長峰。入れ替わりにやってきたのは、二人の下っ端としてこき使われていた中井誠である。絵摩殺害の際、直接関与はしていないが二人に車を貸していたため、怖くなって長峰に密告したのだった。

伴崎殺しの犯人として、警察は長峰を追い始める。一方長峰は、素性を隠したまま菅野を追って、長野のペンションに向かった。

さまよう刃 あらすじ【転・結】

長野についた長峰は、素性を偽りながら、ペンションに宿泊し、どこかに潜伏しているであろう菅野を捜索する。ペンションのオーナー、丹沢は、長峰が指名手配犯であることに気が付くも、事情を知って通報するのを止め、協力することを決める。武器になればと猟銃を長峰に渡したのだった。

一方、菅野は逃走資金が尽きてきて、誠に金の無心をした。金の受け渡しを駅ですることを決め、その情報は警察にもわたる。しかし、絵摩が殺されたときから事件を捜査していた織部と真野は、ずっと悩み続けていた。長峰が長野に移動したころ、二人には彼からの手紙が届いていた。内容は、伴崎を殺したことの告白に始まり、少年法への思いも書かれていた。二人は未成年であるため、仮に逮捕されたとしても刑罰の軽い。絵摩が残忍すぎる殺し方をされた。なのに、少年法で軽く罰されるだけなどということは、決して許されることではないという、長峰の悲痛な心情が綴られていたのである。そこからずっと、警察のしていることに対する苦悩を抱えていた織部は、菅野が姿を現す駅を長峰に教えるのだった。

駅で、警察と、菅野、長峰がそろった。長峰の構えた銃口は、確かに菅野に向かっていたが、真野が長峰を射殺。しかし、長峰の猟銃に、弾は込められていなかった。

さまよう刃 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:112分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
  • 監督:益子昌一
  • キャスト:寺尾聰、竹野内豊、伊東四朗、長谷川初範 etc

さまよう刃 批評・レビュー

映画『さまよう刃(2009)』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

おすすめはできないけれど

とにかく、観ていてつらい。母と観に行ったのだが、母はもうただつらくて仕方なかったようで、どういう話だったとか何を訴えていたのかということに考えが及ばないくらい「つらい」を繰り返していた。おそらくそのくらい子供を持つ(特に娘を持つ)親御さんにとっては、つらい内容になっている。

ただ、少年法とはなんなのか、といういまだに厳罰化をめぐって議論が割れているテーマを直球にぶつけてくる作品なので、勉強にもなるし考えるきっかけにもなる。被害者になって、被害者の家族になって、初めてその法や現状に疑いを持つ、という棚上げ状態のものに問題提起をするのが東野圭吾は得意で、それをきちんと訴えきった映画となっている。

寺尾聡がすごい

観ているこちらが気圧されるほどの演技で、特に絵摩の殺害のビデオを観た時の長峰の咆哮は、画面を観ていられないほどだった。さすがとしかいいようがない。ちなみに、この長峰役で寺尾聡は第19回日本映画批評家大賞主演男優賞を受賞している。

お粗末な点も目立つ

とはいえ、突っ込みどころもないとはいえない。逆探知を仕掛ける電話に偏りがあったり、猟銃を構えている人がいるのに普通に野次馬が居たりと、演出的に「?」がついてしまう箇所はたびたびあった。

だがそれをあまり気にしている暇がないくらい、なんとも刺さるストーリーである。

終わり方に賛否両論

長峰が射殺されて終わる、という終わり方は、ある意味「映画」としての枠を超えられなかったのだろうと思った。こういう問題提起をする作品はどうしても「一件落着したけれど今後その問題を考え続ける必要がある」というところで落とすしかなく「ほらやっぱり悪いことが起きて正義は崩れました」という終わり方にはなかなかできないものだ。そういう意味ではあのラストシーンは仕方なかったのだろう。

さまよう刃 感想まとめ

始終暗いし辛い映画なので、あまりお気軽な気持ちで観るには適さない。どちらかというと少年法について考えたいとか、じっくり思想を深めたいと思っている時に覚悟して観るべき作品だろう。楽しいシーンはもちろん皆無だし、最初から最後まで犯人の少年たち(もちろん誠も含め)は、胸糞悪い。

ただこういう「自分の身に起きてみないと考えない」系のテーマを扱った作品としては良作なので、一見の価値はあると思う。ただし、親になる前に観た方が冷静に観られるかもしれない。

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